Frank Analysis - A Pick Order List for Theros Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-theros-draft/

※元ページに画像リスト有り。


僕の最近のテーロスドラフトの成績は44-19だ。これにはPTテーロスでの6-0という戦績を含んでいる。僕は現在のドラフト環境をかなり的確に把握していると思うよ。殆どのドラフトでは強豪達と同卓しているしね。僕はプラチナレベルを維持しているプロでありプロツアーにおいて勝者で在り続けている。実際、PTテーロスでのリミテッドの概要を準備するために、Martin JuzaやStanislav Cifka、Lukas JaklovskyやIvan Floch他何人かのトッププレイヤー達とプラハで5日をドラフトに費やしたよ。1日3回のドラフトをプレイして学んだことは大きかったね。

今回はテーロスリミテッドにおける僕の考えを教えよう。具体的には、僕の考えたリミテッドにおけるカード情報のリストを作ったよ。このリストでカードを確認したりランク付けをするのに役立つはずだ。こういったリストの主眼は僕の考えを一貫したものにすることにある。くれぐれも注意してもらいたいが、僕はこのリストでのランク付けが常に通用するものであるとは考えていない。君のピックによって各カードの評価は変わってしまうのだから。シナジーやマナカーブの考慮、色の選択などはピックにおける重要な役割を果たすことになる。

言うまでもなく、カードランキングは初手ピックにおける方向性を示しうる。加えて他のカードと比べた時の強さを知ることも出来る。が、時には勘違いを引き起こすこともある。これが僕の気に入っている点であり、君達に上手く扱って欲しい点でもある。


単色カードのピック順

個々のカードをランク付けする前に色のランクから始めよう。テーロスリミテッドにおいて、僕は次のようにランク付けした。

青>緑>黒>白>赤

尚、このランクが僕のピック順に与えている影響は些細なものであるという点は付け加えておきたい。何故なら僕のリストでは第1パック第1ピックにおける正確な方向性を見極めることを念頭に置いているので、Lightning Strikeのような赤のカードは他のフォーマットよりも低めに見積もっている。Lightning Strikeそれ自体は強力なカードであり、トップコモンと言っても良い。しかし赤は最も弱い色であるのでLightning Strikeのランクは少し低くなる。これを流すことは別に悔やむことではない。実際、目標に定めた2色を含めてあらゆる色を流しても問題ない。しかし方向性が見えない時点では赤くないカードをファーストピックとしたい。

他にリストに入れることが難しいカードはGray Merchant of Asphodelだ。このセットにおいては最も強力なコモンの一つだが、それはデッキを真っ黒に出来た時に限る。そしてドラフトでは大抵一人ないし二人の黒選択者がいる。もし二人以上が同じルートを辿ろうものなら、彼らのデッキは大抵酷いものになるだろう。問題なのは、一度Gray Merchantを流してしまったら、黒の路線が見えてくる頃には乗り換えるのは非常に困難になるということだ。そこで僕の(Ben Starkのでもある)アプローチは、少々リスキーでもあるが、Gray Merchantを早期にピックすることだ。これが僕のリストでランクが高い理由でもある。早期ピックした場合は一旦これを忘れて、単純に強いカードをピックしていく。もし黒の流れが見えないようならすぐに他の色に狙いを定め直すことだ。けれども、素晴らしい黒のコモン達が流れてきた時には、喜んでその流れに乗ってGray Merchantと気持ちよくなろう。

Lightning StrikeやGray Merchant of Asphodelが第1パック第1ピックに位置づけられる一方で、下位のランクをピックしていく頃、ランキングはより流動的になる。Chosen by Heliodを取りたい時点で、自分が英雄的コースにしたいのか、あるいはエンチャントが現時点の戦略にどれほど重要なのかを認識しておくべきだ。下位のカードを一般ランク付けすることは難しいが、僕自身のベストショットを示そう。

ではランキングの発表だ。見やすさを考慮して複数のカテゴリーに分けているが、これはあくまで一リストでしかないということは覚えておいてくれ。一例として、もし第1パックにFabled Hero、Keepsake Gorgon、Voyage’s End、Leafcrown Dryadが入っていたらFabled Heroを取る。英雄的生物を取った後はKeepsake Gorgonを、それを取った後はVoyage’s Endを取る、といった感じだ。


トップレア

《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
《威名の英雄/Fabled Hero》
《天界の執政官/Celestial Archon》
《忌まわしき首領/Abhorrent Overlord》
《高木の巨人/Arbor Colossus》
《運命の工作員/Agent of the Fates》
《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》
《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
《加護のサテュロス/Boon Satyr》


トップアンコモン

《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》
《海神の復讐/Sea God’s Revenge》
《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon》


トップコモンよりは良いがトップアンコモンよりは下位のレア

《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken》
《百手巨人/Hundred-Handed One》
《燃えさし呑み/Ember Swallower》
《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
《波使い/Master of Waves》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《夜の咆哮獣/Nighthowler》


トップコモン、及び同順位のアンコモン・レア

《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary》
《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
《エレボスの使者/Erebos’s Emissary》
《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad》
《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
《天馬の乗り手/Wingsteed Rider》
《航海の終わり/Voyage’s End》
《稲妻の一撃/Lightning Strike》
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
《捕海/Griptide》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》
《ナイレアの使者/Nylea’s Emissary》
《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》


トップコモンには劣るアンコモン・レア

《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
《マグマの噴流/Magma Jet》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《トリトンの戦術/Triton Tactics》
《パーフォロスの使者/Purphoros’s Emissary》
《形態の職工/Artisan of Forms》
《統率の取れた突撃/Coordinated Assault》
《不屈の猛攻/Dauntless Onslaught》
《強欲なハーピー/Insatiable Harpy》
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《豚の呪い/Curse of the Swine》
《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》


まあまあなコモン、及び同順位のアンコモン・レア

《目ざといアルセイド/Observant Alseid》
《食餌の時間/Time to Feed》
《蒸気の精/Vaporkin》
《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser》
《地平の識者/Horizon Scholar》
《先見のキマイラ/Prescient Chimera》
《鞭の一振り/Lash of the Whip》
《不機嫌なサイクロプス/Ill-Tempered Cyclops》
《怒血のシャーマン/Rageblood Shaman》
《パーフォロスの試練/Ordeal of Purphoros》
《神々の思し召し/Gods Willing》
《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis》
《神聖なる評決/Divine Verdict》
《希望の幻霊/Hopeful Eidolon》
《悪意の幻霊/Baleful Eidolon》
《迷宮の勇者/Labyrinth Champion》
《セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero》
《ファリカの療法/Pharika’s Cure》
《パーフォロスの激怒/Rage of Purphoros》
《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton》
《一口の草毒/Sip of Hemlock》
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
《洞窟のランパード/Cavern Lampad》
《闘技場の競技者/Arena Athlete》
《トリトンの財宝狩り/Triton Fortune Hunter》
《恭しき狩人/Reverent Hunter》
《海檻の怪物/Sealock Monster》
《菅草の蠍/Sedge Scorpion》
《槍先のオリアード/Spearpoint Oread》
《ナイレアの信奉者/Nylea’s Disciple》
《ケイラメトラの侍祭/Karametra’s Acolyte》
《残忍な発動/Feral Invocation》
《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
《双頭のケルベロス/Two-Headed Cerberus》
《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy》
《骨読み/Read the Bones》
《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》
《エレボスの試練/Ordeal of Erebos》
《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
《ナイレアの試練/Ordeal of Nylea》
《石殴りの巨人/Stoneshock Giant》
《思考囲い/Thoughtseize》
《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior》
《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster》
《前兆語り/Omenspeaker》
《メレティスのほら吹き/Meletis Charlatan》
《ヘリオッドの福音者/Evangel of Heliod》
《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
《苛まれし英雄/Tormented Hero》
《炎語りの達人/Flamespeaker Adept》
《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax》


多くは必要ないコンバットトリック及びエンチャント

《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod》
《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》
《タイタンの力/Titan’s Strength》
《武勇の誇示/Show of Valor》
《蛮族の血気/Savage Surge》
《エレボスの加護/Boon of Erebos》
《液態化/Aqueous Form》
《戦士の教訓/Warriors’ Lesson》
《予記された運命/Fate Foretold》
《災いの印/Scourgemark》


メインから採用は出来る程度の生物と呪文

《解消/Dissolve》
《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow》
《ラゴンナ団の長老/Lagonna-Band Elder》
《ミノタウルスの頭蓋断ち/Minotaur Skullcleaver》
《悪魔の皮のミノタウルス/Felhide Minotaur》
《永遠の炎のタイタン/Titan of Eternal Fire》
《フィーリーズ団のケンタウルス/Pheres-Band Centaurs》
《巨体の狐/Vulpine Goliath》
《ナイレアの存在/Nylea’s Presence》
《解消の光/Ray of Dissolution》
《レオニンの投網使い/Leonin Snarecaster》
《阻まれた希望/Stymied Hopes》
《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
《旅する哲人/Traveling Philosopher》
《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur》
《神々との融和/Commune with the Gods》
《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》


大抵はサイドボードに取っておくもの

《沈黙の職工/Silent Artisan》
《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
《邪悪退治/Vanquish the Foul》
《セテッサの戦神官/Setessan Battle Priest》
《サテュロスの散策者/Satyr Rambler》
《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
《野蛮な祝賀者/Wild Celebrants》
《エファラの管理人/Ephara’s Warden》
《受勲したグリフィン/Decorated Griffin》
《水跳ねの海馬/Breaching Hippocamp》
《タッサの褒賞/Thassa’s Bounty》
《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
《無効/Annul》
《裏切りの先触れ/Portent of Betrayal》
《今わの際/Last Breath》
《古代への衰退/Fade into Antiquity》
《切り裂く風/Shredding Winds》
《狩人狩り/Hunt the Hunter》
《サテュロスの笛吹き/Satyr Piper》
《水底の巨人/Benthic Giant》
《闇の裏切り/Dark Betrayal》
《殺し屋の行動/Cutthroat Maneuver》
《異端の輝き/Glare of Heresy》
《記憶の壁/Mnemonic Wall》
《火花の衝撃/Spark Jolt》
《毒蛇座の口づけ/Viper’s Kiss》
《蘇りし者の行進/March of the Returned》
《落岩/Boulderfall》
《不死の贈り物/Gift of Immortality》
《死の国からの救出/Rescue from the Underworld》
《アスフォデルの放浪者/Asphodel Wanderer》
《反論/Gainsay》
《鋤引きの雄牛/Yoked Ox》
《トリトンの岸盗人/Triton Shorethief》
《峰の噴火/Peak Eruption》
《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》
《伝書使の素早さ/Messenger’s Speed》
《拠点防衛/Defend the Hearth》
《破砕/Demolish》
《白鳥の歌/Swan Song》


多色カードのピック順

上記単色カードに加えて、テーロスでは多色カードもかなりの量を占めている。(能力起動にかかるマナ色が本体と異なるものも多色リストに含んでいる。)特にドラフト初期段階では多色カードを取るか、或いはまだ色の方向性を決めずにおくかという難しい選択を迫られる時がある。僕の方針では、強い多色カードを取るよりもそれより弱めではある単色カードを取ることで柔軟性を維持することを重視する。その多色カードが極端に強力で無い限りはね。具体的にしたのが以下の多色ランキングだ。ここでいう「トップコモン」というのはVoyage’s EndやLightning Strikeなどのことで、「まあまあなコモン」というのはTime to FeedやVaporkinなどを指す。

あらゆるトップコモンよりも優先して取る多色カード

《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
《アナックスとサイミーディ/Anax and Cymede》
《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds》
《老いざるメドマイ/Medomai the Ageless》
《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》
《死の国のケルベロス/Underworld Cerberus》
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》


トップコモンよりは下だがまあまあなコモンよりは優先して取る強めな多色カード

《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
《難破船の歌い手/Shipwreck Singer》
《運命の三人組/Triad of Fates》
《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
《英雄の記録者/Chronicler of Heroes》
《死の国の歩哨/Sentry of the Underworld》
《地平線のキマイラ/Horizon Chimera》


まあまあなコモンよりも優先度は下がるまずまずな多色カード

《殺人王、ティマレット/Tymaret, the Murder King》
《ファリカの癒し人/Pharika’s Mender》
《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos》
《蘇りし者の密集軍/Returned Phalanx》
《クラグマの戦呼び/Kragma Warcaller》
《静寂の神殿/Temple of Silence》
《神秘の神殿/Temple of Mystery》
《奔放の神殿/Temple of Abandon》
《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
《死呻きの略奪者/Deathbellow Raider》
《アクロスの重装歩兵/Akroan Hoplite》
《海岸線のキマイラ/Coastline Chimera》
《はじけるトリトン/Crackling Triton》
《彼方の工作員/Agent of Horizons》
《セテッサのグリフィン/Setessan Griffin》
《アクロスの木馬/Akroan Horse》
《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn》
《つややかな雄鹿/Burnished Hart》
《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
《蒸気占い/Steam Augury》
《精神的な介入/Psychic Intrusion》
《サテュロスの享楽者/Satyr Hedonist》
《魔心のキマイラ/Spellheart Chimera》
《旅行者の護符/Traveler’s Amulet》
《未知の岸/Unknown Shores》
《イロアスの神官/Priest of Iroas》
《金床鋳込みの猛禽/Anvilwrought Raptor》
《青銅の黒貂/Bronze Sable》
《メレティスの守護者/Guardians of Meletis》
《炎放ちの車輪/Flamecast Wheel》
《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
《アクロスの巨像/Colossus of Akros》
《こそ泥の兜/Prowler’s Helm》
《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals》
《毒々しいカトブレパス/Loathsome Catoblepas》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《魔女の目/Witches’ Eye》
《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》


テーロスリミテッド20ヶ条

この記事の締めくくりとして、テーロスリミテッドとドラフト全体に通じる僕の考えた20個のコンボを書こう。

1)ドラフトでの授与において、絆魂と二段攻撃はより重要となる。よってTwo-Headed CerberusやInsatiable Harpyは僕のピック順では通常よりも上位に来る。 ScourgemarkやDragon Mantleとの組み合わせも強力であることも忘れずに。

2)Disciple of PhenaxやReturned Centaurと組み合わさることでVoyage’s EndやGriptidはそれぞれ強力な除去に変わる。

3)もしNemesis of Mortalsを取れたなら、Satyr HedonistやCommune with the Godsの評価は急騰する。

4)Sealock Monsterをプレイし、更に手札にNylea’s Presenceがあれば、相手の土地を島にしてSealock Monsterで殴ることが出来る。

5)Cavalry Pegasusで空を飛ばすのにうってつけな人間はAkroan HopliteやDaxos of Meletis、Staunch-Hearted Warriorだ。

6)Karametra’s AcolyteをTriton TacticsやSavage Surgeでアンタップすることは、時にイカれたマナ加速に繋がる。

7)赤と緑には4マナのカードが集中しているから、ピックする枚数は抑えめに。

8)正確に計算すると、ドラフト1回あたり各コモン2.4枚と各アンコモン1.2枚を平均して手にすることが出来る。また5色中2色の組み合わせ10種類に対し1卓8人という結果、2色の選択が他と被ることは殆ど無い。それ故自分だけのトップコモン・アンコモンを想定することが出来る。例えば、緑白をやっている時はChronicler of Heroesはまず取れるのでStaunch-Hearted Warriorをより早めに取るべきだ。

9)赤黒はフィニッシャーにKragma Warcallerを使ったマイナーなミノタウロスデッキが出来る。Felhide Minotaurのようなカードは赤黒をやってる時は早めにとるべきだ。よく見落とされがちなことだが、Fanatic of Mogisもミノタウロスだ。

10)緑赤及び青赤は多色カードの中でも特に脆弱だ。

11)5マナ以上のカードと4マナ以下のカードの比較で、より早い勝利のためには後者に軍配が上がる。重いカードは勝敗に関わる怪物化や授与の妨げに成り得るからね。

12)神は信心を稼ぐのが難しいのでリミテッドにおけるボムにはならない。それでもHeliod, God of the Sunの能力は素晴らしいので常にメインから採用出来る。だが黒いデッキでErebos, God of the Deadはサイド要員だ。勿論早期に神をピック出来たなら後のピックは信心稼ぎを優先していい。

13)コモンカードのLash of the WhipやRage of Purphorosの存在下においてタフネス5という数字はマジックナンバーだ。従ってNessian Aspは考えてる以上に強力な奴だ。

14)青・緑・黒の良質なカード群の点数で見た平均マナコストは比較的高く、なんと3を超える。対照的に、赤と白では3以下となるので速攻型になりがちだ。

15)緑・青・白は英雄的クリーチャーと関連している。赤と黒には全くない。コンバットトリックや授与時においてはこのことを念頭に置いておくこと。

16)十分な数の授与クリーチャーを集めることは出来ない。重要なのは、白と黒のコモンには2枚の授与クリーチャーがいてそれ以外の色には1枚しかないということだ。

17)パックはよく混沌としたものになるので、十分な素材をピックしていても他の色に乗り換えることが度々ある。躊躇することなく、その場に応じて色を乗り換えることだ。

18)接死持ちクリーチャー(Sedge ScorpionやBaleful Eidolon)は試練サイクルに対する最高の回答だ。リミテッドにおいては強力なものとなる。

19)テーロスドラフトは比較的速く、テンポゲーである。M14ドラフトとは全く異なる。良いマナカーブにすること。

20)最後に、ドラフトでいつでも通じる、特にこのセットにおける最も重要なアドバイスをしよう。サイドボードを使え!

デッキをいじる機会を逃さないことだ。僕個人だと1試合あたり4枚のカードを替える。これは多めだが、僕の勝利に繋がっている重要な部分だと思っているよ。サイドボーディングはAnnulやLast Breath、Shredding Winds、Dark Betrayalといった明確なアンチカードから始まるが、僕は大抵「害悪」なカードへの対策を考える。Benthic Giant(Heliod’s Emissaryをブロックし他の地上ウィニーを止めるため)、Bronze Sable(相手がLeonin Snarecasterと相方で攻めてくるようである時)、Ephara’s Warden(Prescient Chimeraをタップさせるため)、Flamecast Wheel(相手がKragma Warcallerを持っているなら)のようにね。

もしかしたら、何を入れるかよりも何を抜くかのほうがより重要かもしれない。相手に殆ど効き目が無かったのはどのカードかを見極めることだ。例えば、Read the BonesやVaporkin、Sea God’s Revengeは速攻系な赤白デッキ相手にはサイドアウトする。相手がOmenspeakerやWavecrash Tritonを使ってるならSatyr Ramblerは抜くべきだろう。重めの黒相手にCavern Lampadは抜く。試練サイクルは相手が複数のGriptidesやSedge Scorpion等を持ってるなら抜こう。 タフネス2以下のクリーチャーが見られないようならPharika’s Cureは抜くべきだし、相手の生物が軒並み飛行だらけならPheres-Band Centaursはいらない。もしマッチが遅めであるなら3色目を入れることも考慮すべきだ。逆に高速であるならタッチカラーは抜くべきだろう。

まとめると、鍵となるのは相手のデッキがどのようなものかを把握し、自分のカードプールの1枚1枚を見直すことだ。ピック順リストは役に立つが、カードの評価は対戦相手に大きく依存する。時にはSea God’s Revengeを抜いてBenthic Giantを入れることも正しい戦略となる。

先日のテーロスリミテッドでのグランプリ香港で見事に優勝した中村修平にはとても感謝してる。ピック順リストを作ってる時、各カードの評価について彼の素晴らしい見識をシェアしてくれたからね。それでもランキング自体は修平の経験をベースにして、僕自身が最終的に作り上げたものだ。なのでもし質問や評価に関する苦情があれば、是非とも僕に対して投げつけてくれ!

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誤訳等お気づきの点があったらコメントよろしくお願いします。

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