Owen’s a Win - Black Devotion Redux
By Owen Turtenwald 23 Mar, 2014

http://www.channelfireball.com/articles/owens-a-win-black-devotion-redux/

実を言うと、今から一週間前の僕はスタンダードからかなりの間離れていてグランプリの結果も全てに目を通してはいなかった。黒単信心が今のメタゲーム上で以前と比べどう変化したかも定かではなかった。GPブエノスアイレスではサイドから《殺戮遊戯/Slaughter Games》を積んだりしたタッチ赤バージョンを試したんだけど、《戦慄掘り/Dreadbore》が《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》や《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》への強力な解答になったことは大変満足がいくものだった。けれども自らライフをすり減らすショックランドを使用するマナベースと、デッキ内の赤いカード自体は少ないという矛盾からこの構築はあまり好きにはなれなかった。タッチ赤の構想にはまだ議論の余地があるけど、黒信心で他の色にタッチするのは今の所ごめんだね。これが今のレシピだよ。
土地
4 x 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4 x 《変わり谷/Mutavault》
17 x《沼/Swamp》

クリーチャー
4 x 《群れネズミ/Pack Rat》
4 x 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
4 x 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
4 x 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》

呪文
4 x 《思考囲い/Thoughtseize》
4 x 《肉貪り/Devour Flesh》
2 x 《胆汁病/Bile Blight》
1 x 《究極の価格/Ultimate Price》
4 x 《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
4 x 《地下世界の人脈/Underworld Connections》

サイドボード
4 x 《破滅の刃/Doom Blade》
4 x 《強迫/Duress》
3 x 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
2 x 《闇の裏切り/Dark Betrayal》
2 x 《真髄の針/Pithing Needle》

最も決めかねているのは《究極の価格/Ultimate Price》を沼にするかだ。GPブエノスアイレスでは2つの黒信心がTOP8に残ったが、それらは僕の以前のメイン型である土地26に対して土地25に追加の2マナ除去を入れていた。いくつかの理由から僕もこの構築に乗ることにした。主な理由は――単純に、これまでは僕が間違っていてこっちの方が実は正解である、ように見えるというだけだ。本当にこれが誤りなのか深く検討してみたけど、たった1枚のカードが構築として間違っていたとしてもそれが結果に与える影響は小さいのだから、僕がずっと間違いに気づいていなかった可能性は十分に有り得る。特にその1枚が土地であるなら、尚更それがデッキのノイズになっているかなんて分かるものじゃない。ともあれ《究極の価格/Ultimate Price》は最近のメタに大きく噛み合ったカードだ。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《冒涜の悪魔/Desecration Demon》が蔓延る中で安定した除去となる。《英雄の破滅/Hero’s Downfall》以外で。

ここの所よく聞かれるんだけど、《夜帷の死霊/Nightveil Specter》を全て《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》に入れ替えている。メインゾンビは全然行けるといつも考えてはいたけど、当時はまだデッキを考えるまでには至らなかった。PTテーロスで《群れネズミ/Pack Rat》入り黒単信心が解禁された時、そのプレイヤーはメインに《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》を積んでいた。黒信心こそスタンで生命散らしが最もマッチするデッキだと常々思うよ。僕は第1ゲームから生命散らしをプレイできることが大好きで、このデッキを使ううちはサイドに3枚積んでおくような真似は絶対にしたくないね。こいつはメタゲームに左右されるような奴じゃないし、僕のメインデッキでより拡張された部分と言える。
生命散らしが本来の仕事をすることは中々無いものだが、刺さった時の効果は莫大だ。生命散らしと《思考囲い/Thoughtseize》を積むことは単純に《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》にハメ殺される試合がより少なくなるし、ポルクラノス4積みのようなデッキが多い環境では非常に意味のある構築となる。3/1威嚇というスペックはプレインズウォーカーへの脅威となり、ダブルシンボル且つ基本アンブロという2点はデッキプランに素晴らしく噛み合っている。《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》で相手のライフを吸い殺すというね。

まあこんな意見もあるだろう。大抵ポルクラノスは《エルフの神秘家/Elvish Mystic》や《森の女人像/Sylvan Caryatid》を経由して出るから生命散らしが間に合わないのではないか?と。確かにその通りだが、《胆汁病/Bile Blight》や《肉貪り/Devour Flesh》でマナクリーチャーは殺す事ができる。思考囲いだってある訳だ。試合はそうストレートにはやらせないさ。

《胆汁病/Bile Blight》は待ち望んでいた黒単への解答だが、後になって考えると過大評価であったかもしれない。このカードが黒単というアーキタイプを強化しメインデッキの主要パーツになるということは確かにその通りではあったけど、胆汁病をプレイすればするほど、僕はこのカードが好きではなくなってきた。こいつは《ファリカの療法/Pharika’s Cure》よりずっと強く、メタに大きく噛み合うものではあるけど、一方で欠点もあったんだ。

ジャンドモンスターズがメタに台頭してくることは予期していたけど、このデッキには胆汁病がまるで刺さらないのだ。《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》のトークンを一掃できるが、サテュロストークンは彼らの勝ち手段ではない。《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を殺せるのも無論悪い点ではないが、毎回出されるわけではないし大体はファッティの連打に終始する。30枚もの生物が入っているデッキに対してサイドに落ちる運命にある2マナの除去とは!《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》やデカい神話怪物も倒せやしない。
けれども胆汁病は別の理由から使い続けることにした。群れネズミという最重要課題への対抗策として。僕はMOでほんの少しの間、胆汁病0枚でテストしてみたが、5ターン目にネズミをプレイして颯爽と試合を掻っ攫っていくプレイヤーにすぐさま出くわす羽目になった。それがネズミの持つ本来の強みであるはずなのに、それへの対抗策をデッキに入れていないとはなんて馬鹿だと思ったよ。胆汁病が発表された時、僕が歓喜した主な理由は青単信心への超強力な除去になるだろうということだった。それは正しかったが、何らかの理由から今ではもう青単をプレイする人はほとんどいなくなってしまった。何故は分からないけど、ほぼ一夜にして舞台から降りていったよ。今でも少数の青信心プレイヤーがいるけど、そのレシピは以前とは違うものになっている。

僕は以前と変わらずに4枚の《肉貪り/Devour Flesh》をメインの除去としている。これは数ある除去の中で唯一信頼が置けるカードだ。他の除去には何かしら明確なデメリットが付随しており、例えば《破滅の刃/Doom Blade》がミラーではずっと手札に抱えられたまま腐っていくのに対して肉貪りはどんなに腐る状況でも確実に1体のクリーチャーを除去できる。《冒涜の悪魔/Desecration Demon》との兼ね合いの良さも気に入っている。相手がクリーチャーをサクって君の悪魔をタップさせようとする時(これは頻繁に起こる)、肉貪りがそれを妨害する訳だ。相手が貪りでサクるのはその時最も役立たずなクリーチャーだが、結局は冒涜の悪魔を止めるために次点のクリーチャーもサクる羽目になる。肉貪りを自分に撃てる点もナイスだね。それ自体は馬鹿馬鹿しく見えるだろうが、その機会は意外とよくやってくる。相手が2体食わせた冒涜の悪魔をピンチの時は肉貪りでサクって8点のライフを得られれば、決して肉貪りの持つ価値を貶めることにはならないさ。この戦術はサイド後やハンドがバレているときには取るべきものではないが、常に意識しておきたい。

サイドボードは簡潔明瞭な作りにしている。《破滅の刃/Doom Blade》4枚。これだけ見ると美しさも感じられないか?これらは勿論ジャンドモンスターズのキークリーチャーである《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を狙いにしている。破滅の刃を多く引けば引くほどジャンドモンスターズへの勝率は向上するんだ。破滅の刃はモンスターズへの最も有効な除去であり、バーンや白ウィニー、青単信心に対してもいい仕事をするね。

他にも2枚の《真髄の針/Pithing Needle》をサイドに用意したけど、素晴らしい働きぶりだよ。ジャンドモンスターズがプレイしてくる4枚の《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》に3枚の《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》には《英雄の破滅/Hero’s Downfall》を何枚も引く幸運が無い限り重大な脅威となるからね。針でプレインズウォーカーを止めることは黒単にとって最も有効な解答だけど、それ以外にも思考囲いとの強いシナジーもあるんだ。着地しトークンを生み出したゼナゴスに針を刺すだけではディスアドで、そんなことを続けてたらマジックを長期で勝ち越すことは出来ない。けど先に思考囲いで相手のハンドを覗き、どのプレインズウォーカーがあるか予め知っておけば真髄の針は真の力を発揮できる。啓示コンも最近はエルズペス3枚が主流だから針の有用性は高い。《強迫/Duress》で《拘留の宝球/Detention Sphere》を抜きつつハンドに残ったジェイスに針を刺すなんて最高じゃないか!

《強迫/Duress》4枚はMOメタ上位のバーンを意識してもいる。啓示コンにぶち込めるのは勿論、バーンがメタ上位にいる今、強迫4積みは必須と言えるだろう。

また、以前のように《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》は3枚に戻している。これは啓示コンとミラーマッチ専用のカードだ。エレボスはこれらの試合でサイド後に光る。《地下世界の人脈/Underworld Connections》も同じく上記マッチアップでは最高のカードであり、エレボスは追加の人脈だ。前はより綺麗なマナカーブとエレボスの被りを嫌ってエレボス2枚と《骨読み/Read the Bones》1枚にしてたことがある。けど思考囲いや勾留の宝球でエレボスが処理されやすいことから、彼を複数引いても悪引きになるとは限らないよ。

最後に。今のMOにはものすごい数のバーンがいて、それらとの試合はいつも紙一重だ。僕はメインには強力なクリーチャー除去と《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》、サイドに《強迫/Duress》4枚という構築がベストだと思うけど、バーンとのマッチアップを懸念するのであれば欺瞞の神殿を4枚とも沼に変えてサイドに《死の大魔術師の杖/Staff of the Death Magus》を2、3枚積むという派手な構築もアリだろう。このカードはバーンに対してエンドカードと成り得るだろうね。

Owen Turtenwald
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https://twitter.com/OwenTweetenwald on twitter

コメント

TAP-MOX
2014年3月28日8:10

杖かぁ。

ありかもなぁ。

グール
2014年3月28日12:06

おおおお!俺の死の大魔術師の杖を考えていて同じ考えとは!!

グール
2014年3月30日20:45

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