PT運命再編でTOP8にも入ったJacob Wilsonによる記事です。

5 Myths About Sideboarding
By Jacob Wilson // 3 Feb, 2015
http://www.channelfireball.com/home/force-of-wilson-5-myths-about-sideboarding/


1.アグロデッキのサイドボーディングはデッキを強化する

サイドボーディングはあなたのデッキを最も悪化させる機会である。簡単に言うと、サイドからデッキに入れるカードとはすなわち、本来ならメインデッキから抜くべきカードであるはずだ。
一般的にメインデッキはパワフルなカードを満載にした一貫性のある形にし、サイドボードはそれに対応したニッチなカードを用意する。しかし、もしあなたが自分のデッキや環境に不慣れであるならば、サイドボードを過剰に入れてしまうかもしれない。デッキの脅威を減らして、より相手に刺さるカードを入れる……これはコントロールに立つ時やサイド以外に相手の脅威への解答が無いときは適切といえる。故に、アグロデッキにはサイドボードから解答を入れることが適切である場合とそうでない場合がある。

コントロールに立つ:これはアグロのミラーマッチでよくある。デッキを防御的にするとき、それはロングゲームを目指すということであり、そのためにはサイドボードにロングゲーム用のよりカードパワーの高いものが必要だ。ここでアブザンアグロミラーを想定しよう。あなたのサイド後のデッキには《砂塵破》と《太陽の勇者、エルズペス》が入っている。これらはメインデッキとはあまり噛み合わないが、長期戦においてはピッタリだ。

解答のない脅威:例えばRTRブロックでの赤単VSエスパーコントロール。エスパー側には《ヴィズコーパの血男爵》以外にクリーチャーは入っていない。しかし赤単にとって多少の脅威を抜いてでも《ミジウムの迫撃砲》を入れることは正しい。赤単はコントロールに立とうなんて思わないが、《ヴィズコーパの血男爵》の刺さり具合を加味すると《ミジウムの迫撃砲》はどうしても必要になる。大抵の場合、アグレッシブなデッキはゲームプランを曲げるようなカードをサイドボードから入れることは出来ない。そもそもそういったデッキのコンセプトは、相手の使う高額カードのアドバンテージを狭めるというものであるはずだ。1体の《苛まれし英雄》を4枚の《英雄の破滅》や《残忍な切断》でバックアップするよりも2枚の《苛まれし英雄》に1枚の《血に染まりし勇者》達を2枚の除去で支援する方がずっと上手くいくだろう。

ここではアグロデッキがサイドボードを入れるべき状況について2つを提示してみた。大抵の場合はこれを守ることでサイドボーディングを必要最小限に行えるだろう。そしてアグロデッキは通常、カード間のシナジーを必要とするから、この考えはコンボデッキにも応用できる。



2.《外科的摘出》と《頭蓋の摘出》は素晴らしい

単一のカードによってのみコンボが回るデッキにとって『摘出』タイプのカードは大変刺さりやすい。そんな相手を除いて、摘出カードは入れるべきではない。コンボデッキでもない相手に対し《外科的摘出》を入れる人を見る度にいたたまれない気持ちになってしまうよ。それにモダンの双子のようなデッキに対し《記憶殺し》を入れるのも有効とはいえない。双子デッキはたとえコンボパーツを抜かれたとしても《ヴェンディリオン三人衆》や《嵐の神、ケラノス》のようなゲームを勝つ上で十分な代替戦力を有している。レガシーで私のデルバーデッキが《外科的摘出》や《根絶》を撃たれた回数は数えきれない。わざわざハンドを1枚切ってまで《思案》を抜くことが果たして有効といえるだろうか?手始めにデッキに『摘出』カードを入れないようにしてみるといいだろう。



3.リミテッドにおけるサイドボーディングは有効ではない

多くのプレイヤーは、勝ち組を含めて、リミテッドにおけるサイドボーディングを全く持って軽視している。

サイドボードをドラフトしよう!遅番で《軍用ビヒモス》と《暴風》が流れてきたら?《軍用ビヒモス》は平凡なカードであり、一方で《暴風》は状況次第で価値が変わる。もしその時点でプレイアブルなパーツを十分(22~24枚ほど)確保していたら、サイドボードとしてピックすることを検討しよう。

サイド後土地を減らす:リミテッドにおいて土地を減らしたい要素はいくつかある。消耗戦においては1枚の無打牌を引くか引かないかが勝負を分つことがある。あまり効果のない重いカードを複数減らす時には土地も1枚減らしたほうがいい。またあなたが1ゲームを取った後は大抵相手は先手を取る。……後手の時だけが土地を1、2枚減らせる唯一の機会だ。

色を切り替える:デッキの色を完全に変えることはシールドにおいて考慮に値する。貰ったプールで最適なデッキが出来た後で、試合の合間にでも別のデッキを考えてみよう。1ゲーム目を遅いスゥルタイで制したら、2ゲーム目は素早いボロスに切り替えて相手の意表を突くんだ。相手がサイド後にロングゲームで有効な《従順な復活》や《奈落の総ざらい》を入れていたら効果てきめんだろう。
色の切り替えをサイドボーディングのルール(適正な時間内にデッキを無作為化する)に基づいて実際に行うためには予め代替デッキを用意しておく必要がある。

もしデッキが正しく緊密に作られているならば、サイド後にニッチなカードを入れたり土地を抜くことがないよう私は強く警告する。



4.対戦相手の脅威に対しぶっ刺さる解答を常に入れる

もし相手がアーティファクトを使っていたら、サイドから《粉砕》を入れるべきだろうか?相手に刺さるカードがサイドにあったら全部入れるのはもっともらしい。しかしそれは状況次第だ。前項で私はアグロデッキのサイドボーディングは最小限でいいことを既に述べた。どんなデッキであってもこの罠に引っかかってはいけない。

スタンダードのアブザンミッドレンジVSシディシウィップを考えてみよう。

あなたはアブザンをプレイしておりシディシウィップの数多くの脅威に晒された。そしてたっぷり用意してきたサイドボードを入れようとする。《消去》2枚、《胆汁病》3枚。《悲哀まみれ》2枚、
《対立の終結》2枚……そして抜くのは《森の女人像》4枚、《真面目な訪問者、ソリン》2枚、《風番いのロック》1枚、《太陽の勇者、エルズペス》2枚。

サイドインしたこれらは確かに特定の状況では効果的だ。しかしその代償として複数のプレインズウォーカーが犠牲となっている。アブザンミッドレンジはデリケートなマナバランスに除去とフィニッシャーで成り立っているデッキだ。なるほど、確かに殆どの試合において相手のゲームプランをもみ消して行くことは出来るかもしれない。だが、最後はどうする?前環境の青白コンなどはそういったゲームの長期化に対する素晴らしい解答、《スフィンクスの啓示》を持っていた。しかしアブザンにはそんなカードはない。一度攻勢に入ったらそのまま勝ちに繋げられるようにプレインズウォーカーは複数ないし全部残すことを推奨する。



5.サイドプランニングは有効である/有害である

予めサイドプランを考えてくることが有用かは人によって異なる。理想的には、プレイヤーは広い心を持って個々の試合でそれに対応した最適なサイドボーディングが出来ればいい。実際の所、想定されるアーキタイプ毎のサイドプランを考えて行くことは大抵の人にとっては有益に働くだろう。そして自分のデッキや環境を理解するに従って、想定していたデッキと対戦相手のデッキやプレイスタイルとの違いに気づいた時にはサイドプランをより拡張していけるだろう。


今回私が説明した迷信に関してのあなたの考えや、あなただけが知っていることについて話を聞けると嬉しいよ。

ここまで読んでくれてありがとう!
-Jacob Wilson



※編集者注:本記事ではゲーム間のサイドボーディングに割り当てられる時間について旧ルールに基づいて書かれています。

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