CHOOSING YOUR DECK
Posted in Level One on June 8, 2015

By Reid Duke
http://magic.wizards.com/en/articles/archive/level-one/choosing-your-deck-2015-06-08

皆がマジックについて僕に最も質問してくることは何だと思う?

「来週のデッキは何を選んだらいいですか?」

ああ、これにもっとシンプルで上手い回答が出来たら!

実際のところ、デッキ選択というものは非常に難しい。僕達を最も悩まし、夜通し苦労させてくれるものだ。良い回答は未だ見つかってないけども、今回はこの問題について考えていこう。



完コピか自作か

『ネットデッキング(WEBで見たリストをコピーすること)』への忌避は晴れないものだ。もしあなたがカジュアル勢なら、どんなデッキ選択をするのも自由だ。

しかし競技マジックの世界ではネットデッキングが当たり前であり、例えそれが受け入れられずとも備える必要がある。一から新しいデッキを作ることは十分称賛に値することだが、ネットデッキングは決して侮れるものではない。

結果を残したデッキをコピーすることにはたくさんのメリットがある。まず初めに、当たり前のことだろうけど、コピー元のデッキが既に結果を残していることが保証されている。それにネットから得たデッキには、それを調整した数多の人の努力が詰まっているんだ。

例えばスタンの赤単。非常に多くの人がプレイしているそれには、その人数だけの経験や考えが集まっている。最も調度良いと思われる土地の枚数、最も勝利をもたらすであろう個々のカード選択、最もメタにあっているであろうサイドボードとなっているわけだ。その中のどれかに正解が一つだけあるわけではないが、良いレシピはそれだけ良い結果を残すと共に、その強さの特徴は次の赤単へと受け継がれる。まさにダーウィンの《適者生存》だ!

あるアーキタイプを一度コピーした瞬間、あなたは調整に費やすであろう膨大な量の時間と体力を抑え、別の準備に充てることができる。例えばもし既に赤単を選んでいるなら、デッキ調整の時間をデッキ回しの方に向けられるだろう。

一からデッキを作ることは非常に難しい試みだ。世界クラスのプレイヤーでさえ、完全にデッキ構築を理解している者は限られる。1つの良いデッキまでには9つの糞デッキがあるとは良く言うものだが、構築には創造力、直観、粘り強さ、労力、そしてこれらの下で成功する訓練が必要だ。端的に言って、新しくデッキを作ろうとした時点で、あなたはディスアドバンテージを背負うことになる。

あ、でもこれは決してデッキを自作するなと言ってるわけではないよ!素晴らしいデッキを作ることが出来れば、それは誰にも知られず、対策もされていないという大きなアドバンテージとなる。あなたが何をプレイしてくるのか相手には全く分からないだろうさ。

それに何と言っても、デッキ構築は優れたプレイヤーに近づく方法の1つでもある。試合展開を見越してあらゆる観点の下でデッキを作ることが出来れば、試合中の状況分析力は上がり、何が勝利を導き、何のために敗北してしまったかということへの理解が深まることだろう。

くれぐれもデッキを自作することに固執しないように。特に調整時間が限られている時にはね。と言っても、デッキ構築は本当に良い練習になり、価値のある経験になる。時間が空いたらトライすることをお勧めするよ。



メタに合ったデッキ

先週はメタゲームというものに関する記事(http://magic.wizards.com/en/articles/archive/level-one/metagame-2015-06-01)を書いた。もしあなたが『正しく』メタゲームを読むことが出来れば、最大の脅威に備えた最も鋭いデッキを選び、作り、調整出来るだろうね。

青黒コンがトップメタと踏んだ時に相手の初動が《欺瞞の神殿》だったらまさに最高のシチュエーションだろう。あなたは相手に備え、相手は備えていない時の優位性は中々覆されるものではない。

但し、メタを読むことの不確定さについて思い出しておこう。通常、メタというものは非常に変化に富む。そして大抵、あなたのメタ読みは(ほんの少しでも)外れるものだ。仮にピタリと読めたとしても、実際のペアリングでそれら仮想敵と丁度良く当たるかなんてことは全くわからない!



実力のあるデッキ

相手をとにかく成すがままにしたい?オーケー、それなら『実力』のあるデッキを使おう。『実力』とはまた不明瞭な言葉だけど、つまりはフォーマットやメタを度外視してそのデッキ(またはカード)がどれだけ強いかということだ。僕の考えでは、デッキの実力とはすなわち「異なるフォーマットで、無数の異なる相手の異なるデッキにそのデッキはどれだけ活躍できるか?」という言葉に集約できる。

例えば緑信心はとても高い実力を持っている。速く、爆発力があり、自分の土俵を持ち、普通のデッキのプランとは郡を抜いている。しかしメタに《対立の終結》や《命運の核心》、《危険な櫃》が溢れているようならそのデッキ選択は間違いとなる。

状況によって『実力』によるデッキ選択は正解となるし、時には考えない事のほうが良い。ここは加減がモノを言う。

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積極的なゲームプラン

『積極的に動く』とはすなわち、相手の動きに合わせるのではなく自分のゴールに向けて行動するということだ。とにかくアグレッシブに動き、ゲームを速やかに終わらせに行くという意味だね。

メタというものは複雑で分かりにくいから、自分自身のゲームプランに集中することは大きなアドバンテージであり、そのプランを押し通すことが出来ればまず勝てる。存在する全ての相手に対する回答を用意しておくほうがずっと難しいものだよ。試合が長引くほど、間違いを犯す可能性も増える。

あなたのデッキがどんなにゆっくりでコントロールなデッキであったとしても、積極的に動いていこう。《龍王オジュタイ》はその好例だ。小さなアドバンテージを元に勝利の盤面を作り上げていくそれは、一度動き出してしまえば止まることはない!

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必然性(いずれ勝つ)

一方、必然性(http://magic.wizards.com/en/articles/archive/level-one/inevitability-2014-12-08)もまた見逃すことは出来ない。必然性とは、勝負は時間の問題になっているという概念だ。

あなたに必然性があるとき、あなたがすべきことはとにかく長く生き残ることになる。大抵は防御に回るほうが攻撃するよりも簡単だ。

しかし最も怖いシチュエーションは、自分に必然性があると勘違いすることだ。それを避けるためにも積極的なプランを取ることは大事になる。

エスパードラゴンは他のどのデッキよりも必然性に優れた点で非常に完成されたデッキだ。それでいてドラゴン達によって積極的なプランを取りにいくことも出来る。



サイドボードの本質

構築初心者がよく陥りやすいミスは、サイドボードを軽視してしまうことだ。例えば赤単は、メイン戦を極めて取りやすいためにとても乗りやすいデッキだ。しかし相手のアブザンやエスパーが《悲哀まみれ》や《ファリカの療法》をサイドインしてきて初めて全容を把握することになる。

サイド後の試合をどれだけ持ち直せるかは、デッキの売りの1つになるだろう。ミッドレンジデッキは往々にしてサイド後に本領を発揮する。サイドボードの選択は多岐に渡り、柔軟さに富むため、対戦相手の攻撃を困難にさせる。通常、自分の戦略をより突き通す(スーサイドにアグロする、コントロールに徹する、一貫した戦術を取る)と、サイドボードを作るのも容易になるものだ。



そのデッキ、楽しんでる?

こういう真面目な戦術記事でこんなことを言うのもおかしな話かもしれないけど、とても大事なことだと僕は考えているよ。デッキを楽しみ、情熱を注いでいるなら、きっとそのデッキで上手なプレイングが出来るようになる。逆に好きになれないデッキや信用出来ないものを無理に使っていくと……想像に難くはない。

好きなデッキは簡単に集中できるし、ひたむきに調整できる。それに伴いデッキをより理解し、改良にも繋がる。

もしデッキが気に入らないと、やる気も出ないし腕は停滞してしまう。あまりデッキをいじろうとはしないし、信用も置けないから無理にマリガンしたりミスプレイをしてしまう。



同じデッキを使おう

デッキ選択における真に重要な要素はこれだろう。「どれだけ上手く使える?」

これはデッキを楽しむこととは切っても切れない関係にあるけど、楽しむことよりも大事だ。今までそのデッキを使ったことがあるかい?なら上手く使える?練習はしてきた?似たデッキを他のフォーマットで使ったことは?

どのデッキを選択するかよりも、そのデッキを上手く使えるかの方が大抵は重要だ。僕は強いデッキを下手に扱うよりも、弱くても上手く使える方を選ぶね。

僕が思うに、構築力を付けるための最大の秘訣は、同じデッキを何回も大会で使うことだ。あなたはデッキにより親しみ、より熟練し、勝敗の分析が出来るようになり、より良いサイドボードを作ることで、洗練されたデッキを構築できる。

これらの大部分は家で練習することでも十分賄えるが、大会に出て様々な相手と対戦することは、実際にそうするしか無い。メタを読むことと同じくらい、様々な相手を想定して備えることも大切だよ。デッキをマスターした暁には、不慮の相手に遭遇してもより素早くそれに対応していくことが出来るだろう。

デッキをマスターすることは、一からデッキを作ることのようにプレイヤースキルを磨く最高の手段だ。一つのデッキをマスター出来れば、他のデッキやフォーマットへの理解に役立つだろうさ。

長年の僕のキャリアで、最も成功を収めることが出来た時は、幾重ものトーナメントで1つのデッキを使い続けた時だった。あなたがこれまでずっと使ってきたデッキに致命的な欠陥があることに気づいてしまったとしても、デッキをみだりに変えるよりはそのデッキを使い続けることを是非とも勧めるよ!

大会で結果を残すには、ベストなデッキを選択する必要は無いんだ。その代わり、あなたに合った、あなたのプレイヤーとしてのポテンシャルを引き出してくれる相棒を見つけよう。自分の選択についてよく考え、断固とした信念を持ってそのデッキに取り組もう。そして何時でも、そのデッキを楽しもう!

コメント

ナナカセ
2015年11月7日15:09

翻訳おつー

いとだ
2015年11月8日18:26

どーも!

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