【翻訳】Wooが醸す - M15シールド
2014年8月29日 翻訳 コメント (5)(M15発売前の記事です。)
Woo Brews – M15 Sealed
By Travis Woo // 14 Jul, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/woo-brews-m15-sealed/
先週のM15プレリ(at トロールトレーダー in トロント)では2回とも白を選んで共に5-0、5-0と10戦無敗だったよ!
今回の記事は新しい基本セットシールドに直面した君たちに送る。
最近はGPマンチェスターでマネーフィニッシュしたついでに『基本セットシールドの定石をTHSブロック構築に用いる』っていう記事(http://www.channelfireball.com/articles/woo-brews-orzhov-midrange-at-manchester/)も書いたけど、思えば去年のGPオークランド以降基本セットシールドに触れてなかったのにこんな記事を書いちゃうなんてね。このフォーマットについて自分がどれだけ把握しているか、自信は十分さ!
尚、諸君がこの記事から得るものは僕のものじゃない。Kai BuddeやBen Stark、他の皆が関わっているものだ。僕は偉大なプレイヤーからスキルを『盗ん』で自分の戦術に組み込むのが大好きで、少なくとも僕の中では腕を磨く一番良い方法だね!
デッキは皆コントロール
初めに一番大事なこと。『シールドは運ゲー』なんてどうでもいい考えは捨てよう。僕もかれこれこの信仰に取り憑かれてたけど、それがプラスに働いたことは一度もなかった。とにかく、出来る限りコントロールしていくプレイングが大事だ。
確かにプール間の強弱はあるけど、コントロールにおいてそんなことは関係ない。自分のデッキにとって最良なプレイングを心がけること。
コントロールするということは即ち『マジックをする』ってことだ。デッキを構築し、それらを適切にプレイするという意味ね。時にはコントロール以外をする方が簡単で明快なこともあるけど、シールドで勝つためにはコントロールをする以外にない。(大事なことなのでry)
コスト・ソートをしよう!
まさかこの世に構築時にプールをコスト順に並べない人々がいるなんて……目撃した時は唖然としたよ。マジックの基礎たるコスト・ソートはシールドでは特に重要だというのに!
5マナの5/5サイと2マナの2/2熊にはどんな違いがある?一体どちらが優れているだろう?僕達が考えるべきなのは、そうしたカードの優劣ではなく、そのカードがデッキのマナカーブに合っているかどうかということだけだ。
もし2マナ域が全く無かったら熊を入れた方がいいし、逆に2マナが混雑しているようなら5マナに軍配が上がる。
コスト・ソートをするプレイヤーは、それをしないプレイヤーよりもずっと大きなアドバンテージを持つだろうね。ゲームが進むに連れて君の盤面とドローは強力に、逆に相手のは貧弱になっていくだろうよ。
常に後手を取ろう
後手を選択することは基本セットシールドにおけるキモだ。(僕らのチームはよく変な戦術を提唱するけど、これは当てはまらないからね!)なんてったってプロは全員後手を取るんだから。どんなブロックでも、常に。だから後手選択マンになれば、ドローアドバンテージだけでなく、「自分はプロと同じ戦略を取っている(キリッ」っとドヤ顔も出来るぞ!!!
この間の週末にオークランドでシールドを7試合、それとは別に10試合やったけど、対戦してくれた17人の中で後手を選択したのはたった1人だけだった。皆、いずれもプロではなかった訳だけど。
後手を取る理由
シールドは相手を高速ビートするゲームではない。たまにマナカーブ通りのドブンで相手を蹂躙できることもあるけど、それは例外だ。
シールドを牽引するもの――それはマナカーブの穴、1:X交換、戦闘中の駆け引きだ。これらはゲーム中延々と続き、最後は削り合いになる。そんなゲームの決め手となるのがドローアドバンテージだ。
先にドローを。先手を取ってはいけない。例えどんなに早いデッキであってもだ。先手を取るメリットは勿論あるけど、先にドロー出来るメリットのほうがずっと大きいんだ。
マリガンしては駄目!
これは基本セットシールドで特に見られるんだけど、平均的なプレイヤーはちょっとマリガンしすぎじゃないかな。
絶対にしなければならない時――土地が1枚や6枚以上みたいな時以外はマリガンしてはいけない。初手の段階でマナカーブに穴があっても気にしなくていい。シールドのゲーム速度なら十分ドローして穴を埋められるさ。
カーブに穴があるハンドをキープすることは裏目に出ることもあるけど、マリガンする方がよっぽど裏目に出る。マリガンは6枚以下でスタートすることを余儀なくされ、それに7枚キープ時よりずっと優れたハンドには中々ならないだろう。6枚(あるいはそれ以下)スタートではマリガンしなかった初手よりキルターンが延びるかもね。
シールドで後手を取り、且つ相手がマリガンした時は余程のことがない限り勝てるよ。ゲーム開始時点での2枚分のハンド差に加えて、相手に高速ビートされる可能性は低いからね。その得た2枚分のカードを使う時間もしっかり用意されてることだろうよ。
これはごく簡単な戦略だ。プレイングがどうこうの難しい話では無い。やるべきことはただ2つ、後手を取りマリガンし過ぎないことを心がけるだけだ。これらプロの戦略は十分『盗む』に値するよ。
土地は18枚
デッキに18枚の土地を入れることもプロの間では一般的だ。僕の記憶だと2000年代初頭の
Kai Buddeからかれこれ10年以上ずっと続いている。彼は多分誰か他の人から『盗んだ』のかもしれないけど。
今のところ土地は17枚で構築するのが一般的だけど、それは緑デッキみたいな追加のマナソースがある場合に限った話だ。ポイントは、18枚以上のマナソースをデッキに入れることでマナスクリューやマリガンを減らすことが出来るということ。マナフラッドも『マナシンク(mana sink、後述)』を投入することで減らせるよ。
構築時、あらゆるカードを詰め込んだ結果、マナソース用の数スロットを用意出来なくなったことはよくあることだ。そこで、構築を始める時に土地は18枚と予め決めておくことで、残りの22枚を選ぶという作業に変換すると構築がより簡単になると思うよ。きっとマナカーブもより綺麗になる。
土地18枚デッキの目標はボムをプレイすることだ。シールドであるが故にね。もし7マナのレアが無かったりした場合でも、コモンやアンコのファッティを選ぶことになり、結局はそれらに辿り着けるようにすることが重要なわけだ。
それに土地18枚はマナシンクを活用するためにより重要であるかもしれない。マナシンクとは幾らでもマナを費やせるカードのこと。装備品とか起動型能力を持ったクリーチャーとかね。どのブロックにもそんなカードはあるから、土地18の構築でそれらを有効活用しない手はない。色決めの要素にも成り得るよ。
土地は18枚にし、後手を取り、高らかにキープ。これらを心がければきっと良いゲームが出来るよ!
(中略、筆者によるプレリレポ)
基本セットシールド
基本セットシールドはとても楽しく、様々なスキルを試されるフォーマットだ……にも関わらず、僕は中々このフォーマットで苦戦したことが無いんだよ!平均的なプレイヤーよりずっと大きな構築アドバンテージを得ているからね。諸君には是非とも僕を打ち倒せるくらいの腕になって欲しい!この記事を書いた甲斐があるってものだ。
覚えるべきことは単純。
・デッキは皆コントロール
・マナカーブを大事に!
・土地は18枚
・後手選択
・初手キープ
・マジックをしよう!
Good luck and have fun!
<3 (※横向きのハート)
Travis
Woo Brews – M15 Sealed
By Travis Woo // 14 Jul, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/woo-brews-m15-sealed/
先週のM15プレリ(at トロールトレーダー in トロント)では2回とも白を選んで共に5-0、5-0と10戦無敗だったよ!
今回の記事は新しい基本セットシールドに直面した君たちに送る。
最近はGPマンチェスターでマネーフィニッシュしたついでに『基本セットシールドの定石をTHSブロック構築に用いる』っていう記事(http://www.channelfireball.com/articles/woo-brews-orzhov-midrange-at-manchester/)も書いたけど、思えば去年のGPオークランド以降基本セットシールドに触れてなかったのにこんな記事を書いちゃうなんてね。このフォーマットについて自分がどれだけ把握しているか、自信は十分さ!
尚、諸君がこの記事から得るものは僕のものじゃない。Kai BuddeやBen Stark、他の皆が関わっているものだ。僕は偉大なプレイヤーからスキルを『盗ん』で自分の戦術に組み込むのが大好きで、少なくとも僕の中では腕を磨く一番良い方法だね!
デッキは皆コントロール
初めに一番大事なこと。『シールドは運ゲー』なんてどうでもいい考えは捨てよう。僕もかれこれこの信仰に取り憑かれてたけど、それがプラスに働いたことは一度もなかった。とにかく、出来る限りコントロールしていくプレイングが大事だ。
確かにプール間の強弱はあるけど、コントロールにおいてそんなことは関係ない。自分のデッキにとって最良なプレイングを心がけること。
コントロールするということは即ち『マジックをする』ってことだ。デッキを構築し、それらを適切にプレイするという意味ね。時にはコントロール以外をする方が簡単で明快なこともあるけど、シールドで勝つためにはコントロールをする以外にない。(大事なことなのでry)
コスト・ソートをしよう!
まさかこの世に構築時にプールをコスト順に並べない人々がいるなんて……目撃した時は唖然としたよ。マジックの基礎たるコスト・ソートはシールドでは特に重要だというのに!
5マナの5/5サイと2マナの2/2熊にはどんな違いがある?一体どちらが優れているだろう?僕達が考えるべきなのは、そうしたカードの優劣ではなく、そのカードがデッキのマナカーブに合っているかどうかということだけだ。
もし2マナ域が全く無かったら熊を入れた方がいいし、逆に2マナが混雑しているようなら5マナに軍配が上がる。
コスト・ソートをするプレイヤーは、それをしないプレイヤーよりもずっと大きなアドバンテージを持つだろうね。ゲームが進むに連れて君の盤面とドローは強力に、逆に相手のは貧弱になっていくだろうよ。
常に後手を取ろう
後手を選択することは基本セットシールドにおけるキモだ。(僕らのチームはよく変な戦術を提唱するけど、これは当てはまらないからね!)なんてったってプロは全員後手を取るんだから。どんなブロックでも、常に。だから後手選択マンになれば、ドローアドバンテージだけでなく、「自分はプロと同じ戦略を取っている(キリッ」っとドヤ顔も出来るぞ!!!
この間の週末にオークランドでシールドを7試合、それとは別に10試合やったけど、対戦してくれた17人の中で後手を選択したのはたった1人だけだった。皆、いずれもプロではなかった訳だけど。
後手を取る理由
シールドは相手を高速ビートするゲームではない。たまにマナカーブ通りのドブンで相手を蹂躙できることもあるけど、それは例外だ。
シールドを牽引するもの――それはマナカーブの穴、1:X交換、戦闘中の駆け引きだ。これらはゲーム中延々と続き、最後は削り合いになる。そんなゲームの決め手となるのがドローアドバンテージだ。
先にドローを。先手を取ってはいけない。例えどんなに早いデッキであってもだ。先手を取るメリットは勿論あるけど、先にドロー出来るメリットのほうがずっと大きいんだ。
マリガンしては駄目!
これは基本セットシールドで特に見られるんだけど、平均的なプレイヤーはちょっとマリガンしすぎじゃないかな。
絶対にしなければならない時――土地が1枚や6枚以上みたいな時以外はマリガンしてはいけない。初手の段階でマナカーブに穴があっても気にしなくていい。シールドのゲーム速度なら十分ドローして穴を埋められるさ。
カーブに穴があるハンドをキープすることは裏目に出ることもあるけど、マリガンする方がよっぽど裏目に出る。マリガンは6枚以下でスタートすることを余儀なくされ、それに7枚キープ時よりずっと優れたハンドには中々ならないだろう。6枚(あるいはそれ以下)スタートではマリガンしなかった初手よりキルターンが延びるかもね。
シールドで後手を取り、且つ相手がマリガンした時は余程のことがない限り勝てるよ。ゲーム開始時点での2枚分のハンド差に加えて、相手に高速ビートされる可能性は低いからね。その得た2枚分のカードを使う時間もしっかり用意されてることだろうよ。
これはごく簡単な戦略だ。プレイングがどうこうの難しい話では無い。やるべきことはただ2つ、後手を取りマリガンし過ぎないことを心がけるだけだ。これらプロの戦略は十分『盗む』に値するよ。
土地は18枚
デッキに18枚の土地を入れることもプロの間では一般的だ。僕の記憶だと2000年代初頭の
Kai Buddeからかれこれ10年以上ずっと続いている。彼は多分誰か他の人から『盗んだ』のかもしれないけど。
今のところ土地は17枚で構築するのが一般的だけど、それは緑デッキみたいな追加のマナソースがある場合に限った話だ。ポイントは、18枚以上のマナソースをデッキに入れることでマナスクリューやマリガンを減らすことが出来るということ。マナフラッドも『マナシンク(mana sink、後述)』を投入することで減らせるよ。
構築時、あらゆるカードを詰め込んだ結果、マナソース用の数スロットを用意出来なくなったことはよくあることだ。そこで、構築を始める時に土地は18枚と予め決めておくことで、残りの22枚を選ぶという作業に変換すると構築がより簡単になると思うよ。きっとマナカーブもより綺麗になる。
土地18枚デッキの目標はボムをプレイすることだ。シールドであるが故にね。もし7マナのレアが無かったりした場合でも、コモンやアンコのファッティを選ぶことになり、結局はそれらに辿り着けるようにすることが重要なわけだ。
それに土地18枚はマナシンクを活用するためにより重要であるかもしれない。マナシンクとは幾らでもマナを費やせるカードのこと。装備品とか起動型能力を持ったクリーチャーとかね。どのブロックにもそんなカードはあるから、土地18の構築でそれらを有効活用しない手はない。色決めの要素にも成り得るよ。
土地は18枚にし、後手を取り、高らかにキープ。これらを心がければきっと良いゲームが出来るよ!
(中略、筆者によるプレリレポ)
基本セットシールド
基本セットシールドはとても楽しく、様々なスキルを試されるフォーマットだ……にも関わらず、僕は中々このフォーマットで苦戦したことが無いんだよ!平均的なプレイヤーよりずっと大きな構築アドバンテージを得ているからね。諸君には是非とも僕を打ち倒せるくらいの腕になって欲しい!この記事を書いた甲斐があるってものだ。
覚えるべきことは単純。
・デッキは皆コントロール
・マナカーブを大事に!
・土地は18枚
・後手選択
・初手キープ
・マジックをしよう!
Good luck and have fun!
<3 (※横向きのハート)
Travis
【翻訳】PV劇場 – プレインズウォーカーの使い方
2014年8月8日 翻訳 コメント (7)PV’s Playhouse – How to Play with Planeswalkers
By Paulo Vitor Damo da Rosa // 22 Jun, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-how-to-play-with-planeswalkers/
プレインズウォーカー(以下PW)は恐らくマジックで最もユニークなカードだ。ローウィンで初めて彼らが刷られた時、その強さを理解するのは本当に大変だったよ。かの最強カード《精神を刻む者、ジェイス》でさえ最初は酷く過小評価されていた。《ジェイス・ベレレン》の強さは既に証明済みだったのにも関わらず。まあ当時の環境に《血編み髪のエルフ》と《荒廃稲妻》があったからかもしれないけど、それらがローテ落ちした後ですら神ジェイスは2、3枚しか積まれなかった。4積みが至高という考えが浸透するまでは。
PWの強さを見定めるのは難しいが、同様に彼らのプレイの仕方や相手取った時の対抗策も難解だ。PWを1ターン早く、あるいは遅くプレイしてしまったせいでその力を上手く使えずに負けてしまったことは少なくないだろう。PWがどれだけ大切なカードで彼らを守るのにどれだけ費やせばいいか考えるのは非常に難しいし、それは個々のゲームに左右される。明快な答えは中々無いものさ。
今回の記事ではあくまで一般的なPWの使い方について指南しようと思うよ。
いつプレイするか?
普通は可能な限り早くプレイするに越したことはない。PWは毎ターンアドバンテージを供給してくれるからね。だけど大抵PWは簡単に処理されることも多く、狙ったアドバンテージを得ることは中々叶わない。平場でPWをプレイするに当たっては次の項目を理解することが肝心だ。
1)PWにして欲しいことは?
これはPWの持つ価値を理解するために極めて重要なことだ。
例えば勝ちパターンに入っている時のPWは君に勝利をもたらす役割を果たせるのだから、一時的なアドバンテージのために彼らを投げ捨てるべきではない。
PWのみをフィニッシャーに据えたデッキでもPWは複数枚入っているから1枚を全力で守る必要はない。だけどPWをフィニッシャーにする必要がなくても、ゲームに勝つ最短ルートはPWを生き残らせることだ。特に奥義直前だったり、対コントロール戦の時は彼らを守るためにあらゆるリソースを投入して構わない。
まあ大抵の場合、PWに求めることはフィニッシャーではなく勝ちまでの補助だ。能力を2、3回も起動できれば十分だろう。
はたまた1回起動するだけで仕事を果たし終えることもある。相手のアタックですぐ死ぬような状況でアショクやジェイス、キオーラをプレイしたくはないだろうけど、PWはあくまでも1枚のカードに過ぎない。《稲妻》や《予言》のような1回の効果で終わるものと同じだ。だからPWを1回だけのスペル(ex:4マナの1ドロー&4点ライフゲイン)として使わざるを得なくても気に病むことはないさ。《至高の評決》でクリーチャー1体だけを殺さざるを得ない時や2枚の《稲妻》を再生持ちの1/1に撃つのと大差はない。やるべき時はやるしかないさ。
2)後の状況よりも、そのターンに何が起こるか。
残念ながらPWにとって戦場は都合良く出来てはいない。これを念頭に置いてくれ。
相手が3/3を2体コントロールしていて僕がキオーラを持っていると仮定しよう。このまま何もせずターンを返すとどうなるだろうか?当然何も起きない!キオーラにどうしても生き残って欲しい理由がないのであれば、大抵は「3点ゲイン&ドロー&追加土地プレイ」のスペルとして使うべきだ。
キオーラを《稲妻の一撃》の危険に晒したくない場合は?……あぁ、相手がすぐにでも本体に向けて一撃を使ってくれればいいのに!そう、いつキオーラをプレイしようとも結局は撃たれるのなら、さっさと相手に撃つことを強制させた方がいいんだよ。
違う状況ではプレイを控えることも大切だ。例えば戦場には何も存在せず、《ヴェールのリリアナ》をプレイできるが相手がパワー4の速攻クリーチャーを持っている可能性がある時。当然、リリアナは出さない方がいい。相手は次のターンに速攻クリーチャーをそのままプレイし、返しにリリアナでサクらせることが出来るのだからね。
相手が攻撃可能なクリーチャーをコントロールしている時にアショクをプレイしたい場合、ブロッカーとなるクリーチャーを先にプレイした後に出せばいい。
全てはPWを出すことで状況が変化するか見定めることに掛かっている。よく注意してくれ。
カウンター呪文を想定する時も同じだ。
以前質問されたんだけど、「レガシーの奇跡コンミラーマッチで、4ターン目に神ジェイスをプレイすべきか?」――答えは常に「もちろん、即プレイだ。」
相手がカウンターを持っていようが、なんだって言うんだ?もしジェイスのプレイを控えてターンを渡した場合、何が起こる?相手が《Force of Will》を持っていたとして、それはどこにもいかない。ただ相手に追加のターンを与えてドローを与えるばかりか、よりFoWの餌にしやすい青カードを探させるだけだ。もし相手がFoWを持ってなかったら、さっさとジェイスを解決させるに越したことはない。相手のタップアウトを待ったところで、主力となるカウンター呪文のマナコストはゼロなんだしね。もちろん、プレイを控えるべき状況も存在するけど(すぐにでもカウンターを手に入れられる時や、《師範の占い独楽》と《相殺》があってトップに5マナを用意できる時など)。
ともあれ大事なのは、今すぐプレイしないと後になっても状況は変わらないということだ。
どの能力を使うか?
PW能力には常に複数の選択肢がある。これがPWの複雑たる所以なんだよね。
複数の状況に分けて解説しよう。
1)場に残すか、すぐにでもアドを取るか。
神ジェイスがスタンリーガルだった頃、ジェイスミラーマッチは常に問い続けてきた――ブレスト能力を使ってもいいけどすぐ《稲妻》で死ぬ。または+2能力で《稲妻》の圏外に逃れられるが何のアドも取れないまま返しに相手が出したジェイスに道連れにされる。どっちを選ぶ?
今はPWの唯一性ルールが変わって道連れは出来なくなったので、+2能力の起動による生存プランの価値がより上がっている。まとめると次の通りだ。
・A能力を起動した場合、相手はPWを殺せるだろうか?
・A能力を起動すると何が起こり、そしてPWが殺された場合どうなるか?
・A能力を起動すると何が起こり、そしてPWが生き残った場合どうなるか?
・B能力を起動した場合、相手はPWを殺せるだろうか?
・B能力を起動すると何が起こり、そしてPWが殺された場合どうなるか?
・B能力を起動すると何が起こり、そしてPWが生き残った場合どうなるか?
相手のカードが何が何でもPWを殺せる場合、例えば《拘留の宝球》や5点飛ばすのが容易な対バーン戦の時、ジェイスの忠誠度が3でも5でも同じだ。そんな時はアドを取りに行くに越したことはない。
相手が《ヴェンディリオン三人衆》のようなカードをプレイできる場合は話は変わって、忠誠度3と5には明確な差があり、「B能力を起動する、そしてPWが殺される」という最悪の結末を迎えてしまう。マッチの勝利に重要なジェイスを狙って欲しくないなら、即座にブレスト能力を使うよりもジェイスを生かしに行く方が最良の選択と言えるね。
相手が《議会の採決》や《紅蓮波》を使ってくると分かってても、僕なら《ヴェンディリオン三人衆》の危険があるかぎり+2能力を起動するよ。
1つ比較だ。
もしジェイスをプレイしブレスト能力を使った場合、「1枚分」のアドを取れる。除去されなければそのままゲームを通して「10枚分」のアドを取れるとしよう。
それとは別に消術(+2能力)を使った場合、0枚(ほぼ0。消術は質的アドに繋がることもあるけどここでは0枚と言っておこう。)のアドとなる。そして除去されなければそのままゲームを通して9枚分のアドを取る。
この2択において、もし《忘却の輪》等で除去されるのであればアド差は僅か1枚だが、ヴェンディリオンによる死から逃れることが出来るのであればその差は莫大なものとなる。1枚の代わりに9枚のアドを取れる訳だ。当然生き残らせる道を取るよね。
他のケースではまた話は異なってくる。
相手がPW除去を持っている時にアショクのマイナス能力を使う場合。これは別に大きなアド差に繋がる可能性は低い。例えアショクが殺されようともそれだけで既に十分な仕事をしたとも言える。
繰り返しになるけど、PWに何をして欲しいのかが大切だ。
2)すぐにアドを取るか、奥義までの道を築くか。
何人かのPWはこの面白い二者択一を迫る。《思考を築く者、ジェイス》や《キオーラ》が典型だ。この問いへの解決に当たってもう一度先のポイントに立ち返ろう。何をして欲しいのか、死ぬ可能性はあるか、死んだ場合と生き残った場合とでどう違うのか。
例えばコントロールミラーにおいてPWを処理する方法は《英雄の破滅》なり《拘留の宝球》なり幾らでもあるから忠誠度に大して意味は無い。それなら即座にアドを取りに行った方がいいよ。直接のアドをもたらさないプラス能力を使っても返しに処理されては何もしたことにならないじゃないか!キオーラをプレイしてプラス能力を連打し奥義スタンバイまで行っても直後に処理されては得たものはAD/ZEROだ。もしプレイして4ターン後、無事紋章を得ることが出来たとしても、仮に4ターン生き残るのであればマイナスとプラス能力を合わせて3枚ドロー出来る訳で、それはそれで十分じゃないかい?
他に、モンスターズで《ゼナゴス》を使う時、奥義に繋げる動きは稀だよね。マナ能力も奥義も大して強くはなく、特に理由がない限りは直接のアドを得るべきだ。またスタンの青白コンVSバーンにおいてはジェイスのプラス能力を使うかどうかはより奥深い。バーンにはダメージ以外でジェイスを殺す手段はなく、取り敢えずカードを得ることも出来るし、奥義に繋げて《戦導者のらせん》や《霊異種》を得ることも出来る。
ところで、2枚目のPWを持ってるなら話は全く変わる。奥義に向かっては2枚目が無駄になるのだから、PWを出したらすぐアドを取りに行ったほうがいい。まあ1枚目を奥義に固定することで相手の除去に圧力をかけるのも悪くはないよ。
僕の経験上、アグロに対して2枚目を抱えている場合はさっさとアドに「換金」しに行き、コントロールに対しては奥義を目指しに行くことが多いね。(もっとも、1枚目を換金して2枚目で奥義に向かってもいいんだけど。)
3)奥義をすぐ使うか、1ターンおいて奥義後もPWを場に残すか?
もう一つの興味深い問題は、奥義起動まで忠誠度が溜まった際にすぐに奥義を撃つか、1ターン待つかということだ。
すぐ奥義を撃つことの強みは、奥義を確実に決められ、かつその効果(紋章とか)はほぼ永久に消えないということだ。一方、1ターン待つということは奥義まで積み上げたPWを除去のリスクに晒してしまうことになるが、奥義起動後もゲームを綺麗に決めることが出来る。相手はPWへの解答を持ってないってことだからね。(持ってたら即使ってる。)
答えはまた「PWに何をして欲しいのか?」にある。相手にPW除去手段はあるか、奥義を起動すると、あるいは1ターン待つと何が起こるか。
奥義がゲームを決めるのに十分な影響を与えてくれそうなら、欲張ってはいけない。PWが除去されなさそうであっても、すぐに奥義を使うべきだ。時には奥義直前のPWを失っても勝機までは失わないこともあるが、除去されるくらいなら紋章を得た方が当然いいだろう。例えば対青白コンにおける《ドムリ・ラーデ》の紋章は、一度得てしまえば戦場にクリーチャーがいなくとも大体勝てる。負けることはあるかって?まあそんなこともあったっけな……。だけどもそんな可能性は滅茶苦茶低い。ドムリの紋章をすぐ得るか得ないかの勝率差どうこうよりも、PW除去をトップされる確率のほうがよっぽど高いよ。
アショクやヴェリアナといった奥義が直接決着に関与しないような場合だともう少しややこしくなる。僕が思うに、みんなヴェリアナの奥義を他のPWと比べて早めにブッパしすぎじゃないかな。カウンター6のリリアナがいる場に相手がクリーチャーを出すなんてことはないから、奥義は相手の土地を半分にするだけだろう。それはそれで悪くないけど、ヴェリアナを保持したままでいるよりも良いかと言うとそんなこともない。実際、相手がリリアナの奥義を起動して自らリリアナロックから解放してくれると僕はありがたく思ってしまうよ。奥義の分配がよほど効果的(ex:遅めな相手の6枚並んだ土地を半減させる)であったり、強力なカードのプレイを防ぐためにマナの縛りが必要でない限りは+1能力を起動し続けるべきだ。
他に勘違いされているのは《太陽の勇者、エルズペス》だ。クリーチャーをコントロールしていない時(ex:相手のペス兵士トークンと相打ちした後)は奥義を使う必要はない。奥義後、+1能力は破格の効果を生み出すのだから出来る限りエルズペスが場に残る状況で紋章を出し、3/3の集団を生産していけばイージーウィンだ。しかし紋章だけ、生物無しでは勝ちは遠い。同様に《英雄の導師、アジャニ》も、100点ライフゲインという大きな時間稼ぎが出来るとしたら、奥義後も場に残ればそのままフィニッシャーだ。
4)能力を使う?使わない?
PWの能力は必ずしも使わなくてもいいってことは忘れてないだろうね?まあ大体の場合は気にする必要はないだろう。神ジェイス、キオーラ、ドムリ、エルズペスといったアド源となるPWなら。だが《ジェイス・ベレレン》や《ティボルト》、特に《ヴェールのリリアナ》にとってはちょっと考える必要が出てくる。もし君のハンドが素晴らしく、相手のハンドが分からない状況ならばヴェリアナの+1能力を使いたくはないだろう。良いハンドをすり減らしてまで奥義に向かうこともないさ。
前回のPTでよくあったことだと、相手の《クルフィックスの狩猟者》でトップが見えているときのアショクの+2能力だ。もし相手のトップが弱いカードなら+2をせずにそのままターンを返してもいいだろう。試合で相手は「へー、アショク使わないんだ?」って言ってきたけど、勿論使わないさ。そりゃね!
PWとの戦い方
PWがタフなのは自分も相手も同じだ。PWが刷り出された頃は「攻撃する」「攻撃しない」の2択しか無かったけど、今は「PWを攻撃する」という選択肢が加わっている。複数の攻撃可能なクリーチャーをコントロールしている時はさらにややこしくなり、相手のブロッカーや除去を考えながらどうPWを攻撃するのが最適解なのか考えなければならない。
1)プレイヤーとPW、どちらを攻撃するか?
基本的にゲーム序盤でPWにアタックできるならさっさとするべきだ。相手のライフゲインみたいなものに感じられるだろうが、PWが残るのは普通に考えてヤバいし、試合を長期で見ればさっさとPWを殺した方が相手に総合的に与えられるダメージは上だろう。
一方、ゲーム後半になって相手のライフも十分射程圏内であるときの判断は最も難しい。そんな状況で僕が考えることは、相手が時間とリソースのどちらを欲しているかということだ。
相手が時間を欲している(=カードはあるけど全部プレイする暇がない)場合は大体相手を攻撃するほうが良い。相手はPWなんてどうでもいいのだから、PWを攻撃して相手に余裕を与えてしまっては次々と解答をプレイされてしまう。
逆にリソースを手に入れたがっている(=相手は解答を持っていない)場合はPWを攻撃するのが普通は正解だ。アド源のPWは少なくとも1枚分のドローと見なせるわけだからね。例えば相手のライフが4で手札は0、かつ忠誠度1の《ジェイス・ベレレン》をコントロールしており、君は3/3を1体コントロールしている時はジェイスを攻撃すべきだ。相手はキルターンまで2枚のカードを引くわけだが(2ターン分のドローか1ターン分のドローとジェイスの-1能力)、ジェイスをアタックしてキルターンを伸ばすことは自分のドローも増えることになる。
ジェイスの忠誠度が2なら尚更ジェイスを攻撃する。相手に3/3への解答を引かれる確率を高めたくはないよね。一つだけ問題となるのは相手がトップからもう1枚目のジェイスを引いてきた時だけど、相手はただそれをプレイするしか無いからそこまで気にする必要はないよ。
2)何体でPWを攻撃するか?
もう一つの話題は、PWを攻撃する際に忠誠度ピッタリ分のアタッカーを送るか、それともフルアタックするかということだ。僕の経験だと、相手が僕のPWを殺すついでにライフも狙っくれたおかげで、PWへのアタッカーを除去して勝ちに繋げられたことが多々あるね。相手の土地が立ってて除去を構えていそうなら、念を入れてオーバーキル気味にPWを攻撃しに行くことを強く勧めるよ。
相手が複数のブロッカーを立たせている時はそのブロックの仕方を何通りも把握しなければならなくて非常に複雑だけど、やるべきことはただ1つ。相手の立場になってその組み合わせを考えてみるといい。そうすれば最適な攻撃の仕方を導き出せるはずだ。気をつけて欲しいのは、致死量以上の数でPWに攻撃した時、相手はどの道守れないならとブロックせずにPWを見捨てて、ブロッカーをアタッカーに変貌させることがあるということ。あと、たまに余分なアタッカーが一方的に死んで「チャンプアタック」となってしまうこともあるけど、相手のPWを確実に倒すために必要ならばそうすることも辞さないように。
では、まとめだ。
・PWをプレイしようか迷ったら、PWのプレイで盤面がどうなるか、PWに何をして欲しいかを考えよう。特にして欲しいことがなくても、さっさとプレイする方が大抵は正解だ。
・状況が変わらなさそうでも後からプレイするよりはすぐプレイする方がいい。
・どの能力を使うか迷ったら、各能力の使用後にPWが死ぬ可能性はあるか、相手はどうやってPWを殺しに来るかを考えよう。相手にリソースの消費なしでPWを殺す手段がありそうで、PWがそのマッチアップで重要ならば、PWを生かすことを最優先しよう。
・PWを殺す手段が相手に幾らでもありそう(ex:コントロールミラー)なら、忠誠度は気にしなくていい。アドを取る能力のほうが奥義に向うよりも大抵強い。
・PWが奥義スタンバイになってもすぐに奥義を撃たなくてもいい。1ターン待ってPWを場に残して奥義を極めるほうがよりゲームを決められる時もある。
・PWの能力は毎ターン必ず使う必要はない!
・ゲーム序盤はPWを攻撃しよう。
・中盤以降は相手が時間を欲しているなら本体を攻撃しよう。リソースを欲しているようならPWを狙うべし。
・PWには相手のライフよりも影響力がある。除去が飛んできそうな盤面ではプレイヤーよりも複数体でPWを攻撃だ。
楽しんでくれたかな?じゃ、また来週!
PV
By Paulo Vitor Damo da Rosa // 22 Jun, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/pvs-playhouse-how-to-play-with-planeswalkers/
プレインズウォーカー(以下PW)は恐らくマジックで最もユニークなカードだ。ローウィンで初めて彼らが刷られた時、その強さを理解するのは本当に大変だったよ。かの最強カード《精神を刻む者、ジェイス》でさえ最初は酷く過小評価されていた。《ジェイス・ベレレン》の強さは既に証明済みだったのにも関わらず。まあ当時の環境に《血編み髪のエルフ》と《荒廃稲妻》があったからかもしれないけど、それらがローテ落ちした後ですら神ジェイスは2、3枚しか積まれなかった。4積みが至高という考えが浸透するまでは。
PWの強さを見定めるのは難しいが、同様に彼らのプレイの仕方や相手取った時の対抗策も難解だ。PWを1ターン早く、あるいは遅くプレイしてしまったせいでその力を上手く使えずに負けてしまったことは少なくないだろう。PWがどれだけ大切なカードで彼らを守るのにどれだけ費やせばいいか考えるのは非常に難しいし、それは個々のゲームに左右される。明快な答えは中々無いものさ。
今回の記事ではあくまで一般的なPWの使い方について指南しようと思うよ。
いつプレイするか?
普通は可能な限り早くプレイするに越したことはない。PWは毎ターンアドバンテージを供給してくれるからね。だけど大抵PWは簡単に処理されることも多く、狙ったアドバンテージを得ることは中々叶わない。平場でPWをプレイするに当たっては次の項目を理解することが肝心だ。
1)PWにして欲しいことは?
これはPWの持つ価値を理解するために極めて重要なことだ。
例えば勝ちパターンに入っている時のPWは君に勝利をもたらす役割を果たせるのだから、一時的なアドバンテージのために彼らを投げ捨てるべきではない。
PWのみをフィニッシャーに据えたデッキでもPWは複数枚入っているから1枚を全力で守る必要はない。だけどPWをフィニッシャーにする必要がなくても、ゲームに勝つ最短ルートはPWを生き残らせることだ。特に奥義直前だったり、対コントロール戦の時は彼らを守るためにあらゆるリソースを投入して構わない。
まあ大抵の場合、PWに求めることはフィニッシャーではなく勝ちまでの補助だ。能力を2、3回も起動できれば十分だろう。
はたまた1回起動するだけで仕事を果たし終えることもある。相手のアタックですぐ死ぬような状況でアショクやジェイス、キオーラをプレイしたくはないだろうけど、PWはあくまでも1枚のカードに過ぎない。《稲妻》や《予言》のような1回の効果で終わるものと同じだ。だからPWを1回だけのスペル(ex:4マナの1ドロー&4点ライフゲイン)として使わざるを得なくても気に病むことはないさ。《至高の評決》でクリーチャー1体だけを殺さざるを得ない時や2枚の《稲妻》を再生持ちの1/1に撃つのと大差はない。やるべき時はやるしかないさ。
2)後の状況よりも、そのターンに何が起こるか。
残念ながらPWにとって戦場は都合良く出来てはいない。これを念頭に置いてくれ。
相手が3/3を2体コントロールしていて僕がキオーラを持っていると仮定しよう。このまま何もせずターンを返すとどうなるだろうか?当然何も起きない!キオーラにどうしても生き残って欲しい理由がないのであれば、大抵は「3点ゲイン&ドロー&追加土地プレイ」のスペルとして使うべきだ。
キオーラを《稲妻の一撃》の危険に晒したくない場合は?……あぁ、相手がすぐにでも本体に向けて一撃を使ってくれればいいのに!そう、いつキオーラをプレイしようとも結局は撃たれるのなら、さっさと相手に撃つことを強制させた方がいいんだよ。
違う状況ではプレイを控えることも大切だ。例えば戦場には何も存在せず、《ヴェールのリリアナ》をプレイできるが相手がパワー4の速攻クリーチャーを持っている可能性がある時。当然、リリアナは出さない方がいい。相手は次のターンに速攻クリーチャーをそのままプレイし、返しにリリアナでサクらせることが出来るのだからね。
相手が攻撃可能なクリーチャーをコントロールしている時にアショクをプレイしたい場合、ブロッカーとなるクリーチャーを先にプレイした後に出せばいい。
全てはPWを出すことで状況が変化するか見定めることに掛かっている。よく注意してくれ。
カウンター呪文を想定する時も同じだ。
以前質問されたんだけど、「レガシーの奇跡コンミラーマッチで、4ターン目に神ジェイスをプレイすべきか?」――答えは常に「もちろん、即プレイだ。」
相手がカウンターを持っていようが、なんだって言うんだ?もしジェイスのプレイを控えてターンを渡した場合、何が起こる?相手が《Force of Will》を持っていたとして、それはどこにもいかない。ただ相手に追加のターンを与えてドローを与えるばかりか、よりFoWの餌にしやすい青カードを探させるだけだ。もし相手がFoWを持ってなかったら、さっさとジェイスを解決させるに越したことはない。相手のタップアウトを待ったところで、主力となるカウンター呪文のマナコストはゼロなんだしね。もちろん、プレイを控えるべき状況も存在するけど(すぐにでもカウンターを手に入れられる時や、《師範の占い独楽》と《相殺》があってトップに5マナを用意できる時など)。
ともあれ大事なのは、今すぐプレイしないと後になっても状況は変わらないということだ。
どの能力を使うか?
PW能力には常に複数の選択肢がある。これがPWの複雑たる所以なんだよね。
複数の状況に分けて解説しよう。
1)場に残すか、すぐにでもアドを取るか。
神ジェイスがスタンリーガルだった頃、ジェイスミラーマッチは常に問い続けてきた――ブレスト能力を使ってもいいけどすぐ《稲妻》で死ぬ。または+2能力で《稲妻》の圏外に逃れられるが何のアドも取れないまま返しに相手が出したジェイスに道連れにされる。どっちを選ぶ?
今はPWの唯一性ルールが変わって道連れは出来なくなったので、+2能力の起動による生存プランの価値がより上がっている。まとめると次の通りだ。
・A能力を起動した場合、相手はPWを殺せるだろうか?
・A能力を起動すると何が起こり、そしてPWが殺された場合どうなるか?
・A能力を起動すると何が起こり、そしてPWが生き残った場合どうなるか?
・B能力を起動した場合、相手はPWを殺せるだろうか?
・B能力を起動すると何が起こり、そしてPWが殺された場合どうなるか?
・B能力を起動すると何が起こり、そしてPWが生き残った場合どうなるか?
相手のカードが何が何でもPWを殺せる場合、例えば《拘留の宝球》や5点飛ばすのが容易な対バーン戦の時、ジェイスの忠誠度が3でも5でも同じだ。そんな時はアドを取りに行くに越したことはない。
相手が《ヴェンディリオン三人衆》のようなカードをプレイできる場合は話は変わって、忠誠度3と5には明確な差があり、「B能力を起動する、そしてPWが殺される」という最悪の結末を迎えてしまう。マッチの勝利に重要なジェイスを狙って欲しくないなら、即座にブレスト能力を使うよりもジェイスを生かしに行く方が最良の選択と言えるね。
相手が《議会の採決》や《紅蓮波》を使ってくると分かってても、僕なら《ヴェンディリオン三人衆》の危険があるかぎり+2能力を起動するよ。
1つ比較だ。
もしジェイスをプレイしブレスト能力を使った場合、「1枚分」のアドを取れる。除去されなければそのままゲームを通して「10枚分」のアドを取れるとしよう。
それとは別に消術(+2能力)を使った場合、0枚(ほぼ0。消術は質的アドに繋がることもあるけどここでは0枚と言っておこう。)のアドとなる。そして除去されなければそのままゲームを通して9枚分のアドを取る。
この2択において、もし《忘却の輪》等で除去されるのであればアド差は僅か1枚だが、ヴェンディリオンによる死から逃れることが出来るのであればその差は莫大なものとなる。1枚の代わりに9枚のアドを取れる訳だ。当然生き残らせる道を取るよね。
他のケースではまた話は異なってくる。
相手がPW除去を持っている時にアショクのマイナス能力を使う場合。これは別に大きなアド差に繋がる可能性は低い。例えアショクが殺されようともそれだけで既に十分な仕事をしたとも言える。
繰り返しになるけど、PWに何をして欲しいのかが大切だ。
2)すぐにアドを取るか、奥義までの道を築くか。
何人かのPWはこの面白い二者択一を迫る。《思考を築く者、ジェイス》や《キオーラ》が典型だ。この問いへの解決に当たってもう一度先のポイントに立ち返ろう。何をして欲しいのか、死ぬ可能性はあるか、死んだ場合と生き残った場合とでどう違うのか。
例えばコントロールミラーにおいてPWを処理する方法は《英雄の破滅》なり《拘留の宝球》なり幾らでもあるから忠誠度に大して意味は無い。それなら即座にアドを取りに行った方がいいよ。直接のアドをもたらさないプラス能力を使っても返しに処理されては何もしたことにならないじゃないか!キオーラをプレイしてプラス能力を連打し奥義スタンバイまで行っても直後に処理されては得たものはAD/ZEROだ。もしプレイして4ターン後、無事紋章を得ることが出来たとしても、仮に4ターン生き残るのであればマイナスとプラス能力を合わせて3枚ドロー出来る訳で、それはそれで十分じゃないかい?
他に、モンスターズで《ゼナゴス》を使う時、奥義に繋げる動きは稀だよね。マナ能力も奥義も大して強くはなく、特に理由がない限りは直接のアドを得るべきだ。またスタンの青白コンVSバーンにおいてはジェイスのプラス能力を使うかどうかはより奥深い。バーンにはダメージ以外でジェイスを殺す手段はなく、取り敢えずカードを得ることも出来るし、奥義に繋げて《戦導者のらせん》や《霊異種》を得ることも出来る。
ところで、2枚目のPWを持ってるなら話は全く変わる。奥義に向かっては2枚目が無駄になるのだから、PWを出したらすぐアドを取りに行ったほうがいい。まあ1枚目を奥義に固定することで相手の除去に圧力をかけるのも悪くはないよ。
僕の経験上、アグロに対して2枚目を抱えている場合はさっさとアドに「換金」しに行き、コントロールに対しては奥義を目指しに行くことが多いね。(もっとも、1枚目を換金して2枚目で奥義に向かってもいいんだけど。)
3)奥義をすぐ使うか、1ターンおいて奥義後もPWを場に残すか?
もう一つの興味深い問題は、奥義起動まで忠誠度が溜まった際にすぐに奥義を撃つか、1ターン待つかということだ。
すぐ奥義を撃つことの強みは、奥義を確実に決められ、かつその効果(紋章とか)はほぼ永久に消えないということだ。一方、1ターン待つということは奥義まで積み上げたPWを除去のリスクに晒してしまうことになるが、奥義起動後もゲームを綺麗に決めることが出来る。相手はPWへの解答を持ってないってことだからね。(持ってたら即使ってる。)
答えはまた「PWに何をして欲しいのか?」にある。相手にPW除去手段はあるか、奥義を起動すると、あるいは1ターン待つと何が起こるか。
奥義がゲームを決めるのに十分な影響を与えてくれそうなら、欲張ってはいけない。PWが除去されなさそうであっても、すぐに奥義を使うべきだ。時には奥義直前のPWを失っても勝機までは失わないこともあるが、除去されるくらいなら紋章を得た方が当然いいだろう。例えば対青白コンにおける《ドムリ・ラーデ》の紋章は、一度得てしまえば戦場にクリーチャーがいなくとも大体勝てる。負けることはあるかって?まあそんなこともあったっけな……。だけどもそんな可能性は滅茶苦茶低い。ドムリの紋章をすぐ得るか得ないかの勝率差どうこうよりも、PW除去をトップされる確率のほうがよっぽど高いよ。
アショクやヴェリアナといった奥義が直接決着に関与しないような場合だともう少しややこしくなる。僕が思うに、みんなヴェリアナの奥義を他のPWと比べて早めにブッパしすぎじゃないかな。カウンター6のリリアナがいる場に相手がクリーチャーを出すなんてことはないから、奥義は相手の土地を半分にするだけだろう。それはそれで悪くないけど、ヴェリアナを保持したままでいるよりも良いかと言うとそんなこともない。実際、相手がリリアナの奥義を起動して自らリリアナロックから解放してくれると僕はありがたく思ってしまうよ。奥義の分配がよほど効果的(ex:遅めな相手の6枚並んだ土地を半減させる)であったり、強力なカードのプレイを防ぐためにマナの縛りが必要でない限りは+1能力を起動し続けるべきだ。
他に勘違いされているのは《太陽の勇者、エルズペス》だ。クリーチャーをコントロールしていない時(ex:相手のペス兵士トークンと相打ちした後)は奥義を使う必要はない。奥義後、+1能力は破格の効果を生み出すのだから出来る限りエルズペスが場に残る状況で紋章を出し、3/3の集団を生産していけばイージーウィンだ。しかし紋章だけ、生物無しでは勝ちは遠い。同様に《英雄の導師、アジャニ》も、100点ライフゲインという大きな時間稼ぎが出来るとしたら、奥義後も場に残ればそのままフィニッシャーだ。
4)能力を使う?使わない?
PWの能力は必ずしも使わなくてもいいってことは忘れてないだろうね?まあ大体の場合は気にする必要はないだろう。神ジェイス、キオーラ、ドムリ、エルズペスといったアド源となるPWなら。だが《ジェイス・ベレレン》や《ティボルト》、特に《ヴェールのリリアナ》にとってはちょっと考える必要が出てくる。もし君のハンドが素晴らしく、相手のハンドが分からない状況ならばヴェリアナの+1能力を使いたくはないだろう。良いハンドをすり減らしてまで奥義に向かうこともないさ。
前回のPTでよくあったことだと、相手の《クルフィックスの狩猟者》でトップが見えているときのアショクの+2能力だ。もし相手のトップが弱いカードなら+2をせずにそのままターンを返してもいいだろう。試合で相手は「へー、アショク使わないんだ?」って言ってきたけど、勿論使わないさ。そりゃね!
PWとの戦い方
PWがタフなのは自分も相手も同じだ。PWが刷り出された頃は「攻撃する」「攻撃しない」の2択しか無かったけど、今は「PWを攻撃する」という選択肢が加わっている。複数の攻撃可能なクリーチャーをコントロールしている時はさらにややこしくなり、相手のブロッカーや除去を考えながらどうPWを攻撃するのが最適解なのか考えなければならない。
1)プレイヤーとPW、どちらを攻撃するか?
基本的にゲーム序盤でPWにアタックできるならさっさとするべきだ。相手のライフゲインみたいなものに感じられるだろうが、PWが残るのは普通に考えてヤバいし、試合を長期で見ればさっさとPWを殺した方が相手に総合的に与えられるダメージは上だろう。
一方、ゲーム後半になって相手のライフも十分射程圏内であるときの判断は最も難しい。そんな状況で僕が考えることは、相手が時間とリソースのどちらを欲しているかということだ。
相手が時間を欲している(=カードはあるけど全部プレイする暇がない)場合は大体相手を攻撃するほうが良い。相手はPWなんてどうでもいいのだから、PWを攻撃して相手に余裕を与えてしまっては次々と解答をプレイされてしまう。
逆にリソースを手に入れたがっている(=相手は解答を持っていない)場合はPWを攻撃するのが普通は正解だ。アド源のPWは少なくとも1枚分のドローと見なせるわけだからね。例えば相手のライフが4で手札は0、かつ忠誠度1の《ジェイス・ベレレン》をコントロールしており、君は3/3を1体コントロールしている時はジェイスを攻撃すべきだ。相手はキルターンまで2枚のカードを引くわけだが(2ターン分のドローか1ターン分のドローとジェイスの-1能力)、ジェイスをアタックしてキルターンを伸ばすことは自分のドローも増えることになる。
ジェイスの忠誠度が2なら尚更ジェイスを攻撃する。相手に3/3への解答を引かれる確率を高めたくはないよね。一つだけ問題となるのは相手がトップからもう1枚目のジェイスを引いてきた時だけど、相手はただそれをプレイするしか無いからそこまで気にする必要はないよ。
2)何体でPWを攻撃するか?
もう一つの話題は、PWを攻撃する際に忠誠度ピッタリ分のアタッカーを送るか、それともフルアタックするかということだ。僕の経験だと、相手が僕のPWを殺すついでにライフも狙っくれたおかげで、PWへのアタッカーを除去して勝ちに繋げられたことが多々あるね。相手の土地が立ってて除去を構えていそうなら、念を入れてオーバーキル気味にPWを攻撃しに行くことを強く勧めるよ。
相手が複数のブロッカーを立たせている時はそのブロックの仕方を何通りも把握しなければならなくて非常に複雑だけど、やるべきことはただ1つ。相手の立場になってその組み合わせを考えてみるといい。そうすれば最適な攻撃の仕方を導き出せるはずだ。気をつけて欲しいのは、致死量以上の数でPWに攻撃した時、相手はどの道守れないならとブロックせずにPWを見捨てて、ブロッカーをアタッカーに変貌させることがあるということ。あと、たまに余分なアタッカーが一方的に死んで「チャンプアタック」となってしまうこともあるけど、相手のPWを確実に倒すために必要ならばそうすることも辞さないように。
では、まとめだ。
・PWをプレイしようか迷ったら、PWのプレイで盤面がどうなるか、PWに何をして欲しいかを考えよう。特にして欲しいことがなくても、さっさとプレイする方が大抵は正解だ。
・状況が変わらなさそうでも後からプレイするよりはすぐプレイする方がいい。
・どの能力を使うか迷ったら、各能力の使用後にPWが死ぬ可能性はあるか、相手はどうやってPWを殺しに来るかを考えよう。相手にリソースの消費なしでPWを殺す手段がありそうで、PWがそのマッチアップで重要ならば、PWを生かすことを最優先しよう。
・PWを殺す手段が相手に幾らでもありそう(ex:コントロールミラー)なら、忠誠度は気にしなくていい。アドを取る能力のほうが奥義に向うよりも大抵強い。
・PWが奥義スタンバイになってもすぐに奥義を撃たなくてもいい。1ターン待ってPWを場に残して奥義を極めるほうがよりゲームを決められる時もある。
・PWの能力は毎ターン必ず使う必要はない!
・ゲーム序盤はPWを攻撃しよう。
・中盤以降は相手が時間を欲しているなら本体を攻撃しよう。リソースを欲しているようならPWを狙うべし。
・PWには相手のライフよりも影響力がある。除去が飛んできそうな盤面ではプレイヤーよりも複数体でPWを攻撃だ。
楽しんでくれたかな?じゃ、また来週!
PV
Owen’s a Win – Jund, And Why Golgari Charm Is So Great
By Owen Turtenwald 1 Jun, 2014
http://www.channelfireball.com/home/owens-a-win-jund-and-why-golgari-charm-is-so-great/
今回はここ最近MOで調整してきた新しいスタンダードのデッキをシェアしよう。
それはジャンドだ。いや、モンスターズの方ではない――ただのジャンドだ。
このデッキレシピはとてもしっくりくる――それに、PTギルド門侵犯で私がTOP8入りした時に使っていたような、前環境スタンのジャンドを思い起こさせる。
《森の女人像/Sylvan Caryatid》は《遥か見/Farseek》の完璧な後釜であり、《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》は依然としてその強さを保ち続けている。
メインとなるアド源は《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と《地下世界の人脈/Underworld Connections》によるコンボだ。この組み合わせは壊れと言っていいもので、毎ターン気持ちよくなれること請け合いだ。この2つが揃っている限り、地下世界の人脈によるライフロスをクルフィックスの狩猟者で帳消しにした上で毎ターン土地をプレイしてはスペルを引くことが出来る。他にも、ライブラリートップから占術土地をプレイし、そこで良いカードが捲れたら占術にスタックで人脈でドローし、その上で占術を解決するという素晴らしいテクもある。このコンボを用いれば速やかにライブラリーを掘り進み、必要な解答を探しに行くことができるだろう。
私は初め《突然の衰微/Abrupt Decay》を4枚にしていたが、《冒涜の悪魔/Desecration Demon》1体に対し腐って負けることが多々あったので3枚に減らした。衰微は言うまでもなく強力なカードだが私が満足するほどに柔軟ではないね。このカードの素晴らしい点の一つに、拘留の宝球をインスタントかつ打ち消されずに壊せることが挙げられる。調整中の間、宝球に捕らわれた冒涜の悪魔を相手のエンド時に解放してトドメの6点を入れて勝ったゲームが山ほどあったよ。衰微は人脈への解答になることも偉大だ。以前黒単を使っていた頃、人脈はしんどいミラーにおける最大の障害であったが、衰微とヴラスカを搭載した今は特に心配するほどではなくなったね。
《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》や他の2マナ除去を試したりもしたけど、最終的には《肉貪り/Devour Flesh》にまた帰着することになった。これは本当にスタンダードにおける最高の選択だ。2ターン目に出てくる肉を全て相手に貪らせてやる簡単なお仕事です。
《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》や呪禁クリーチャーへの強みを持てるのも嬉しい。
複数体の《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を全員育て上げることは難しい――これが軟泥を2枚に抑えている根本的理由だ。それでも十分強いけど。ゲームが長期化するほどにライフゲインは重要となり、後の思考囲いや人脈によるアクションを安定させられる。《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》を追放することは対バーンにおける特に重要な役割でもある。時たま見られるゴルガリドレッジにも強力だ。相手のプランはすべて軟泥の餌となる。
黒いデッキの主力である《冒涜の悪魔/Desecration Demon》は《怒鳴りつけ/Browbeat》のような懲罰者カードの類と言っていい。怒鳴りつけでドローしたいときに相手が5点を受け、5点を与えたいときにドローさせられる―それと同様のことが冒涜の悪魔にも言える。しかし怒鳴りつけとは2つの点で異なる。相手のクリーチャーを除去さえすれば冒涜の主導権は完全にこちらが持つ点と、冒涜の誘発は1回に留まらず毎ターン相手に選択を迫る点だ。こいつは本当に素敵な奴だよ。
ヴラスカは衰微と似ているが、より強力な主軸となる役割を持つ。私のヴラスカへの好意は急上昇中だ。この間の8構で3-0したときはヴラスカを4積みしていたくらいに。ヴラスカは生命散らしのゾンビに耐性をもつ緑の爆弾だ。デッキの緑をより濃くしようとするとどうしても生命散らしが気にかかってしまう。本当に馬鹿げたゾンビだ。先出しされた散らしに抜かれるような3マナ以上の緑の生物は構築段階から避けて通らざるを得ない。まったく、思考囲いがないときにクルフィックスの狩猟者を抱えているときの不安と言ったら。
最後に、スタンダードで緑黒系のデッキをプレイするうえで最も重要なのが《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》だ。これの軽さ、万能さといったらないね。再生モードは単体除去から至高の評決まで対応できる。エンチャント破壊モードはより重要となりつつある。バーンの岩への繋ぎ止めや大歓楽の幻霊を破壊したり、宝球を割れる。つまりコントロールの2大戦術をこれ1枚で対応できるということだ。それだけでサイドボードに積む価値がある。全体-1/-1修整も忘れてはいけない。減縮は周知の通り強力で、それをタダでデッキに入れられるようなものじゃないか?ゴルガリの魔除けは最高だ!
サイドボーディング
啓示コン相手にサイド後英雄の破滅を残すのは常々辟易としてきたが、腹を括って全抜きにした。英雄の破滅は負けてる盤面で力を発揮する、それは良い。しかし勝ってる盤面では文字通り何もしない。実際、初手に破滅があってもそれが勝ちに直結することは滅多にない。
《霊気のほころび》は人脈とエレボスの除去として輝く。ラクドスの復活は《精神錯乱》やゲーム終盤のトップ《火の玉》にもなる化け物。このマッチアップでの思考囲いは従来通り強力だが、私のプランでは長期戦を見据えているので、そのような状況でトップしたいカードではない。
このマッチアップは大変な正攻法で挑むしか無い。攻撃し、除去し、あらゆるダメージ源を取り除く。常に《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》をトップされる可能性を考慮せよ。
《ゴルガリの魔除け》は《波使い》だけでなくタッチ白での《拘留の宝球/Detention Sphere》にも対処できる。相手がタッチ白だと分かるのであれば《霊気のほころび/Unravel the AEther》を入れでも良いが、純正青単であればそこまで必要ではない。
バーンとのゲームはやりにくいが、《森の女人像/Sylvan Caryatid》と《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は偉大だ。ヴラスカと衰微は《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》を割れる。が、その程度。《漁る軟泥/Scavenging Ooze》はライフゲインと《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》への確実な解答。今でも時々バーンに敗れることがあるが、相手がぶっとんで速く強い引きをしない限りは負けない自信があるよ。
ジャンドの回帰程待ち望んでいるものはないから、このデッキが今後も活躍し続けんことを。
Owen Turtenwald
qazwsxedcrfvtgbyhnuj on Magic Online
OwenTweetenwald on twitter
---------------------------------------------------------------------------
占術スタック人脈テクは気づかなかった……
By Owen Turtenwald 1 Jun, 2014
http://www.channelfireball.com/home/owens-a-win-jund-and-why-golgari-charm-is-so-great/
今回はここ最近MOで調整してきた新しいスタンダードのデッキをシェアしよう。
それはジャンドだ。いや、モンスターズの方ではない――ただのジャンドだ。
土地
4 x 《血の墓所/Blood Crypt》
4 x 《草むした墓/Overgrown Tomb》
4 x 《疾病の神殿/Temple of Malady》
4 x 《奔放の神殿/Temple of Abandon》
5 x 《沼/Swamp》
3 x 《森/Forest》
クリーチャー
2 x 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 x 《森の女人像/Sylvan Caryatid》
4 x 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4 x 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
呪文
3 x 《見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen》
4 x 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
2 x 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
2 x 《肉貪り/Devour Flesh》
3 x 《突然の衰微/Abrupt Decay》
4 x 《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
4 x 《思考囲い/Thoughtseize》
サイドボード
2 x 《肉貪り/Devour Flesh》
2 x 《破滅の刃/Doom Blade》
2 x 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
2 x 《霊気のほころび/Unravel the AEther》
1 x 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
3 x 《殺戮遊戯/Slaughter Games》
2 x 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
1 x 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
このデッキレシピはとてもしっくりくる――それに、PTギルド門侵犯で私がTOP8入りした時に使っていたような、前環境スタンのジャンドを思い起こさせる。
《森の女人像/Sylvan Caryatid》は《遥か見/Farseek》の完璧な後釜であり、《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》は依然としてその強さを保ち続けている。
メインとなるアド源は《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》と《地下世界の人脈/Underworld Connections》によるコンボだ。この組み合わせは壊れと言っていいもので、毎ターン気持ちよくなれること請け合いだ。この2つが揃っている限り、地下世界の人脈によるライフロスをクルフィックスの狩猟者で帳消しにした上で毎ターン土地をプレイしてはスペルを引くことが出来る。他にも、ライブラリートップから占術土地をプレイし、そこで良いカードが捲れたら占術にスタックで人脈でドローし、その上で占術を解決するという素晴らしいテクもある。このコンボを用いれば速やかにライブラリーを掘り進み、必要な解答を探しに行くことができるだろう。
私は初め《突然の衰微/Abrupt Decay》を4枚にしていたが、《冒涜の悪魔/Desecration Demon》1体に対し腐って負けることが多々あったので3枚に減らした。衰微は言うまでもなく強力なカードだが私が満足するほどに柔軟ではないね。このカードの素晴らしい点の一つに、拘留の宝球をインスタントかつ打ち消されずに壊せることが挙げられる。調整中の間、宝球に捕らわれた冒涜の悪魔を相手のエンド時に解放してトドメの6点を入れて勝ったゲームが山ほどあったよ。衰微は人脈への解答になることも偉大だ。以前黒単を使っていた頃、人脈はしんどいミラーにおける最大の障害であったが、衰微とヴラスカを搭載した今は特に心配するほどではなくなったね。
《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》や他の2マナ除去を試したりもしたけど、最終的には《肉貪り/Devour Flesh》にまた帰着することになった。これは本当にスタンダードにおける最高の選択だ。2ターン目に出てくる肉を全て相手に貪らせてやる簡単なお仕事です。
《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》や呪禁クリーチャーへの強みを持てるのも嬉しい。
複数体の《漁る軟泥/Scavenging Ooze》を全員育て上げることは難しい――これが軟泥を2枚に抑えている根本的理由だ。それでも十分強いけど。ゲームが長期化するほどにライフゲインは重要となり、後の思考囲いや人脈によるアクションを安定させられる。《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》を追放することは対バーンにおける特に重要な役割でもある。時たま見られるゴルガリドレッジにも強力だ。相手のプランはすべて軟泥の餌となる。
黒いデッキの主力である《冒涜の悪魔/Desecration Demon》は《怒鳴りつけ/Browbeat》のような懲罰者カードの類と言っていい。怒鳴りつけでドローしたいときに相手が5点を受け、5点を与えたいときにドローさせられる―それと同様のことが冒涜の悪魔にも言える。しかし怒鳴りつけとは2つの点で異なる。相手のクリーチャーを除去さえすれば冒涜の主導権は完全にこちらが持つ点と、冒涜の誘発は1回に留まらず毎ターン相手に選択を迫る点だ。こいつは本当に素敵な奴だよ。
ヴラスカは衰微と似ているが、より強力な主軸となる役割を持つ。私のヴラスカへの好意は急上昇中だ。この間の8構で3-0したときはヴラスカを4積みしていたくらいに。ヴラスカは生命散らしのゾンビに耐性をもつ緑の爆弾だ。デッキの緑をより濃くしようとするとどうしても生命散らしが気にかかってしまう。本当に馬鹿げたゾンビだ。先出しされた散らしに抜かれるような3マナ以上の緑の生物は構築段階から避けて通らざるを得ない。まったく、思考囲いがないときにクルフィックスの狩猟者を抱えているときの不安と言ったら。
最後に、スタンダードで緑黒系のデッキをプレイするうえで最も重要なのが《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》だ。これの軽さ、万能さといったらないね。再生モードは単体除去から至高の評決まで対応できる。エンチャント破壊モードはより重要となりつつある。バーンの岩への繋ぎ止めや大歓楽の幻霊を破壊したり、宝球を割れる。つまりコントロールの2大戦術をこれ1枚で対応できるということだ。それだけでサイドボードに積む価値がある。全体-1/-1修整も忘れてはいけない。減縮は周知の通り強力で、それをタダでデッキに入れられるようなものじゃないか?ゴルガリの魔除けは最高だ!
サイドボーディング
啓示コントロール(青白/エスパー)
Add
+2 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
+2 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
+1 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
+3 《殺戮遊戯/Slaughter Games》
Remove
-2 《肉貪り/Devour Flesh》
-2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
-4 《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
啓示コン相手にサイド後英雄の破滅を残すのは常々辟易としてきたが、腹を括って全抜きにした。英雄の破滅は負けてる盤面で力を発揮する、それは良い。しかし勝ってる盤面では文字通り何もしない。実際、初手に破滅があってもそれが勝ちに直結することは滅多にない。
黒単信心
Add
+2 《肉貪り/Devour Flesh》
+1 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
+2 《霊気のほころび/Unravel the AEther》
Remove
-4 《思考囲い/Thoughtseize》
-1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
《霊気のほころび》は人脈とエレボスの除去として輝く。ラクドスの復活は《精神錯乱》やゲーム終盤のトップ《火の玉》にもなる化け物。このマッチアップでの思考囲いは従来通り強力だが、私のプランでは長期戦を見据えているので、そのような状況でトップしたいカードではない。
ジャンドモンスターズ
Add
+2 《破滅の刃/Doom Blade》
+2 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
+1 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
Remove
-2 《肉貪り/Devour Flesh》
-2 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
-1 《思考囲い/Thoughtseize》
このマッチアップは大変な正攻法で挑むしか無い。攻撃し、除去し、あらゆるダメージ源を取り除く。常に《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》をトップされる可能性を考慮せよ。
青単信心
Add
+2 《肉貪り/Devour Flesh》
+2 《破滅の刃/Doom Blade》
+2 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
+2 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
+1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
Remove
-4 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
-3 《見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen》
-2 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
《ゴルガリの魔除け》は《波使い》だけでなくタッチ白での《拘留の宝球/Detention Sphere》にも対処できる。相手がタッチ白だと分かるのであれば《霊気のほころび/Unravel the AEther》を入れでも良いが、純正青単であればそこまで必要ではない。
バーン
Add
+2 《肉貪り/Devour Flesh》
+2 《破滅の刃/Doom Blade》
+2 《ゴルガリの魔除け/Golgari Charm》
+2 《霊気のほころび/Unravel the AEther》
+1 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
+1 《ラクドスの復活/Rakdos’s Return》
Remove
-4 《思考囲い/Thoughtseize》
-4 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
-2 《見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen》
バーンとのゲームはやりにくいが、《森の女人像/Sylvan Caryatid》と《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》は偉大だ。ヴラスカと衰微は《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》を割れる。が、その程度。《漁る軟泥/Scavenging Ooze》はライフゲインと《チャンドラのフェニックス/Chandra’s Phoenix》への確実な解答。今でも時々バーンに敗れることがあるが、相手がぶっとんで速く強い引きをしない限りは負けない自信があるよ。
ジャンドの回帰程待ち望んでいるものはないから、このデッキが今後も活躍し続けんことを。
Owen Turtenwald
qazwsxedcrfvtgbyhnuj on Magic Online
OwenTweetenwald on twitter
---------------------------------------------------------------------------
占術スタック人脈テクは気づかなかった……
【翻訳】Owen’s a Win - 改訂版黒信心
2014年3月28日 翻訳 コメント (3)Owen’s a Win - Black Devotion Redux
By Owen Turtenwald 23 Mar, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/owens-a-win-black-devotion-redux/
実を言うと、今から一週間前の僕はスタンダードからかなりの間離れていてグランプリの結果も全てに目を通してはいなかった。黒単信心が今のメタゲーム上で以前と比べどう変化したかも定かではなかった。GPブエノスアイレスではサイドから《殺戮遊戯/Slaughter Games》を積んだりしたタッチ赤バージョンを試したんだけど、《戦慄掘り/Dreadbore》が《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》や《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》への強力な解答になったことは大変満足がいくものだった。けれども自らライフをすり減らすショックランドを使用するマナベースと、デッキ内の赤いカード自体は少ないという矛盾からこの構築はあまり好きにはなれなかった。タッチ赤の構想にはまだ議論の余地があるけど、黒信心で他の色にタッチするのは今の所ごめんだね。これが今のレシピだよ。
最も決めかねているのは《究極の価格/Ultimate Price》を沼にするかだ。GPブエノスアイレスでは2つの黒信心がTOP8に残ったが、それらは僕の以前のメイン型である土地26に対して土地25に追加の2マナ除去を入れていた。いくつかの理由から僕もこの構築に乗ることにした。主な理由は――単純に、これまでは僕が間違っていてこっちの方が実は正解である、ように見えるというだけだ。本当にこれが誤りなのか深く検討してみたけど、たった1枚のカードが構築として間違っていたとしてもそれが結果に与える影響は小さいのだから、僕がずっと間違いに気づいていなかった可能性は十分に有り得る。特にその1枚が土地であるなら、尚更それがデッキのノイズになっているかなんて分かるものじゃない。ともあれ《究極の価格/Ultimate Price》は最近のメタに大きく噛み合ったカードだ。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《冒涜の悪魔/Desecration Demon》が蔓延る中で安定した除去となる。《英雄の破滅/Hero’s Downfall》以外で。
ここの所よく聞かれるんだけど、《夜帷の死霊/Nightveil Specter》を全て《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》に入れ替えている。メインゾンビは全然行けるといつも考えてはいたけど、当時はまだデッキを考えるまでには至らなかった。PTテーロスで《群れネズミ/Pack Rat》入り黒単信心が解禁された時、そのプレイヤーはメインに《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》を積んでいた。黒信心こそスタンで生命散らしが最もマッチするデッキだと常々思うよ。僕は第1ゲームから生命散らしをプレイできることが大好きで、このデッキを使ううちはサイドに3枚積んでおくような真似は絶対にしたくないね。こいつはメタゲームに左右されるような奴じゃないし、僕のメインデッキでより拡張された部分と言える。
生命散らしが本来の仕事をすることは中々無いものだが、刺さった時の効果は莫大だ。生命散らしと《思考囲い/Thoughtseize》を積むことは単純に《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》にハメ殺される試合がより少なくなるし、ポルクラノス4積みのようなデッキが多い環境では非常に意味のある構築となる。3/1威嚇というスペックはプレインズウォーカーへの脅威となり、ダブルシンボル且つ基本アンブロという2点はデッキプランに素晴らしく噛み合っている。《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》で相手のライフを吸い殺すというね。
まあこんな意見もあるだろう。大抵ポルクラノスは《エルフの神秘家/Elvish Mystic》や《森の女人像/Sylvan Caryatid》を経由して出るから生命散らしが間に合わないのではないか?と。確かにその通りだが、《胆汁病/Bile Blight》や《肉貪り/Devour Flesh》でマナクリーチャーは殺す事ができる。思考囲いだってある訳だ。試合はそうストレートにはやらせないさ。
《胆汁病/Bile Blight》は待ち望んでいた黒単への解答だが、後になって考えると過大評価であったかもしれない。このカードが黒単というアーキタイプを強化しメインデッキの主要パーツになるということは確かにその通りではあったけど、胆汁病をプレイすればするほど、僕はこのカードが好きではなくなってきた。こいつは《ファリカの療法/Pharika’s Cure》よりずっと強く、メタに大きく噛み合うものではあるけど、一方で欠点もあったんだ。
ジャンドモンスターズがメタに台頭してくることは予期していたけど、このデッキには胆汁病がまるで刺さらないのだ。《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》のトークンを一掃できるが、サテュロストークンは彼らの勝ち手段ではない。《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を殺せるのも無論悪い点ではないが、毎回出されるわけではないし大体はファッティの連打に終始する。30枚もの生物が入っているデッキに対してサイドに落ちる運命にある2マナの除去とは!《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》やデカい神話怪物も倒せやしない。
けれども胆汁病は別の理由から使い続けることにした。群れネズミという最重要課題への対抗策として。僕はMOでほんの少しの間、胆汁病0枚でテストしてみたが、5ターン目にネズミをプレイして颯爽と試合を掻っ攫っていくプレイヤーにすぐさま出くわす羽目になった。それがネズミの持つ本来の強みであるはずなのに、それへの対抗策をデッキに入れていないとはなんて馬鹿だと思ったよ。胆汁病が発表された時、僕が歓喜した主な理由は青単信心への超強力な除去になるだろうということだった。それは正しかったが、何らかの理由から今ではもう青単をプレイする人はほとんどいなくなってしまった。何故は分からないけど、ほぼ一夜にして舞台から降りていったよ。今でも少数の青信心プレイヤーがいるけど、そのレシピは以前とは違うものになっている。
僕は以前と変わらずに4枚の《肉貪り/Devour Flesh》をメインの除去としている。これは数ある除去の中で唯一信頼が置けるカードだ。他の除去には何かしら明確なデメリットが付随しており、例えば《破滅の刃/Doom Blade》がミラーではずっと手札に抱えられたまま腐っていくのに対して肉貪りはどんなに腐る状況でも確実に1体のクリーチャーを除去できる。《冒涜の悪魔/Desecration Demon》との兼ね合いの良さも気に入っている。相手がクリーチャーをサクって君の悪魔をタップさせようとする時(これは頻繁に起こる)、肉貪りがそれを妨害する訳だ。相手が貪りでサクるのはその時最も役立たずなクリーチャーだが、結局は冒涜の悪魔を止めるために次点のクリーチャーもサクる羽目になる。肉貪りを自分に撃てる点もナイスだね。それ自体は馬鹿馬鹿しく見えるだろうが、その機会は意外とよくやってくる。相手が2体食わせた冒涜の悪魔をピンチの時は肉貪りでサクって8点のライフを得られれば、決して肉貪りの持つ価値を貶めることにはならないさ。この戦術はサイド後やハンドがバレているときには取るべきものではないが、常に意識しておきたい。
サイドボードは簡潔明瞭な作りにしている。《破滅の刃/Doom Blade》4枚。これだけ見ると美しさも感じられないか?これらは勿論ジャンドモンスターズのキークリーチャーである《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を狙いにしている。破滅の刃を多く引けば引くほどジャンドモンスターズへの勝率は向上するんだ。破滅の刃はモンスターズへの最も有効な除去であり、バーンや白ウィニー、青単信心に対してもいい仕事をするね。
他にも2枚の《真髄の針/Pithing Needle》をサイドに用意したけど、素晴らしい働きぶりだよ。ジャンドモンスターズがプレイしてくる4枚の《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》に3枚の《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》には《英雄の破滅/Hero’s Downfall》を何枚も引く幸運が無い限り重大な脅威となるからね。針でプレインズウォーカーを止めることは黒単にとって最も有効な解答だけど、それ以外にも思考囲いとの強いシナジーもあるんだ。着地しトークンを生み出したゼナゴスに針を刺すだけではディスアドで、そんなことを続けてたらマジックを長期で勝ち越すことは出来ない。けど先に思考囲いで相手のハンドを覗き、どのプレインズウォーカーがあるか予め知っておけば真髄の針は真の力を発揮できる。啓示コンも最近はエルズペス3枚が主流だから針の有用性は高い。《強迫/Duress》で《拘留の宝球/Detention Sphere》を抜きつつハンドに残ったジェイスに針を刺すなんて最高じゃないか!
《強迫/Duress》4枚はMOメタ上位のバーンを意識してもいる。啓示コンにぶち込めるのは勿論、バーンがメタ上位にいる今、強迫4積みは必須と言えるだろう。
また、以前のように《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》は3枚に戻している。これは啓示コンとミラーマッチ専用のカードだ。エレボスはこれらの試合でサイド後に光る。《地下世界の人脈/Underworld Connections》も同じく上記マッチアップでは最高のカードであり、エレボスは追加の人脈だ。前はより綺麗なマナカーブとエレボスの被りを嫌ってエレボス2枚と《骨読み/Read the Bones》1枚にしてたことがある。けど思考囲いや勾留の宝球でエレボスが処理されやすいことから、彼を複数引いても悪引きになるとは限らないよ。
最後に。今のMOにはものすごい数のバーンがいて、それらとの試合はいつも紙一重だ。僕はメインには強力なクリーチャー除去と《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》、サイドに《強迫/Duress》4枚という構築がベストだと思うけど、バーンとのマッチアップを懸念するのであれば欺瞞の神殿を4枚とも沼に変えてサイドに《死の大魔術師の杖/Staff of the Death Magus》を2、3枚積むという派手な構築もアリだろう。このカードはバーンに対してエンドカードと成り得るだろうね。
Owen Turtenwald
qazwsxedcrfvtgbyhnuj on Magic Online
https://twitter.com/OwenTweetenwald on twitter
By Owen Turtenwald 23 Mar, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/owens-a-win-black-devotion-redux/
実を言うと、今から一週間前の僕はスタンダードからかなりの間離れていてグランプリの結果も全てに目を通してはいなかった。黒単信心が今のメタゲーム上で以前と比べどう変化したかも定かではなかった。GPブエノスアイレスではサイドから《殺戮遊戯/Slaughter Games》を積んだりしたタッチ赤バージョンを試したんだけど、《戦慄掘り/Dreadbore》が《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》や《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》への強力な解答になったことは大変満足がいくものだった。けれども自らライフをすり減らすショックランドを使用するマナベースと、デッキ内の赤いカード自体は少ないという矛盾からこの構築はあまり好きにはなれなかった。タッチ赤の構想にはまだ議論の余地があるけど、黒信心で他の色にタッチするのは今の所ごめんだね。これが今のレシピだよ。
土地
4 x 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4 x 《変わり谷/Mutavault》
17 x《沼/Swamp》
クリーチャー
4 x 《群れネズミ/Pack Rat》
4 x 《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》
4 x 《冒涜の悪魔/Desecration Demon》
4 x 《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
呪文
4 x 《思考囲い/Thoughtseize》
4 x 《肉貪り/Devour Flesh》
2 x 《胆汁病/Bile Blight》
1 x 《究極の価格/Ultimate Price》
4 x 《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
4 x 《地下世界の人脈/Underworld Connections》
サイドボード
4 x 《破滅の刃/Doom Blade》
4 x 《強迫/Duress》
3 x 《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
2 x 《闇の裏切り/Dark Betrayal》
2 x 《真髄の針/Pithing Needle》
最も決めかねているのは《究極の価格/Ultimate Price》を沼にするかだ。GPブエノスアイレスでは2つの黒信心がTOP8に残ったが、それらは僕の以前のメイン型である土地26に対して土地25に追加の2マナ除去を入れていた。いくつかの理由から僕もこの構築に乗ることにした。主な理由は――単純に、これまでは僕が間違っていてこっちの方が実は正解である、ように見えるというだけだ。本当にこれが誤りなのか深く検討してみたけど、たった1枚のカードが構築として間違っていたとしてもそれが結果に与える影響は小さいのだから、僕がずっと間違いに気づいていなかった可能性は十分に有り得る。特にその1枚が土地であるなら、尚更それがデッキのノイズになっているかなんて分かるものじゃない。ともあれ《究極の価格/Ultimate Price》は最近のメタに大きく噛み合ったカードだ。《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《冒涜の悪魔/Desecration Demon》が蔓延る中で安定した除去となる。《英雄の破滅/Hero’s Downfall》以外で。
ここの所よく聞かれるんだけど、《夜帷の死霊/Nightveil Specter》を全て《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》に入れ替えている。メインゾンビは全然行けるといつも考えてはいたけど、当時はまだデッキを考えるまでには至らなかった。PTテーロスで《群れネズミ/Pack Rat》入り黒単信心が解禁された時、そのプレイヤーはメインに《生命散らしのゾンビ/Lifebane Zombie》を積んでいた。黒信心こそスタンで生命散らしが最もマッチするデッキだと常々思うよ。僕は第1ゲームから生命散らしをプレイできることが大好きで、このデッキを使ううちはサイドに3枚積んでおくような真似は絶対にしたくないね。こいつはメタゲームに左右されるような奴じゃないし、僕のメインデッキでより拡張された部分と言える。
生命散らしが本来の仕事をすることは中々無いものだが、刺さった時の効果は莫大だ。生命散らしと《思考囲い/Thoughtseize》を積むことは単純に《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》にハメ殺される試合がより少なくなるし、ポルクラノス4積みのようなデッキが多い環境では非常に意味のある構築となる。3/1威嚇というスペックはプレインズウォーカーへの脅威となり、ダブルシンボル且つ基本アンブロという2点はデッキプランに素晴らしく噛み合っている。《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》で相手のライフを吸い殺すというね。
まあこんな意見もあるだろう。大抵ポルクラノスは《エルフの神秘家/Elvish Mystic》や《森の女人像/Sylvan Caryatid》を経由して出るから生命散らしが間に合わないのではないか?と。確かにその通りだが、《胆汁病/Bile Blight》や《肉貪り/Devour Flesh》でマナクリーチャーは殺す事ができる。思考囲いだってある訳だ。試合はそうストレートにはやらせないさ。
《胆汁病/Bile Blight》は待ち望んでいた黒単への解答だが、後になって考えると過大評価であったかもしれない。このカードが黒単というアーキタイプを強化しメインデッキの主要パーツになるということは確かにその通りではあったけど、胆汁病をプレイすればするほど、僕はこのカードが好きではなくなってきた。こいつは《ファリカの療法/Pharika’s Cure》よりずっと強く、メタに大きく噛み合うものではあるけど、一方で欠点もあったんだ。
ジャンドモンスターズがメタに台頭してくることは予期していたけど、このデッキには胆汁病がまるで刺さらないのだ。《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》のトークンを一掃できるが、サテュロストークンは彼らの勝ち手段ではない。《エルフの神秘家/Elvish Mystic》を殺せるのも無論悪い点ではないが、毎回出されるわけではないし大体はファッティの連打に終始する。30枚もの生物が入っているデッキに対してサイドに落ちる運命にある2マナの除去とは!《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》やデカい神話怪物も倒せやしない。
けれども胆汁病は別の理由から使い続けることにした。群れネズミという最重要課題への対抗策として。僕はMOでほんの少しの間、胆汁病0枚でテストしてみたが、5ターン目にネズミをプレイして颯爽と試合を掻っ攫っていくプレイヤーにすぐさま出くわす羽目になった。それがネズミの持つ本来の強みであるはずなのに、それへの対抗策をデッキに入れていないとはなんて馬鹿だと思ったよ。胆汁病が発表された時、僕が歓喜した主な理由は青単信心への超強力な除去になるだろうということだった。それは正しかったが、何らかの理由から今ではもう青単をプレイする人はほとんどいなくなってしまった。何故は分からないけど、ほぼ一夜にして舞台から降りていったよ。今でも少数の青信心プレイヤーがいるけど、そのレシピは以前とは違うものになっている。
僕は以前と変わらずに4枚の《肉貪り/Devour Flesh》をメインの除去としている。これは数ある除去の中で唯一信頼が置けるカードだ。他の除去には何かしら明確なデメリットが付随しており、例えば《破滅の刃/Doom Blade》がミラーではずっと手札に抱えられたまま腐っていくのに対して肉貪りはどんなに腐る状況でも確実に1体のクリーチャーを除去できる。《冒涜の悪魔/Desecration Demon》との兼ね合いの良さも気に入っている。相手がクリーチャーをサクって君の悪魔をタップさせようとする時(これは頻繁に起こる)、肉貪りがそれを妨害する訳だ。相手が貪りでサクるのはその時最も役立たずなクリーチャーだが、結局は冒涜の悪魔を止めるために次点のクリーチャーもサクる羽目になる。肉貪りを自分に撃てる点もナイスだね。それ自体は馬鹿馬鹿しく見えるだろうが、その機会は意外とよくやってくる。相手が2体食わせた冒涜の悪魔をピンチの時は肉貪りでサクって8点のライフを得られれば、決して肉貪りの持つ価値を貶めることにはならないさ。この戦術はサイド後やハンドがバレているときには取るべきものではないが、常に意識しておきたい。
サイドボードは簡潔明瞭な作りにしている。《破滅の刃/Doom Blade》4枚。これだけ見ると美しさも感じられないか?これらは勿論ジャンドモンスターズのキークリーチャーである《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》や《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》、《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》を狙いにしている。破滅の刃を多く引けば引くほどジャンドモンスターズへの勝率は向上するんだ。破滅の刃はモンスターズへの最も有効な除去であり、バーンや白ウィニー、青単信心に対してもいい仕事をするね。
他にも2枚の《真髄の針/Pithing Needle》をサイドに用意したけど、素晴らしい働きぶりだよ。ジャンドモンスターズがプレイしてくる4枚の《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》に3枚の《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》には《英雄の破滅/Hero’s Downfall》を何枚も引く幸運が無い限り重大な脅威となるからね。針でプレインズウォーカーを止めることは黒単にとって最も有効な解答だけど、それ以外にも思考囲いとの強いシナジーもあるんだ。着地しトークンを生み出したゼナゴスに針を刺すだけではディスアドで、そんなことを続けてたらマジックを長期で勝ち越すことは出来ない。けど先に思考囲いで相手のハンドを覗き、どのプレインズウォーカーがあるか予め知っておけば真髄の針は真の力を発揮できる。啓示コンも最近はエルズペス3枚が主流だから針の有用性は高い。《強迫/Duress》で《拘留の宝球/Detention Sphere》を抜きつつハンドに残ったジェイスに針を刺すなんて最高じゃないか!
《強迫/Duress》4枚はMOメタ上位のバーンを意識してもいる。啓示コンにぶち込めるのは勿論、バーンがメタ上位にいる今、強迫4積みは必須と言えるだろう。
また、以前のように《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》は3枚に戻している。これは啓示コンとミラーマッチ専用のカードだ。エレボスはこれらの試合でサイド後に光る。《地下世界の人脈/Underworld Connections》も同じく上記マッチアップでは最高のカードであり、エレボスは追加の人脈だ。前はより綺麗なマナカーブとエレボスの被りを嫌ってエレボス2枚と《骨読み/Read the Bones》1枚にしてたことがある。けど思考囲いや勾留の宝球でエレボスが処理されやすいことから、彼を複数引いても悪引きになるとは限らないよ。
最後に。今のMOにはものすごい数のバーンがいて、それらとの試合はいつも紙一重だ。僕はメインには強力なクリーチャー除去と《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》、サイドに《強迫/Duress》4枚という構築がベストだと思うけど、バーンとのマッチアップを懸念するのであれば欺瞞の神殿を4枚とも沼に変えてサイドに《死の大魔術師の杖/Staff of the Death Magus》を2、3枚積むという派手な構築もアリだろう。このカードはバーンに対してエンドカードと成り得るだろうね。
Owen Turtenwald
qazwsxedcrfvtgbyhnuj on Magic Online
https://twitter.com/OwenTweetenwald on twitter
【翻訳】Reid Duke - The State of Standard
2014年3月19日 翻訳 コメント (2)The State of Standard
Reid Duke 13 Mar, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/the-state-of-standard-march-2014/
モダン・リミテッドGPの嵐が終わり、再びスタンダードに視点を戻そうと思う。
個人的な話だけど、僕は神々の軍勢リリース後の大きなスタンダード大会といえばシアトルでのスーパー・サンデー・シリーズしか参加してなかった。けれどもグランプリやMO、その他大会でのメタ変遷は常に追ってきたつもりだし、今後のメタの流れについてもいくつかの考えがある。
SSSで僕は超コントロールな青白コンを持って行った。軍勢のカードは《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》とサイドボードに《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》を加えただけものだ。デッキの手応えは十分だったし、使ってて確かに感じたことがある。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》は依然としてスタンダードの強力なカードに変わりはない。
エスパーコンと青白コンは非常に似通っている。どちらが優れているか一概には言えない。青白コンは洗練されたバランスの良い構成であり黒のカードを加える必要性は殆ど無い。一方で追加の占術ランドをデッキに組み込むことは更なる一貫性をデッキに与える。ともかく占術目的のみでも占術ランドを加えることを青白コンのプレイヤーは検討すべきだ(僕は《啓蒙の神殿》に加えて3枚の占術ランドを入れている)。僕が言いたいことは要するに、3色目を加えるリスクとリターンにはそれほど差がないということだ。
GPメルボルンの2位に輝いたPatty Robertsonは、メインデッキではたった2種類のカードのためだけに黒をタッチしている。《破滅の刃/Doom Blade》と《思考囲い/Thoughtseize》だ。
《破滅の刃/Doom Blade》は重要な役割を持つ。まず1つに、ゲーム序盤に必要な追加の除去という点。経験上、《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》や《拘留の宝球/Detention Sphere》、そして《至高の評決/Supreme Verdict》だけでは十分とはいえない。2つ目に(最重要ポイントかも)、瞬速や速攻生物への回答となること。純正青白コンを使ってた時は《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》1枚に散々分からされたものだよ。
一方で《思考囲い/Thoughtseize》はとても怪しい。多分コントロールミラーを想定したヘイトカードなんだろう。そりゃ信心デッキや赤緑ミッドレンジにもまずまず有効なカードではあるけど、これらにはカウンターの方がよっぽど効果的だし、囲いが持つポテンシャルを十分に活用できているとは思えない。速攻アグロに対しては全くの無力。少なくともメインデッキから採用する価値は無いと思うよ。
カウンター呪文の話だと、タップイン占術ランドを加える事で《中略/Syncopate》の価値は大きく下がったね。純正青白コンではよく1、2枚使ってたけど、占術ランド満載のエスパーなら僕は全抜きするだろう。
勝ちパターンについてちょっとだけ。軍勢後スタンダードの初めの頃、僕は《霊異種/AEtherling》を使っていたけど、《不死の霊薬/Elixir of Immortality》信者になりつつある。コントロールミラーで輝くし、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》との相性は抜群だ。霊異種と霊薬のどちらをピン挿ししてもいいけど、両方を入れるべきではない。ゲーム序盤に引きたいカードではないけど、どちらも勝ちパターンに入る上ではこの上なく信頼できる奴らだね。
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》は赤緑怪物にぶっ刺さる素晴らしいカードだ。とは言うもの、コントロールミラーではそれほど強くはない。彼女はその重さから君にタップアウトを迫る上に大体《拘留の宝球/Detention Sphere》や《英雄の破滅/Hero’s Downfall》によって簡単に処理されてしまう。肝心なのは、単純な話、6マナの彼女1枚だけでも長期戦を勝つには十分だということだ。僕はメインに1枚サイドに1枚とるのが合理的だと考えてる。メインに3枚も入れることはデッキにマッチしているようには思えない。彼女を3枚入れる前にゲーム序盤の捌きにより気を使うべきだ。啓示コントロールは1ゲーム目を落としてしまうと2ゲーム目以降で時間切れになってそのままマッチを落としてしまいかねないからね。
最後に。《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》を4枚フル投入しないことはありえない。サイクリングが悪いなんてことは全く無いし、加えて現スタンダードで特にプレイされている《夜帷の死霊/Nightveil Specter》や《冒涜の悪魔/Desecration Demon》への最良の解答となる。
赤緑怪物は今最も熱いデッキだね。止めどなくプレイされるただ強なカードによってアグレッシブなゲームを続けることが出来る。《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》を最大限に活用することでコントロールデッキを様々な角度から攻めることができ、それだけでなく速攻アグロに対しても相性は良い。
5マナ域の争いはあるけれども《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》はエキサイティングだ。《至高の評決/Supreme Verdict》や《宿命的報復/Fated Retribution》では死なず、あらゆるクリーチャーをマスト除去な脅威に仕立て上げる。《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》や《肉体/血流/Flesh/Blood》によって貴重な対処法であるチャンプブロックをももろともしない。
マジックのルール上、ゼナゴスは神とプレインズウォーカーの両方を戦場に出すことが出来る上にこれらの戦術はとても噛み合っている。神ゼナゴスが場にいることでPWゼナゴスの奥義が即死モノになる点は超クールだ!
---------------------------------------------------------------------------
続きはやる気次第。
Reid Duke 13 Mar, 2014
http://www.channelfireball.com/articles/the-state-of-standard-march-2014/
モダン・リミテッドGPの嵐が終わり、再びスタンダードに視点を戻そうと思う。
個人的な話だけど、僕は神々の軍勢リリース後の大きなスタンダード大会といえばシアトルでのスーパー・サンデー・シリーズしか参加してなかった。けれどもグランプリやMO、その他大会でのメタ変遷は常に追ってきたつもりだし、今後のメタの流れについてもいくつかの考えがある。
SSSで僕は超コントロールな青白コンを持って行った。軍勢のカードは《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》とサイドボードに《オレスコスの王、ブリマーズ/Brimaz, King of Oreskos》を加えただけものだ。デッキの手応えは十分だったし、使ってて確かに感じたことがある。《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》は依然としてスタンダードの強力なカードに変わりはない。
エスパー -Patty Robertson, GPメルボルン2位
土地
4 x 《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
4 x 《静寂の神殿/Temple of Silence》
4 x 《啓蒙の神殿/Temple of Enlightenment》
4 x 《神聖なる泉/Hallowed Fountain》
4 x 《島/Island》
4 x 《平地/Plains》
2 x 《変わり谷/Mutavault》
1 x 《神無き祭殿/Godless Shrine》
クリーチャー
1 x 《霊異種/AEtherling》
呪文
4 x 《至高の評決/Supreme Verdict》
4 x 《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》
4 x 《拘留の宝球/Detention Sphere》
4 x 《解消/Dissolve》
2 x 《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》
2 x 《思考囲い/Thoughtseize》
2 x 《破滅の刃/Doom Blade》
2 x 《中略/Syncopate》
1 x 《今わの際/Last Breath》
4 x 《思考を築く者、ジェイス/Jace, Architect of Thought》
3 x 《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
サイドボード
2 x 《破滅の刃/Doom Blade》
3 x 《ヴィズコーパの血男爵/Blood Baron of Vizkopa》
2 x 《反論/Gainsay》
1 x 《否認/Negate》
2 x 《思考囲い/Thoughtseize》
1 x 《存在の破棄/Revoke Existence》
1 x 《宿命的報復/Fated Retribution》
1 x 《テューンの大天使/Archangel of Thune》
2 x 《究極の価格/Ultimate Price》
エスパーコンと青白コンは非常に似通っている。どちらが優れているか一概には言えない。青白コンは洗練されたバランスの良い構成であり黒のカードを加える必要性は殆ど無い。一方で追加の占術ランドをデッキに組み込むことは更なる一貫性をデッキに与える。ともかく占術目的のみでも占術ランドを加えることを青白コンのプレイヤーは検討すべきだ(僕は《啓蒙の神殿》に加えて3枚の占術ランドを入れている)。僕が言いたいことは要するに、3色目を加えるリスクとリターンにはそれほど差がないということだ。
GPメルボルンの2位に輝いたPatty Robertsonは、メインデッキではたった2種類のカードのためだけに黒をタッチしている。《破滅の刃/Doom Blade》と《思考囲い/Thoughtseize》だ。
《破滅の刃/Doom Blade》は重要な役割を持つ。まず1つに、ゲーム序盤に必要な追加の除去という点。経験上、《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》や《拘留の宝球/Detention Sphere》、そして《至高の評決/Supreme Verdict》だけでは十分とはいえない。2つ目に(最重要ポイントかも)、瞬速や速攻生物への回答となること。純正青白コンを使ってた時は《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》1枚に散々分からされたものだよ。
一方で《思考囲い/Thoughtseize》はとても怪しい。多分コントロールミラーを想定したヘイトカードなんだろう。そりゃ信心デッキや赤緑ミッドレンジにもまずまず有効なカードではあるけど、これらにはカウンターの方がよっぽど効果的だし、囲いが持つポテンシャルを十分に活用できているとは思えない。速攻アグロに対しては全くの無力。少なくともメインデッキから採用する価値は無いと思うよ。
カウンター呪文の話だと、タップイン占術ランドを加える事で《中略/Syncopate》の価値は大きく下がったね。純正青白コンではよく1、2枚使ってたけど、占術ランド満載のエスパーなら僕は全抜きするだろう。
勝ちパターンについてちょっとだけ。軍勢後スタンダードの初めの頃、僕は《霊異種/AEtherling》を使っていたけど、《不死の霊薬/Elixir of Immortality》信者になりつつある。コントロールミラーで輝くし、《スフィンクスの啓示/Sphinx’s Revelation》との相性は抜群だ。霊異種と霊薬のどちらをピン挿ししてもいいけど、両方を入れるべきではない。ゲーム序盤に引きたいカードではないけど、どちらも勝ちパターンに入る上ではこの上なく信頼できる奴らだね。
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》は赤緑怪物にぶっ刺さる素晴らしいカードだ。とは言うもの、コントロールミラーではそれほど強くはない。彼女はその重さから君にタップアウトを迫る上に大体《拘留の宝球/Detention Sphere》や《英雄の破滅/Hero’s Downfall》によって簡単に処理されてしまう。肝心なのは、単純な話、6マナの彼女1枚だけでも長期戦を勝つには十分だということだ。僕はメインに1枚サイドに1枚とるのが合理的だと考えてる。メインに3枚も入れることはデッキにマッチしているようには思えない。彼女を3枚入れる前にゲーム序盤の捌きにより気を使うべきだ。啓示コントロールは1ゲーム目を落としてしまうと2ゲーム目以降で時間切れになってそのままマッチを落としてしまいかねないからね。
最後に。《アゾリウスの魔除け/Azorius Charm》を4枚フル投入しないことはありえない。サイクリングが悪いなんてことは全く無いし、加えて現スタンダードで特にプレイされている《夜帷の死霊/Nightveil Specter》や《冒涜の悪魔/Desecration Demon》への最良の解答となる。
赤緑怪物 - Huang Hao-Shan, GPメルボルン8位
土地
2 x 《変わり谷/Mutavault》
8 x 《森/Forest》
5 x 《山/Mountain》
4 x 《踏み鳴らされる地/Stomping Ground》
4 x 《奔放の神殿/Temple of Abandon》
クリーチャー
4 x 《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
4 x 《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》
2 x 《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》
4 x 《クルフィックスの狩猟者/Courser of Kruphix》
4 x 《森の女人像/Sylvan Caryatid》
1 x 《漁る軟泥/Scavenging Ooze》
4 x 《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
4 x 《エルフの神秘家/Elvish Mystic》
呪文
3 x 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
1 x 《肉体/血流/Flesh/Blood》
4 x 《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》
2 x 《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
サイドボード
2 x 《ショック/Shock》
4 x 《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
1 x 《紅蓮の達人チャンドラ/Chandra, Pyromaster》
2 x 《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
1 x 《高木の巨人/Arbor Colossus》
2 x 《垂直落下/Plummet》
1 x 《ミジウムの迫撃砲/Mizzium Mortars》
1 x 《自由なる者ルーリク・サー/Ruric Thar, the Unbowed》
1 x 《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
赤緑怪物は今最も熱いデッキだね。止めどなくプレイされるただ強なカードによってアグレッシブなゲームを続けることが出来る。《ドムリ・ラーデ/Domri Rade》を最大限に活用することでコントロールデッキを様々な角度から攻めることができ、それだけでなく速攻アグロに対しても相性は良い。
5マナ域の争いはあるけれども《歓楽の神、ゼナゴス/Xenagos, God of Revels》はエキサイティングだ。《至高の評決/Supreme Verdict》や《宿命的報復/Fated Retribution》では死なず、あらゆるクリーチャーをマスト除去な脅威に仕立て上げる。《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager》や《肉体/血流/Flesh/Blood》によって貴重な対処法であるチャンプブロックをももろともしない。
マジックのルール上、ゼナゴスは神とプレインズウォーカーの両方を戦場に出すことが出来る上にこれらの戦術はとても噛み合っている。神ゼナゴスが場にいることでPWゼナゴスの奥義が即死モノになる点は超クールだ!
---------------------------------------------------------------------------
続きはやる気次第。
【翻訳】A Pick Order List for Theros Draft
2013年11月1日 翻訳Frank Analysis - A Pick Order List for Theros Draft
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-theros-draft/
※元ページに画像リスト有り。
僕の最近のテーロスドラフトの成績は44-19だ。これにはPTテーロスでの6-0という戦績を含んでいる。僕は現在のドラフト環境をかなり的確に把握していると思うよ。殆どのドラフトでは強豪達と同卓しているしね。僕はプラチナレベルを維持しているプロでありプロツアーにおいて勝者で在り続けている。実際、PTテーロスでのリミテッドの概要を準備するために、Martin JuzaやStanislav Cifka、Lukas JaklovskyやIvan Floch他何人かのトッププレイヤー達とプラハで5日をドラフトに費やしたよ。1日3回のドラフトをプレイして学んだことは大きかったね。
今回はテーロスリミテッドにおける僕の考えを教えよう。具体的には、僕の考えたリミテッドにおけるカード情報のリストを作ったよ。このリストでカードを確認したりランク付けをするのに役立つはずだ。こういったリストの主眼は僕の考えを一貫したものにすることにある。くれぐれも注意してもらいたいが、僕はこのリストでのランク付けが常に通用するものであるとは考えていない。君のピックによって各カードの評価は変わってしまうのだから。シナジーやマナカーブの考慮、色の選択などはピックにおける重要な役割を果たすことになる。
言うまでもなく、カードランキングは初手ピックにおける方向性を示しうる。加えて他のカードと比べた時の強さを知ることも出来る。が、時には勘違いを引き起こすこともある。これが僕の気に入っている点であり、君達に上手く扱って欲しい点でもある。
単色カードのピック順
個々のカードをランク付けする前に色のランクから始めよう。テーロスリミテッドにおいて、僕は次のようにランク付けした。
青>緑>黒>白>赤
尚、このランクが僕のピック順に与えている影響は些細なものであるという点は付け加えておきたい。何故なら僕のリストでは第1パック第1ピックにおける正確な方向性を見極めることを念頭に置いているので、Lightning Strikeのような赤のカードは他のフォーマットよりも低めに見積もっている。Lightning Strikeそれ自体は強力なカードであり、トップコモンと言っても良い。しかし赤は最も弱い色であるのでLightning Strikeのランクは少し低くなる。これを流すことは別に悔やむことではない。実際、目標に定めた2色を含めてあらゆる色を流しても問題ない。しかし方向性が見えない時点では赤くないカードをファーストピックとしたい。
他にリストに入れることが難しいカードはGray Merchant of Asphodelだ。このセットにおいては最も強力なコモンの一つだが、それはデッキを真っ黒に出来た時に限る。そしてドラフトでは大抵一人ないし二人の黒選択者がいる。もし二人以上が同じルートを辿ろうものなら、彼らのデッキは大抵酷いものになるだろう。問題なのは、一度Gray Merchantを流してしまったら、黒の路線が見えてくる頃には乗り換えるのは非常に困難になるということだ。そこで僕の(Ben Starkのでもある)アプローチは、少々リスキーでもあるが、Gray Merchantを早期にピックすることだ。これが僕のリストでランクが高い理由でもある。早期ピックした場合は一旦これを忘れて、単純に強いカードをピックしていく。もし黒の流れが見えないようならすぐに他の色に狙いを定め直すことだ。けれども、素晴らしい黒のコモン達が流れてきた時には、喜んでその流れに乗ってGray Merchantと気持ちよくなろう。
Lightning StrikeやGray Merchant of Asphodelが第1パック第1ピックに位置づけられる一方で、下位のランクをピックしていく頃、ランキングはより流動的になる。Chosen by Heliodを取りたい時点で、自分が英雄的コースにしたいのか、あるいはエンチャントが現時点の戦略にどれほど重要なのかを認識しておくべきだ。下位のカードを一般ランク付けすることは難しいが、僕自身のベストショットを示そう。
ではランキングの発表だ。見やすさを考慮して複数のカテゴリーに分けているが、これはあくまで一リストでしかないということは覚えておいてくれ。一例として、もし第1パックにFabled Hero、Keepsake Gorgon、Voyage’s End、Leafcrown Dryadが入っていたらFabled Heroを取る。英雄的生物を取った後はKeepsake Gorgonを、それを取った後はVoyage’s Endを取る、といった感じだ。
トップレア
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
《威名の英雄/Fabled Hero》
《天界の執政官/Celestial Archon》
《忌まわしき首領/Abhorrent Overlord》
《高木の巨人/Arbor Colossus》
《運命の工作員/Agent of the Fates》
《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》
《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
《加護のサテュロス/Boon Satyr》
トップアンコモン
《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》
《海神の復讐/Sea God’s Revenge》
《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon》
トップコモンよりは良いがトップアンコモンよりは下位のレア
《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken》
《百手巨人/Hundred-Handed One》
《燃えさし呑み/Ember Swallower》
《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
《波使い/Master of Waves》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《夜の咆哮獣/Nighthowler》
トップコモン、及び同順位のアンコモン・レア
《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary》
《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
《エレボスの使者/Erebos’s Emissary》
《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad》
《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
《天馬の乗り手/Wingsteed Rider》
《航海の終わり/Voyage’s End》
《稲妻の一撃/Lightning Strike》
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
《捕海/Griptide》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》
《ナイレアの使者/Nylea’s Emissary》
《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》
トップコモンには劣るアンコモン・レア
《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
《マグマの噴流/Magma Jet》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《トリトンの戦術/Triton Tactics》
《パーフォロスの使者/Purphoros’s Emissary》
《形態の職工/Artisan of Forms》
《統率の取れた突撃/Coordinated Assault》
《不屈の猛攻/Dauntless Onslaught》
《強欲なハーピー/Insatiable Harpy》
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《豚の呪い/Curse of the Swine》
《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》
まあまあなコモン、及び同順位のアンコモン・レア
《目ざといアルセイド/Observant Alseid》
《食餌の時間/Time to Feed》
《蒸気の精/Vaporkin》
《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser》
《地平の識者/Horizon Scholar》
《先見のキマイラ/Prescient Chimera》
《鞭の一振り/Lash of the Whip》
《不機嫌なサイクロプス/Ill-Tempered Cyclops》
《怒血のシャーマン/Rageblood Shaman》
《パーフォロスの試練/Ordeal of Purphoros》
《神々の思し召し/Gods Willing》
《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis》
《神聖なる評決/Divine Verdict》
《希望の幻霊/Hopeful Eidolon》
《悪意の幻霊/Baleful Eidolon》
《迷宮の勇者/Labyrinth Champion》
《セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero》
《ファリカの療法/Pharika’s Cure》
《パーフォロスの激怒/Rage of Purphoros》
《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton》
《一口の草毒/Sip of Hemlock》
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
《洞窟のランパード/Cavern Lampad》
《闘技場の競技者/Arena Athlete》
《トリトンの財宝狩り/Triton Fortune Hunter》
《恭しき狩人/Reverent Hunter》
《海檻の怪物/Sealock Monster》
《菅草の蠍/Sedge Scorpion》
《槍先のオリアード/Spearpoint Oread》
《ナイレアの信奉者/Nylea’s Disciple》
《ケイラメトラの侍祭/Karametra’s Acolyte》
《残忍な発動/Feral Invocation》
《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
《双頭のケルベロス/Two-Headed Cerberus》
《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy》
《骨読み/Read the Bones》
《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》
《エレボスの試練/Ordeal of Erebos》
《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
《ナイレアの試練/Ordeal of Nylea》
《石殴りの巨人/Stoneshock Giant》
《思考囲い/Thoughtseize》
《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior》
《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster》
《前兆語り/Omenspeaker》
《メレティスのほら吹き/Meletis Charlatan》
《ヘリオッドの福音者/Evangel of Heliod》
《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
《苛まれし英雄/Tormented Hero》
《炎語りの達人/Flamespeaker Adept》
《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax》
多くは必要ないコンバットトリック及びエンチャント
《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod》
《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》
《タイタンの力/Titan’s Strength》
《武勇の誇示/Show of Valor》
《蛮族の血気/Savage Surge》
《エレボスの加護/Boon of Erebos》
《液態化/Aqueous Form》
《戦士の教訓/Warriors’ Lesson》
《予記された運命/Fate Foretold》
《災いの印/Scourgemark》
メインから採用は出来る程度の生物と呪文
《解消/Dissolve》
《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow》
《ラゴンナ団の長老/Lagonna-Band Elder》
《ミノタウルスの頭蓋断ち/Minotaur Skullcleaver》
《悪魔の皮のミノタウルス/Felhide Minotaur》
《永遠の炎のタイタン/Titan of Eternal Fire》
《フィーリーズ団のケンタウルス/Pheres-Band Centaurs》
《巨体の狐/Vulpine Goliath》
《ナイレアの存在/Nylea’s Presence》
《解消の光/Ray of Dissolution》
《レオニンの投網使い/Leonin Snarecaster》
《阻まれた希望/Stymied Hopes》
《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
《旅する哲人/Traveling Philosopher》
《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur》
《神々との融和/Commune with the Gods》
《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》
大抵はサイドボードに取っておくもの
《沈黙の職工/Silent Artisan》
《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
《邪悪退治/Vanquish the Foul》
《セテッサの戦神官/Setessan Battle Priest》
《サテュロスの散策者/Satyr Rambler》
《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
《野蛮な祝賀者/Wild Celebrants》
《エファラの管理人/Ephara’s Warden》
《受勲したグリフィン/Decorated Griffin》
《水跳ねの海馬/Breaching Hippocamp》
《タッサの褒賞/Thassa’s Bounty》
《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
《無効/Annul》
《裏切りの先触れ/Portent of Betrayal》
《今わの際/Last Breath》
《古代への衰退/Fade into Antiquity》
《切り裂く風/Shredding Winds》
《狩人狩り/Hunt the Hunter》
《サテュロスの笛吹き/Satyr Piper》
《水底の巨人/Benthic Giant》
《闇の裏切り/Dark Betrayal》
《殺し屋の行動/Cutthroat Maneuver》
《異端の輝き/Glare of Heresy》
《記憶の壁/Mnemonic Wall》
《火花の衝撃/Spark Jolt》
《毒蛇座の口づけ/Viper’s Kiss》
《蘇りし者の行進/March of the Returned》
《落岩/Boulderfall》
《不死の贈り物/Gift of Immortality》
《死の国からの救出/Rescue from the Underworld》
《アスフォデルの放浪者/Asphodel Wanderer》
《反論/Gainsay》
《鋤引きの雄牛/Yoked Ox》
《トリトンの岸盗人/Triton Shorethief》
《峰の噴火/Peak Eruption》
《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》
《伝書使の素早さ/Messenger’s Speed》
《拠点防衛/Defend the Hearth》
《破砕/Demolish》
《白鳥の歌/Swan Song》
多色カードのピック順
上記単色カードに加えて、テーロスでは多色カードもかなりの量を占めている。(能力起動にかかるマナ色が本体と異なるものも多色リストに含んでいる。)特にドラフト初期段階では多色カードを取るか、或いはまだ色の方向性を決めずにおくかという難しい選択を迫られる時がある。僕の方針では、強い多色カードを取るよりもそれより弱めではある単色カードを取ることで柔軟性を維持することを重視する。その多色カードが極端に強力で無い限りはね。具体的にしたのが以下の多色ランキングだ。ここでいう「トップコモン」というのはVoyage’s EndやLightning Strikeなどのことで、「まあまあなコモン」というのはTime to FeedやVaporkinなどを指す。
あらゆるトップコモンよりも優先して取る多色カード
《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
《アナックスとサイミーディ/Anax and Cymede》
《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds》
《老いざるメドマイ/Medomai the Ageless》
《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》
《死の国のケルベロス/Underworld Cerberus》
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
トップコモンよりは下だがまあまあなコモンよりは優先して取る強めな多色カード
《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
《難破船の歌い手/Shipwreck Singer》
《運命の三人組/Triad of Fates》
《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
《英雄の記録者/Chronicler of Heroes》
《死の国の歩哨/Sentry of the Underworld》
《地平線のキマイラ/Horizon Chimera》
まあまあなコモンよりも優先度は下がるまずまずな多色カード
《殺人王、ティマレット/Tymaret, the Murder King》
《ファリカの癒し人/Pharika’s Mender》
《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos》
《蘇りし者の密集軍/Returned Phalanx》
《クラグマの戦呼び/Kragma Warcaller》
《静寂の神殿/Temple of Silence》
《神秘の神殿/Temple of Mystery》
《奔放の神殿/Temple of Abandon》
《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
《死呻きの略奪者/Deathbellow Raider》
《アクロスの重装歩兵/Akroan Hoplite》
《海岸線のキマイラ/Coastline Chimera》
《はじけるトリトン/Crackling Triton》
《彼方の工作員/Agent of Horizons》
《セテッサのグリフィン/Setessan Griffin》
《アクロスの木馬/Akroan Horse》
《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn》
《つややかな雄鹿/Burnished Hart》
《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
《蒸気占い/Steam Augury》
《精神的な介入/Psychic Intrusion》
《サテュロスの享楽者/Satyr Hedonist》
《魔心のキマイラ/Spellheart Chimera》
《旅行者の護符/Traveler’s Amulet》
《未知の岸/Unknown Shores》
《イロアスの神官/Priest of Iroas》
《金床鋳込みの猛禽/Anvilwrought Raptor》
《青銅の黒貂/Bronze Sable》
《メレティスの守護者/Guardians of Meletis》
《炎放ちの車輪/Flamecast Wheel》
《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
《アクロスの巨像/Colossus of Akros》
《こそ泥の兜/Prowler’s Helm》
《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals》
《毒々しいカトブレパス/Loathsome Catoblepas》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《魔女の目/Witches’ Eye》
《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
テーロスリミテッド20ヶ条
この記事の締めくくりとして、テーロスリミテッドとドラフト全体に通じる僕の考えた20個のコンボを書こう。
1)ドラフトでの授与において、絆魂と二段攻撃はより重要となる。よってTwo-Headed CerberusやInsatiable Harpyは僕のピック順では通常よりも上位に来る。 ScourgemarkやDragon Mantleとの組み合わせも強力であることも忘れずに。
2)Disciple of PhenaxやReturned Centaurと組み合わさることでVoyage’s EndやGriptidはそれぞれ強力な除去に変わる。
3)もしNemesis of Mortalsを取れたなら、Satyr HedonistやCommune with the Godsの評価は急騰する。
4)Sealock Monsterをプレイし、更に手札にNylea’s Presenceがあれば、相手の土地を島にしてSealock Monsterで殴ることが出来る。
5)Cavalry Pegasusで空を飛ばすのにうってつけな人間はAkroan HopliteやDaxos of Meletis、Staunch-Hearted Warriorだ。
6)Karametra’s AcolyteをTriton TacticsやSavage Surgeでアンタップすることは、時にイカれたマナ加速に繋がる。
7)赤と緑には4マナのカードが集中しているから、ピックする枚数は抑えめに。
8)正確に計算すると、ドラフト1回あたり各コモン2.4枚と各アンコモン1.2枚を平均して手にすることが出来る。また5色中2色の組み合わせ10種類に対し1卓8人という結果、2色の選択が他と被ることは殆ど無い。それ故自分だけのトップコモン・アンコモンを想定することが出来る。例えば、緑白をやっている時はChronicler of Heroesはまず取れるのでStaunch-Hearted Warriorをより早めに取るべきだ。
9)赤黒はフィニッシャーにKragma Warcallerを使ったマイナーなミノタウロスデッキが出来る。Felhide Minotaurのようなカードは赤黒をやってる時は早めにとるべきだ。よく見落とされがちなことだが、Fanatic of Mogisもミノタウロスだ。
10)緑赤及び青赤は多色カードの中でも特に脆弱だ。
11)5マナ以上のカードと4マナ以下のカードの比較で、より早い勝利のためには後者に軍配が上がる。重いカードは勝敗に関わる怪物化や授与の妨げに成り得るからね。
12)神は信心を稼ぐのが難しいのでリミテッドにおけるボムにはならない。それでもHeliod, God of the Sunの能力は素晴らしいので常にメインから採用出来る。だが黒いデッキでErebos, God of the Deadはサイド要員だ。勿論早期に神をピック出来たなら後のピックは信心稼ぎを優先していい。
13)コモンカードのLash of the WhipやRage of Purphorosの存在下においてタフネス5という数字はマジックナンバーだ。従ってNessian Aspは考えてる以上に強力な奴だ。
14)青・緑・黒の良質なカード群の点数で見た平均マナコストは比較的高く、なんと3を超える。対照的に、赤と白では3以下となるので速攻型になりがちだ。
15)緑・青・白は英雄的クリーチャーと関連している。赤と黒には全くない。コンバットトリックや授与時においてはこのことを念頭に置いておくこと。
16)十分な数の授与クリーチャーを集めることは出来ない。重要なのは、白と黒のコモンには2枚の授与クリーチャーがいてそれ以外の色には1枚しかないということだ。
17)パックはよく混沌としたものになるので、十分な素材をピックしていても他の色に乗り換えることが度々ある。躊躇することなく、その場に応じて色を乗り換えることだ。
18)接死持ちクリーチャー(Sedge ScorpionやBaleful Eidolon)は試練サイクルに対する最高の回答だ。リミテッドにおいては強力なものとなる。
19)テーロスドラフトは比較的速く、テンポゲーである。M14ドラフトとは全く異なる。良いマナカーブにすること。
20)最後に、ドラフトでいつでも通じる、特にこのセットにおける最も重要なアドバイスをしよう。サイドボードを使え!
デッキをいじる機会を逃さないことだ。僕個人だと1試合あたり4枚のカードを替える。これは多めだが、僕の勝利に繋がっている重要な部分だと思っているよ。サイドボーディングはAnnulやLast Breath、Shredding Winds、Dark Betrayalといった明確なアンチカードから始まるが、僕は大抵「害悪」なカードへの対策を考える。Benthic Giant(Heliod’s Emissaryをブロックし他の地上ウィニーを止めるため)、Bronze Sable(相手がLeonin Snarecasterと相方で攻めてくるようである時)、Ephara’s Warden(Prescient Chimeraをタップさせるため)、Flamecast Wheel(相手がKragma Warcallerを持っているなら)のようにね。
もしかしたら、何を入れるかよりも何を抜くかのほうがより重要かもしれない。相手に殆ど効き目が無かったのはどのカードかを見極めることだ。例えば、Read the BonesやVaporkin、Sea God’s Revengeは速攻系な赤白デッキ相手にはサイドアウトする。相手がOmenspeakerやWavecrash Tritonを使ってるならSatyr Ramblerは抜くべきだろう。重めの黒相手にCavern Lampadは抜く。試練サイクルは相手が複数のGriptidesやSedge Scorpion等を持ってるなら抜こう。 タフネス2以下のクリーチャーが見られないようならPharika’s Cureは抜くべきだし、相手の生物が軒並み飛行だらけならPheres-Band Centaursはいらない。もしマッチが遅めであるなら3色目を入れることも考慮すべきだ。逆に高速であるならタッチカラーは抜くべきだろう。
まとめると、鍵となるのは相手のデッキがどのようなものかを把握し、自分のカードプールの1枚1枚を見直すことだ。ピック順リストは役に立つが、カードの評価は対戦相手に大きく依存する。時にはSea God’s Revengeを抜いてBenthic Giantを入れることも正しい戦略となる。
先日のテーロスリミテッドでのグランプリ香港で見事に優勝した中村修平にはとても感謝してる。ピック順リストを作ってる時、各カードの評価について彼の素晴らしい見識をシェアしてくれたからね。それでもランキング自体は修平の経験をベースにして、僕自身が最終的に作り上げたものだ。なのでもし質問や評価に関する苦情があれば、是非とも僕に対して投げつけてくれ!
---------------------------------------------------------------------------
誤訳等お気づきの点があったらコメントよろしくお願いします。
http://www.channelfireball.com/articles/frank-analysis-a-pick-order-list-for-theros-draft/
※元ページに画像リスト有り。
僕の最近のテーロスドラフトの成績は44-19だ。これにはPTテーロスでの6-0という戦績を含んでいる。僕は現在のドラフト環境をかなり的確に把握していると思うよ。殆どのドラフトでは強豪達と同卓しているしね。僕はプラチナレベルを維持しているプロでありプロツアーにおいて勝者で在り続けている。実際、PTテーロスでのリミテッドの概要を準備するために、Martin JuzaやStanislav Cifka、Lukas JaklovskyやIvan Floch他何人かのトッププレイヤー達とプラハで5日をドラフトに費やしたよ。1日3回のドラフトをプレイして学んだことは大きかったね。
今回はテーロスリミテッドにおける僕の考えを教えよう。具体的には、僕の考えたリミテッドにおけるカード情報のリストを作ったよ。このリストでカードを確認したりランク付けをするのに役立つはずだ。こういったリストの主眼は僕の考えを一貫したものにすることにある。くれぐれも注意してもらいたいが、僕はこのリストでのランク付けが常に通用するものであるとは考えていない。君のピックによって各カードの評価は変わってしまうのだから。シナジーやマナカーブの考慮、色の選択などはピックにおける重要な役割を果たすことになる。
言うまでもなく、カードランキングは初手ピックにおける方向性を示しうる。加えて他のカードと比べた時の強さを知ることも出来る。が、時には勘違いを引き起こすこともある。これが僕の気に入っている点であり、君達に上手く扱って欲しい点でもある。
単色カードのピック順
個々のカードをランク付けする前に色のランクから始めよう。テーロスリミテッドにおいて、僕は次のようにランク付けした。
青>緑>黒>白>赤
尚、このランクが僕のピック順に与えている影響は些細なものであるという点は付け加えておきたい。何故なら僕のリストでは第1パック第1ピックにおける正確な方向性を見極めることを念頭に置いているので、Lightning Strikeのような赤のカードは他のフォーマットよりも低めに見積もっている。Lightning Strikeそれ自体は強力なカードであり、トップコモンと言っても良い。しかし赤は最も弱い色であるのでLightning Strikeのランクは少し低くなる。これを流すことは別に悔やむことではない。実際、目標に定めた2色を含めてあらゆる色を流しても問題ない。しかし方向性が見えない時点では赤くないカードをファーストピックとしたい。
他にリストに入れることが難しいカードはGray Merchant of Asphodelだ。このセットにおいては最も強力なコモンの一つだが、それはデッキを真っ黒に出来た時に限る。そしてドラフトでは大抵一人ないし二人の黒選択者がいる。もし二人以上が同じルートを辿ろうものなら、彼らのデッキは大抵酷いものになるだろう。問題なのは、一度Gray Merchantを流してしまったら、黒の路線が見えてくる頃には乗り換えるのは非常に困難になるということだ。そこで僕の(Ben Starkのでもある)アプローチは、少々リスキーでもあるが、Gray Merchantを早期にピックすることだ。これが僕のリストでランクが高い理由でもある。早期ピックした場合は一旦これを忘れて、単純に強いカードをピックしていく。もし黒の流れが見えないようならすぐに他の色に狙いを定め直すことだ。けれども、素晴らしい黒のコモン達が流れてきた時には、喜んでその流れに乗ってGray Merchantと気持ちよくなろう。
Lightning StrikeやGray Merchant of Asphodelが第1パック第1ピックに位置づけられる一方で、下位のランクをピックしていく頃、ランキングはより流動的になる。Chosen by Heliodを取りたい時点で、自分が英雄的コースにしたいのか、あるいはエンチャントが現時点の戦略にどれほど重要なのかを認識しておくべきだ。下位のカードを一般ランク付けすることは難しいが、僕自身のベストショットを示そう。
ではランキングの発表だ。見やすさを考慮して複数のカテゴリーに分けているが、これはあくまで一リストでしかないということは覚えておいてくれ。一例として、もし第1パックにFabled Hero、Keepsake Gorgon、Voyage’s End、Leafcrown Dryadが入っていたらFabled Heroを取る。英雄的生物を取った後はKeepsake Gorgonを、それを取った後はVoyage’s Endを取る、といった感じだ。
トップレア
《太陽の勇者、エルズペス/Elspeth, Sun’s Champion》
《世界を喰らう者、ポルクラノス/Polukranos, World Eater》
《嵐の息吹のドラゴン/Stormbreath Dragon》
《予知するスフィンクス/Prognostic Sphinx》
《威名の英雄/Fabled Hero》
《天界の執政官/Celestial Archon》
《忌まわしき首領/Abhorrent Overlord》
《高木の巨人/Arbor Colossus》
《運命の工作員/Agent of the Fates》
《ナイレアの弓/Bow of Nylea》
《ヘリオッドの槍/Spear of Heliod》
《パーフォロスの槌/Hammer of Purphoros》
《加護のサテュロス/Boon Satyr》
トップアンコモン
《密集軍の指揮者/Phalanx Leader》
《海神の復讐/Sea God’s Revenge》
《形見持ちのゴルゴン/Keepsake Gorgon》
トップコモンよりは良いがトップアンコモンよりは下位のレア
《残酷なハイソニア/Hythonia the Cruel》
《船壊しのクラーケン/Shipbreaker Kraken》
《百手巨人/Hundred-Handed One》
《燃えさし呑み/Ember Swallower》
《英雄の破滅/Hero’s Downfall》
《波使い/Master of Waves》
《タッサの二叉槍/Bident of Thassa》
《夜の咆哮獣/Nighthowler》
トップコモン、及び同順位のアンコモン・レア
《ヘリオッドの使者/Heliod’s Emissary》
《タッサの使者/Thassa’s Emissary》
《エレボスの使者/Erebos’s Emissary》
《雨雲のナイアード/Nimbus Naiad》
《アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel》
《天馬の乗り手/Wingsteed Rider》
《航海の終わり/Voyage’s End》
《稲妻の一撃/Lightning Strike》
《エレボスの鞭/Whip of Erebos》
《捕海/Griptide》
《森の女人像/Sylvan Caryatid》
《霧裂きのハイドラ/Mistcutter Hydra》
《旅するサテュロス/Voyaging Satyr》
《葉冠のドライアド/Leafcrown Dryad》
《ナイレアの使者/Nylea’s Emissary》
《ネシアンのアスプ/Nessian Asp》
トップコモンには劣るアンコモン・レア
《定命の者の宿敵/Nemesis of Mortals》
《海の神、タッサ/Thassa, God of the Sea》
《マグマの噴流/Magma Jet》
《太陽の神、ヘリオッド/Heliod, God of the Sun》
《トリトンの戦術/Triton Tactics》
《パーフォロスの使者/Purphoros’s Emissary》
《形態の職工/Artisan of Forms》
《統率の取れた突撃/Coordinated Assault》
《不屈の猛攻/Dauntless Onslaught》
《強欲なハーピー/Insatiable Harpy》
《鍛冶の神、パーフォロス/Purphoros, God of the Forge》
《豚の呪い/Curse of the Swine》
《モーギスの匪賊/Mogis’s Marauder》
《神々の憤怒/Anger of the Gods》
まあまあなコモン、及び同順位のアンコモン・レア
《目ざといアルセイド/Observant Alseid》
《食餌の時間/Time to Feed》
《蒸気の精/Vaporkin》
《ネシアンの狩猟者/Nessian Courser》
《地平の識者/Horizon Scholar》
《先見のキマイラ/Prescient Chimera》
《鞭の一振り/Lash of the Whip》
《不機嫌なサイクロプス/Ill-Tempered Cyclops》
《怒血のシャーマン/Rageblood Shaman》
《パーフォロスの試練/Ordeal of Purphoros》
《神々の思し召し/Gods Willing》
《モーギスの狂信者/Fanatic of Mogis》
《神聖なる評決/Divine Verdict》
《希望の幻霊/Hopeful Eidolon》
《悪意の幻霊/Baleful Eidolon》
《迷宮の勇者/Labyrinth Champion》
《セテッサの英雄、アンソーザ/Anthousa, Setessan Hero》
《ファリカの療法/Pharika’s Cure》
《パーフォロスの激怒/Rage of Purphoros》
《波濤砕きのトリトン/Wavecrash Triton》
《一口の草毒/Sip of Hemlock》
《狩猟の神、ナイレア/Nylea, God of the Hunt》
《タッサの試練/Ordeal of Thassa》
《洞窟のランパード/Cavern Lampad》
《闘技場の競技者/Arena Athlete》
《トリトンの財宝狩り/Triton Fortune Hunter》
《恭しき狩人/Reverent Hunter》
《海檻の怪物/Sealock Monster》
《菅草の蠍/Sedge Scorpion》
《槍先のオリアード/Spearpoint Oread》
《ナイレアの信奉者/Nylea’s Disciple》
《ケイラメトラの侍祭/Karametra’s Acolyte》
《残忍な発動/Feral Invocation》
《死者の神、エレボス/Erebos, God of the Dead》
《双頭のケルベロス/Two-Headed Cerberus》
《血集りのハーピー/Blood-Toll Harpy》
《骨読み/Read the Bones》
《国境地帯のミノタウルス/Borderland Minotaur》
《エレボスの試練/Ordeal of Erebos》
《ヘリオッドの試練/Ordeal of Heliod》
《ナイレアの試練/Ordeal of Nylea》
《石殴りの巨人/Stoneshock Giant》
《思考囲い/Thoughtseize》
《信条の戦士/Staunch-Hearted Warrior》
《ケンタウルスの戦上手/Centaur Battlemaster》
《前兆語り/Omenspeaker》
《メレティスのほら吹き/Meletis Charlatan》
《ヘリオッドの福音者/Evangel of Heliod》
《万神殿の兵士/Soldier of the Pantheon》
《苛まれし英雄/Tormented Hero》
《炎語りの達人/Flamespeaker Adept》
《フィナックスの信奉者/Disciple of Phenax》
多くは必要ないコンバットトリック及びエンチャント
《ヘリオッドの選抜/Chosen by Heliod》
《ドラゴンのマントル/Dragon Mantle》
《タイタンの力/Titan’s Strength》
《武勇の誇示/Show of Valor》
《蛮族の血気/Savage Surge》
《エレボスの加護/Boon of Erebos》
《液態化/Aqueous Form》
《戦士の教訓/Warriors’ Lesson》
《予記された運命/Fate Foretold》
《災いの印/Scourgemark》
メインから採用は出来る程度の生物と呪文
《解消/Dissolve》
《職工の悲しみ/Artisan’s Sorrow》
《ラゴンナ団の長老/Lagonna-Band Elder》
《ミノタウルスの頭蓋断ち/Minotaur Skullcleaver》
《悪魔の皮のミノタウルス/Felhide Minotaur》
《永遠の炎のタイタン/Titan of Eternal Fire》
《フィーリーズ団のケンタウルス/Pheres-Band Centaurs》
《巨体の狐/Vulpine Goliath》
《ナイレアの存在/Nylea’s Presence》
《解消の光/Ray of Dissolution》
《レオニンの投網使い/Leonin Snarecaster》
《阻まれた希望/Stymied Hopes》
《恩寵の重装歩兵/Favored Hoplite》
《旅する哲人/Traveling Philosopher》
《蘇りしケンタウルス/Returned Centaur》
《神々との融和/Commune with the Gods》
《乗騎ペガサス/Cavalry Pegasus》
大抵はサイドボードに取っておくもの
《沈黙の職工/Silent Artisan》
《火飲みのサテュロス/Firedrinker Satyr》
《邪悪退治/Vanquish the Foul》
《セテッサの戦神官/Setessan Battle Priest》
《サテュロスの散策者/Satyr Rambler》
《肉餓えの馬/Fleshmad Steed》
《野蛮な祝賀者/Wild Celebrants》
《エファラの管理人/Ephara’s Warden》
《受勲したグリフィン/Decorated Griffin》
《水跳ねの海馬/Breaching Hippocamp》
《タッサの褒賞/Thassa’s Bounty》
《アクロスの十字軍/Akroan Crusader》
《無効/Annul》
《裏切りの先触れ/Portent of Betrayal》
《今わの際/Last Breath》
《古代への衰退/Fade into Antiquity》
《切り裂く風/Shredding Winds》
《狩人狩り/Hunt the Hunter》
《サテュロスの笛吹き/Satyr Piper》
《水底の巨人/Benthic Giant》
《闇の裏切り/Dark Betrayal》
《殺し屋の行動/Cutthroat Maneuver》
《異端の輝き/Glare of Heresy》
《記憶の壁/Mnemonic Wall》
《火花の衝撃/Spark Jolt》
《毒蛇座の口づけ/Viper’s Kiss》
《蘇りし者の行進/March of the Returned》
《落岩/Boulderfall》
《不死の贈り物/Gift of Immortality》
《死の国からの救出/Rescue from the Underworld》
《アスフォデルの放浪者/Asphodel Wanderer》
《反論/Gainsay》
《鋤引きの雄牛/Yoked Ox》
《トリトンの岸盗人/Triton Shorethief》
《峰の噴火/Peak Eruption》
《迷宮での迷子/Lost in a Labyrinth》
《伝書使の素早さ/Messenger’s Speed》
《拠点防衛/Defend the Hearth》
《破砕/Demolish》
《白鳥の歌/Swan Song》
多色カードのピック順
上記単色カードに加えて、テーロスでは多色カードもかなりの量を占めている。(能力起動にかかるマナ色が本体と異なるものも多色リストに含んでいる。)特にドラフト初期段階では多色カードを取るか、或いはまだ色の方向性を決めずにおくかという難しい選択を迫られる時がある。僕の方針では、強い多色カードを取るよりもそれより弱めではある単色カードを取ることで柔軟性を維持することを重視する。その多色カードが極端に強力で無い限りはね。具体的にしたのが以下の多色ランキングだ。ここでいう「トップコモン」というのはVoyage’s EndやLightning Strikeなどのことで、「まあまあなコモン」というのはTime to FeedやVaporkinなどを指す。
あらゆるトップコモンよりも優先して取る多色カード
《都市国家の破壊者/Polis Crusher》
《アナックスとサイミーディ/Anax and Cymede》
《荒野の収穫者/Reaper of the Wilds》
《老いざるメドマイ/Medomai the Ageless》
《クルフィックスの預言者/Prophet of Kruphix》
《羊毛鬣のライオン/Fleecemane Lion》
《メレティスのダクソス/Daxos of Meletis》
《死の国のケルベロス/Underworld Cerberus》
《悪夢の織り手、アショク/Ashiok, Nightmare Weaver》
《歓楽者ゼナゴス/Xenagos, the Reveler》
トップコモンよりは下だがまあまあなコモンよりは優先して取る強めな多色カード
《岩への繋ぎ止め/Chained to the Rocks》
《難破船の歌い手/Shipwreck Singer》
《運命の三人組/Triad of Fates》
《戦識の重装歩兵/Battlewise Hoplite》
《英雄の記録者/Chronicler of Heroes》
《死の国の歩哨/Sentry of the Underworld》
《地平線のキマイラ/Horizon Chimera》
まあまあなコモンよりも優先度は下がるまずまずな多色カード
《殺人王、ティマレット/Tymaret, the Murder King》
《ファリカの癒し人/Pharika’s Mender》
《エイスリオスの学者/Scholar of Athreos》
《蘇りし者の密集軍/Returned Phalanx》
《クラグマの戦呼び/Kragma Warcaller》
《静寂の神殿/Temple of Silence》
《神秘の神殿/Temple of Mystery》
《奔放の神殿/Temple of Abandon》
《凱旋の神殿/Temple of Triumph》
《欺瞞の神殿/Temple of Deceit》
《死呻きの略奪者/Deathbellow Raider》
《アクロスの重装歩兵/Akroan Hoplite》
《海岸線のキマイラ/Coastline Chimera》
《はじけるトリトン/Crackling Triton》
《彼方の工作員/Agent of Horizons》
《セテッサのグリフィン/Setessan Griffin》
《アクロスの木馬/Akroan Horse》
《乳白色の一角獣/Opaline Unicorn》
《つややかな雄鹿/Burnished Hart》
《破壊的な享楽/Destructive Revelry》
《蒸気占い/Steam Augury》
《精神的な介入/Psychic Intrusion》
《サテュロスの享楽者/Satyr Hedonist》
《魔心のキマイラ/Spellheart Chimera》
《旅行者の護符/Traveler’s Amulet》
《未知の岸/Unknown Shores》
《イロアスの神官/Priest of Iroas》
《金床鋳込みの猛禽/Anvilwrought Raptor》
《青銅の黒貂/Bronze Sable》
《メレティスの守護者/Guardians of Meletis》
《炎放ちの車輪/Flamecast Wheel》
《灰燼の乗り手/Ashen Rider》
《アクロスの巨像/Colossus of Akros》
《こそ泥の兜/Prowler’s Helm》
《速羽根のサンダル/Fleetfeather Sandals》
《毒々しいカトブレパス/Loathsome Catoblepas》
《ニクスの祭殿、ニクソス/Nykthos, Shrine to Nyx》
《魔女の目/Witches’ Eye》
《伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium》
テーロスリミテッド20ヶ条
この記事の締めくくりとして、テーロスリミテッドとドラフト全体に通じる僕の考えた20個のコンボを書こう。
1)ドラフトでの授与において、絆魂と二段攻撃はより重要となる。よってTwo-Headed CerberusやInsatiable Harpyは僕のピック順では通常よりも上位に来る。 ScourgemarkやDragon Mantleとの組み合わせも強力であることも忘れずに。
2)Disciple of PhenaxやReturned Centaurと組み合わさることでVoyage’s EndやGriptidはそれぞれ強力な除去に変わる。
3)もしNemesis of Mortalsを取れたなら、Satyr HedonistやCommune with the Godsの評価は急騰する。
4)Sealock Monsterをプレイし、更に手札にNylea’s Presenceがあれば、相手の土地を島にしてSealock Monsterで殴ることが出来る。
5)Cavalry Pegasusで空を飛ばすのにうってつけな人間はAkroan HopliteやDaxos of Meletis、Staunch-Hearted Warriorだ。
6)Karametra’s AcolyteをTriton TacticsやSavage Surgeでアンタップすることは、時にイカれたマナ加速に繋がる。
7)赤と緑には4マナのカードが集中しているから、ピックする枚数は抑えめに。
8)正確に計算すると、ドラフト1回あたり各コモン2.4枚と各アンコモン1.2枚を平均して手にすることが出来る。また5色中2色の組み合わせ10種類に対し1卓8人という結果、2色の選択が他と被ることは殆ど無い。それ故自分だけのトップコモン・アンコモンを想定することが出来る。例えば、緑白をやっている時はChronicler of Heroesはまず取れるのでStaunch-Hearted Warriorをより早めに取るべきだ。
9)赤黒はフィニッシャーにKragma Warcallerを使ったマイナーなミノタウロスデッキが出来る。Felhide Minotaurのようなカードは赤黒をやってる時は早めにとるべきだ。よく見落とされがちなことだが、Fanatic of Mogisもミノタウロスだ。
10)緑赤及び青赤は多色カードの中でも特に脆弱だ。
11)5マナ以上のカードと4マナ以下のカードの比較で、より早い勝利のためには後者に軍配が上がる。重いカードは勝敗に関わる怪物化や授与の妨げに成り得るからね。
12)神は信心を稼ぐのが難しいのでリミテッドにおけるボムにはならない。それでもHeliod, God of the Sunの能力は素晴らしいので常にメインから採用出来る。だが黒いデッキでErebos, God of the Deadはサイド要員だ。勿論早期に神をピック出来たなら後のピックは信心稼ぎを優先していい。
13)コモンカードのLash of the WhipやRage of Purphorosの存在下においてタフネス5という数字はマジックナンバーだ。従ってNessian Aspは考えてる以上に強力な奴だ。
14)青・緑・黒の良質なカード群の点数で見た平均マナコストは比較的高く、なんと3を超える。対照的に、赤と白では3以下となるので速攻型になりがちだ。
15)緑・青・白は英雄的クリーチャーと関連している。赤と黒には全くない。コンバットトリックや授与時においてはこのことを念頭に置いておくこと。
16)十分な数の授与クリーチャーを集めることは出来ない。重要なのは、白と黒のコモンには2枚の授与クリーチャーがいてそれ以外の色には1枚しかないということだ。
17)パックはよく混沌としたものになるので、十分な素材をピックしていても他の色に乗り換えることが度々ある。躊躇することなく、その場に応じて色を乗り換えることだ。
18)接死持ちクリーチャー(Sedge ScorpionやBaleful Eidolon)は試練サイクルに対する最高の回答だ。リミテッドにおいては強力なものとなる。
19)テーロスドラフトは比較的速く、テンポゲーである。M14ドラフトとは全く異なる。良いマナカーブにすること。
20)最後に、ドラフトでいつでも通じる、特にこのセットにおける最も重要なアドバイスをしよう。サイドボードを使え!
デッキをいじる機会を逃さないことだ。僕個人だと1試合あたり4枚のカードを替える。これは多めだが、僕の勝利に繋がっている重要な部分だと思っているよ。サイドボーディングはAnnulやLast Breath、Shredding Winds、Dark Betrayalといった明確なアンチカードから始まるが、僕は大抵「害悪」なカードへの対策を考える。Benthic Giant(Heliod’s Emissaryをブロックし他の地上ウィニーを止めるため)、Bronze Sable(相手がLeonin Snarecasterと相方で攻めてくるようである時)、Ephara’s Warden(Prescient Chimeraをタップさせるため)、Flamecast Wheel(相手がKragma Warcallerを持っているなら)のようにね。
もしかしたら、何を入れるかよりも何を抜くかのほうがより重要かもしれない。相手に殆ど効き目が無かったのはどのカードかを見極めることだ。例えば、Read the BonesやVaporkin、Sea God’s Revengeは速攻系な赤白デッキ相手にはサイドアウトする。相手がOmenspeakerやWavecrash Tritonを使ってるならSatyr Ramblerは抜くべきだろう。重めの黒相手にCavern Lampadは抜く。試練サイクルは相手が複数のGriptidesやSedge Scorpion等を持ってるなら抜こう。 タフネス2以下のクリーチャーが見られないようならPharika’s Cureは抜くべきだし、相手の生物が軒並み飛行だらけならPheres-Band Centaursはいらない。もしマッチが遅めであるなら3色目を入れることも考慮すべきだ。逆に高速であるならタッチカラーは抜くべきだろう。
まとめると、鍵となるのは相手のデッキがどのようなものかを把握し、自分のカードプールの1枚1枚を見直すことだ。ピック順リストは役に立つが、カードの評価は対戦相手に大きく依存する。時にはSea God’s Revengeを抜いてBenthic Giantを入れることも正しい戦略となる。
先日のテーロスリミテッドでのグランプリ香港で見事に優勝した中村修平にはとても感謝してる。ピック順リストを作ってる時、各カードの評価について彼の素晴らしい見識をシェアしてくれたからね。それでもランキング自体は修平の経験をベースにして、僕自身が最終的に作り上げたものだ。なのでもし質問や評価に関する苦情があれば、是非とも僕に対して投げつけてくれ!
---------------------------------------------------------------------------
誤訳等お気づきの点があったらコメントよろしくお願いします。
【翻訳】Esper Control with Theros
2013年9月28日 翻訳 コメント (1)翻訳は初の試み。
Esper Control with Theros
http://www.gatheringmagic.com/kyleboggemes-theros-09272013-esper-control-with-theros/
やあ、みんな。
今日は僕が新スタンダードでワクワクしてるデッキについて話そうと思うよ。
エスパーコントロールをね。
M13スタンの時の僕のチョイスはバントだったけど、エスパーはテーロス以後コントロールにとってベストなパーツを揃えているね。
ラヴニカブロック構築で十分に洗練されたアーキタイプだから、これが僕のトップチョイスであることは驚きには値しないだろう。
始めに、PTドラゴンの迷路で2位の座に輝いたDusty Ochoaのリストを挙げよう。
ラヴニカの強力なカウンターと除去が豊富であるという外枠はそのままにしておくべきだろう。
幸運にも、僕達はギルド門をプレイする必要はない。スタンダードで使える水準ではないと思うね。Coastal Towerが青白コントロールで奮っていた13年前とは違うんだ。
これが新スタンダードで僕が辿り着いた形だよ。
テーロスによるM14からの強化
最も大きな強化は、Obzedat, Ghost CouncilやAngel of Serenityといった生物だけでなくプレインズウォーカーをも除去する力を獲得したことだ。
プレインズウォーカーがDetention SphereやHero’s Downfall、Dreadboreのようなポピュラーな除去によって更に対処され易くなることは十分注目に値するよ。
Syncopateは2ターン目にプレイできる良いカウンターだ。だけど僕はそれ以外のどんなターンでもDissolveを引きたいね。ソーサリータイミングのカードをプレイすることは少ないし、Syncopateで確実に打ち消せることは稀だ。このデッキは4マナのSupreme VerdictやJace, Architect of Thoughtをプレイすることに加えてDissolveを有効に使うことが出来る。
占術のボーナスもDissipateよりずっと嬉しいね。イニストラード落ちで強力な墓地利用は無くなったから。
マナ基盤と3色目の選択
僕は初め青白コントロールを組んでみたけど、MutavaultやEncroaching Wastesでは十分な力が無かったから占術ランドを入れたくなったんだ。
Gavony TwonshipやKessig Wolf Runといった多目的ランドが落ちた今、対抗色マナを出す程度の必要性しかないと思う。
Mutavaultがコントロールではプレインズウォーカーへのプレッシャーになるという議論はこれまでなされてきたけど、僕は実際にそんな状況に遭遇したことは無いし、ダメージで勝利を収めることも稀だ。Mutavaultはそこまで魅力的ではないんだよ。僕はとにかく入れられるだけの色マナ土地をコントロールデッキに入れたいから、土地を小粒なクリーチャーと1:1交換するのは理想的とはいえないね。
青白コントロール用の多目的ランドは素晴らしくないとなると、良いマナ基盤足りうる3色目は何色にしようか?
占術ランドは第1ターンにプレイしてドローの質を上げるのに適している。それだけでなく、ゲーム終盤に不要牌を取り除くことも出来る。
僕はまだ6枚しか入れてないけど、8枚フルに入れることになっても驚かないと思う。
前環境の2色ランドサイクルを使うタイプとは違う形にすることがコントロールには必要だろうね。土地を皆タップインにすることは好ましくないから、3色目は適度に軽く散らすくらいがいいと思う。
黒を入れる理由の大本はコントロールミラーにおけるThoughtseizeの素晴らしさだ。
殆どの場合、サイド後は互いのボムのカウンターゲーに終止することになるけど、相手のプランを知り厄介なカードを落とすことは最も有効なプレイングとなる。
もし相手が黒のない啓示コントロールだったら、より大きなアドバンテージになるだろうね。
ゲーム初期に黒土地をタップインすることは問題ではない。何故ならThoughtseizeはコントロールミラーでは後々に唱えたいからさ。この力をより有効に活用するために4枚も取ってある。
1、2ターン目にThoughtseizeは滅多に唱えない。相手が次のターンにカウンターを引いて不意に君のジェイスを打ち消してくる恐れがあるからね。
除去
Hero’s Downfallは残念だけど抜いたよ。盤面を確実に綺麗にする力に欠けている青と黒をメインカラーに据えるのは難しい。Curse of the Swineもこれを完璧に埋めることは出来ない。
もし僕のコントロールデッキがSupreme VerdictやAnger of the Godsを入れないものになるようなら、アグレッシブなデッキに駆逐されてしまうだろうね。プレインズウォーカーへの対策は欲しいから、Detention SphereやDreadbore、Hero’s Downfallのどれかは結局必要になるけど。
(※訳修正)
新レジェンドルール下では、Detention Sphereが相手のジェイスに対するより面白い解答になることは覚えておきたい。もしお互いにJace, Architect of Thoughtをプレイしていると、どちらもSphereで除去しようとするだろう。するとJace, Memory Adeptがプレイできる状態になる。これが特に強化された点の一つだ。
ミッドレンジはDesecration DemonやStormbreath Dragonを展開してくるから、これら大きな生物を除去するカードが幾つか欲しい。
Far+Awayは明快な解答だ。これを微妙なものにしていた前スタンダードのカード(Lingering SoulsやDoomed Traveler)はローテ落ちしたしね。これからのミッドレンジは依然としてコントロールと接線を繰り広げることになるだろうけど、Far+Awayはその勝負を不利なものにはしないだろう。
サイドボード
Ultimate PriceはメインのDoom Bladeと置き換えられる。
勿論Doom Bladeは新しいスタンダードではとても良いカードだけど、Blood Baron of VizkopaやDesecration Demonには仕事をしてくれない。Doom Bladeをメインに入れる理由はUltimate Priceが黒単色生物にのみ有効だということだ。Doom BladeではDeathrite ShamanやBlood Baronを除去れないけど、Ultimate Priceも同じだよね。
Ratchet Bombはメインに入れようともしたけど、ミッドレンジを相手にした時に自分のDetention Sphereやプレインズウォーカーを巻き添えにしたくないからDoom Bladeに枠を譲ったよ。
それでもRatchet Bombは僕が想定する環境初期の速攻ビートに対して強力だ。
1マナパワー2のクリーチャーが揃っているし、複数のクリーチャーを殺すには合理的な手段だろう。
Sensory Deprivationは1ターン目からクリーチャーを止められるとっておきのカードだ。
これのために5枚の島と8枚のショックランドを取ってあるよ。アグロ相手に1ターン目から動けないのは致命的に成り得るからね。赤いコントロールデッキでサイドにShockを4枚積むことからもこれは明らかだ。
僕達はローテーションでTragic SlipとPillar of Flameを失ったけど、まだスリムなカードは残っている。
Ratchet BombとSupreme VerdictはFar+Awayが効きにくい脳筋クリーチャー達を根こそぎ排除できる。
Voice of Resurgenceへの解答としてLast Breathを取ってみたこともあるけど、Spear of Heliodへの解答には足り得ない。アグロのクリーチャーはより大きく、そして速くなっているから、Sensory Deprivationは似た脅威や巨大な生物に対しても有効になる。
除去はブロックの新入りであるGlare of Heresyで締めくくろう。
こいつは中々のやり手で、ミッドレンジにもアグロにも使える。早出のVoice of Resurgenceや遅出のElspeth, Sun’s Championとかにね。
サイドの残り半分は対コントロール用だ。啓示デッキに対しては殆どの除去をサイドアウトするから大目に取ってあるよ。
もし想定外の脅威があったとしても、Detention Sphereが何とかしてくれる。これらはプレインズウォーカーのためにサイドアウトはしないからね。
ThoughtseizeはSin Collectorよりも素晴らしい。何故ならプレインズウォーカーやDetention Sphere、Aetherlingも落とせる。2/1というサイズはジェイスやエルズペスへの対抗策になると考えるかもしれないけど、ハンデスの範囲を狭める価値はない。
僕は5ターン目にThoughtseizeを唱えてジェイスが安全に通るか確認したいね。
メインには5枚の打ち消しを入れてあるけど、サイドには馴染みで2枚のNegateを取ってある。Gainsayも考えたけど、相手のThoughtseizeを打ち消したい。
後はAetherlingとJace, Memory Adeptの2枚のボムで仕上げだ。
Thoughtseizeの能動的性質のお陰でゲームのテンポは格段に上がるだろうから、ここに別の脅威が生じてくる。もしSphinx’s Revelationが2、3枚もハンデスされた後には、右手力が要求されてくる訳だ。
他に、エルズペスが対コントロールにおいては有力なカードではない点もある。ゲームを決めるのに十分ではあるけど、思考ジェイスの+1で1/1トークン達は止められ、Detention SphereやGlare of Heresyによってプレインズウォーカーは処理されてしまう。
相手がDetention SphereをGlare of Heresyによって除去しにくるならばJace, Architect of Thoughtとの面白い相互作用が生まれる。
Sphereによって2体が追放されている時、Glare of Heresyは相手にとって好ましくないタイミングでジェイスを戦場に引き戻してくれる。
Slaughter Games
テーロス後スタンダードでは新しいタイプの赤黒ミッドレンジが大きなインパクトをもたらすと僕は考えてるよ。だからSlaughter Gamesによって負けないようデッキを組んでおきたい。フィニッシャーが多用であればこのカードは問題無いと思うけど。
肝に銘じておきたいのは、それらのデッキにはDreadboreやHero’s Downfallも一緒に入っているだろうことだ。これはもしAetherlingが摘出された場合にプレインズウォーカーでゲームを決めることを難しくする。それでもゲームを終止コントロールすることは可能だろうけど、勝負を決めるには足りない。
一応そういう時にJace, Architect of Thoughtの奥義が相手のデッキからフィニッシャーを奪えることは忘れないように。
Sphinx’s Revelation VS Divination VS Read the Bones
占術ランドはゲーム初期のドローフィルターになってくれるお陰でSphinx’s Revelationを引きたいときにある程度操作出来る。デッキの呪文は総じて受動的だからこのカードは何枚も引きたくはない。2枚目のお陰でディスカードをするハメになるかもしれないね。
Divinationは土地をフルタップにすることなくドローが出来る良いカードだ。
Sphinx’s Revelationをパワフルにするためにこれを早期に唱えてただ土地を狙いに行くこともあるよ。この世で最も派手な呪文とは言えないけど、確実に仕事はしてくれる。
Read the Bonesはとてもパワフルだが、Divinationの方が青基板のデッキに合致している。
対アグロにおけるコントロールの最も重要な要素はライフを安定に保つことで、2点のロスはかなりの痛手だ。土地を大目に引くことはそこまで痛手ではない。後でSphinx’s Revelationのために役立つからね。
Read the Bonesが入る理想的なデッキは黒のミッドレンジだろう。ドロー手段に乏しいし、余分な土地はSphinx’s Revelationの無いデッキでは使えない。
同様に、このカードはミッドレンジにかかってある呪いを和らげてくれる―第1ゲームで違う片方を引くということを。
ほとんどの黒いデッキはボムとクリーチャー除去が満載だけど、そのどちらかしか引かないというのはよくある話だ。
惜しくも入らなかったカード
テーロス後スタンダードのクールなカードを全て僕のエスパーコントロールに入れることは出来なかった。以下が選外の佳作賞だ。
Prophetic Prism – Think Twiceを失ったから似たものを探したんだ。これはマナを整えてくれるけど、軽く散らした3色目のカードがこれを入れるのを正当化出来るほどに強烈なわけではない。他にも僕は6枚の占術ランドでドローをスムーズにしている。
もし君が呪文基板に貪欲ならば2枚くらい入れることを検討していいかもね。
Haunted Plate Mail – プレインズウォーカーへの解答としてDetention Sphereがお気に召さないようなら秘蔵の宝としてこれが使えるだろう。Supreme Verdictをプレイして一緒に4点のダメージをプレインズウォーカーに飛ばせてしまう。
僕がこれを入れなかった理由は、既に4マナ域が7枚も入っていたからだ。それにエルズペスをプレイした時も1/1トークンによって能力を起動することが出来無くなる。もしエルズペスを入れないならば使ってみるといいね。
Pithing Needle – 既に僕は環境で脅威となるプレインズウォーカーの多くを仕込んであるから、これを入れる大きな理由はない。Detention Sphereはこれをもどかす良い回答だしね。
もしXenagos, the Revelerに苦労するようであれば1、2枚入れるかもしれないな。
Omenspeaker – これは良いカードと言うには程遠い。アグレッシブなデッキに対するサイドくらい。Far+Awayにおまけを付けることが出来るのは悪くはないね。
総括
イニストラード落ちはコントロールにとって非常に厳しいものであるけども、青はテーロスで再び落ち着くだろう。強烈なパワーカードはローテ落ちしたけど、平坦な試合に舞い戻るだけだ。
エスパーはスタンダードのトップコントロールの有力候補になるだろうね。
もしコメントや質問があれば遠慮なくコメント、またはe-mailをkmboggemes at gmail dot comにまで送ってね。
読んでくれてありがとう。
Kyle
Esper Control with Theros
http://www.gatheringmagic.com/kyleboggemes-theros-09272013-esper-control-with-theros/
やあ、みんな。
今日は僕が新スタンダードでワクワクしてるデッキについて話そうと思うよ。
エスパーコントロールをね。
M13スタンの時の僕のチョイスはバントだったけど、エスパーはテーロス以後コントロールにとってベストなパーツを揃えているね。
ラヴニカブロック構築で十分に洗練されたアーキタイプだから、これが僕のトップチョイスであることは驚きには値しないだろう。
始めに、PTドラゴンの迷路で2位の座に輝いたDusty Ochoaのリストを挙げよう。
"Esper Control"
Creatures (6)
2 Aetherling
2 Angel of Serenity
2 Obzedat, Ghost Council
Planeswalkers (4)
4 Jace, Architect of Thought
Spells (22)
3 Devour Flesh
3 Far // Away
4 Azorius Charm
4 Sphinx’s Revelation
4 Syncopate
4 Supreme Verdict
Lands (28)
2 Swamp
3 Island
3 Plains
2 Dimir Guildgate
2 Orzhov Guildgate
4 Azorius Guildgate
4 Godless Shrine
4 Hallowed Fountain
4 Watery Grave
Sideboard (15)
1 Detention Sphere
1 Devour Flesh
3 Dispel
1 Dramatic Rescue
1 Psychic Spiral
4 Psychic Strike
4 Sin Collector
ラヴニカの強力なカウンターと除去が豊富であるという外枠はそのままにしておくべきだろう。
幸運にも、僕達はギルド門をプレイする必要はない。スタンダードで使える水準ではないと思うね。Coastal Towerが青白コントロールで奮っていた13年前とは違うんだ。
これが新スタンダードで僕が辿り着いた形だよ。
"Esper Control Update"
Creatures (1)
1 Aetherling
Planeswalkers (6)
1 Jace, Memory Adept
2 Elspeth, Sun’s Champion
3 Jace, Architect of Thought
Spells (27)
2 Doom Blade
2 Syncopate
3 Dissolve
3 Sphinx’s Revelation
4 Azorius Charm
4 Far // Away
1 Divination
4 Supreme Verdict
4 Detention Sphere
Lands (26)
3 Plains
5 Island
3 Temple of Deceit
3 Temple of Silence
4 Godless Shrine
4 Hallowed Fountain
4 Watery Grave
Sideboard (15)
2 Sensory Deprivation
2 Ratchet Bomb
1 Jace, Memory Adept
1 Aetherling
4 Thoughtseize
2 Negate
1 Ultimate Price
2 Glare of Heresy
テーロスによるM14からの強化
最も大きな強化は、Obzedat, Ghost CouncilやAngel of Serenityといった生物だけでなくプレインズウォーカーをも除去する力を獲得したことだ。
プレインズウォーカーがDetention SphereやHero’s Downfall、Dreadboreのようなポピュラーな除去によって更に対処され易くなることは十分注目に値するよ。
Syncopateは2ターン目にプレイできる良いカウンターだ。だけど僕はそれ以外のどんなターンでもDissolveを引きたいね。ソーサリータイミングのカードをプレイすることは少ないし、Syncopateで確実に打ち消せることは稀だ。このデッキは4マナのSupreme VerdictやJace, Architect of Thoughtをプレイすることに加えてDissolveを有効に使うことが出来る。
占術のボーナスもDissipateよりずっと嬉しいね。イニストラード落ちで強力な墓地利用は無くなったから。
マナ基盤と3色目の選択
僕は初め青白コントロールを組んでみたけど、MutavaultやEncroaching Wastesでは十分な力が無かったから占術ランドを入れたくなったんだ。
Gavony TwonshipやKessig Wolf Runといった多目的ランドが落ちた今、対抗色マナを出す程度の必要性しかないと思う。
Mutavaultがコントロールではプレインズウォーカーへのプレッシャーになるという議論はこれまでなされてきたけど、僕は実際にそんな状況に遭遇したことは無いし、ダメージで勝利を収めることも稀だ。Mutavaultはそこまで魅力的ではないんだよ。僕はとにかく入れられるだけの色マナ土地をコントロールデッキに入れたいから、土地を小粒なクリーチャーと1:1交換するのは理想的とはいえないね。
青白コントロール用の多目的ランドは素晴らしくないとなると、良いマナ基盤足りうる3色目は何色にしようか?
占術ランドは第1ターンにプレイしてドローの質を上げるのに適している。それだけでなく、ゲーム終盤に不要牌を取り除くことも出来る。
僕はまだ6枚しか入れてないけど、8枚フルに入れることになっても驚かないと思う。
前環境の2色ランドサイクルを使うタイプとは違う形にすることがコントロールには必要だろうね。土地を皆タップインにすることは好ましくないから、3色目は適度に軽く散らすくらいがいいと思う。
黒を入れる理由の大本はコントロールミラーにおけるThoughtseizeの素晴らしさだ。
殆どの場合、サイド後は互いのボムのカウンターゲーに終止することになるけど、相手のプランを知り厄介なカードを落とすことは最も有効なプレイングとなる。
もし相手が黒のない啓示コントロールだったら、より大きなアドバンテージになるだろうね。
ゲーム初期に黒土地をタップインすることは問題ではない。何故ならThoughtseizeはコントロールミラーでは後々に唱えたいからさ。この力をより有効に活用するために4枚も取ってある。
1、2ターン目にThoughtseizeは滅多に唱えない。相手が次のターンにカウンターを引いて不意に君のジェイスを打ち消してくる恐れがあるからね。
除去
Hero’s Downfallは残念だけど抜いたよ。盤面を確実に綺麗にする力に欠けている青と黒をメインカラーに据えるのは難しい。Curse of the Swineもこれを完璧に埋めることは出来ない。
もし僕のコントロールデッキがSupreme VerdictやAnger of the Godsを入れないものになるようなら、アグレッシブなデッキに駆逐されてしまうだろうね。プレインズウォーカーへの対策は欲しいから、Detention SphereやDreadbore、Hero’s Downfallのどれかは結局必要になるけど。
(※訳修正)
新レジェンドルール下では、Detention Sphereが相手のジェイスに対するより面白い解答になることは覚えておきたい。もしお互いにJace, Architect of Thoughtをプレイしていると、どちらもSphereで除去しようとするだろう。するとJace, Memory Adeptがプレイできる状態になる。これが特に強化された点の一つだ。
ミッドレンジはDesecration DemonやStormbreath Dragonを展開してくるから、これら大きな生物を除去するカードが幾つか欲しい。
Far+Awayは明快な解答だ。これを微妙なものにしていた前スタンダードのカード(Lingering SoulsやDoomed Traveler)はローテ落ちしたしね。これからのミッドレンジは依然としてコントロールと接線を繰り広げることになるだろうけど、Far+Awayはその勝負を不利なものにはしないだろう。
サイドボード
Ultimate PriceはメインのDoom Bladeと置き換えられる。
勿論Doom Bladeは新しいスタンダードではとても良いカードだけど、Blood Baron of VizkopaやDesecration Demonには仕事をしてくれない。Doom Bladeをメインに入れる理由はUltimate Priceが黒単色生物にのみ有効だということだ。Doom BladeではDeathrite ShamanやBlood Baronを除去れないけど、Ultimate Priceも同じだよね。
Ratchet Bombはメインに入れようともしたけど、ミッドレンジを相手にした時に自分のDetention Sphereやプレインズウォーカーを巻き添えにしたくないからDoom Bladeに枠を譲ったよ。
それでもRatchet Bombは僕が想定する環境初期の速攻ビートに対して強力だ。
1マナパワー2のクリーチャーが揃っているし、複数のクリーチャーを殺すには合理的な手段だろう。
Sensory Deprivationは1ターン目からクリーチャーを止められるとっておきのカードだ。
これのために5枚の島と8枚のショックランドを取ってあるよ。アグロ相手に1ターン目から動けないのは致命的に成り得るからね。赤いコントロールデッキでサイドにShockを4枚積むことからもこれは明らかだ。
僕達はローテーションでTragic SlipとPillar of Flameを失ったけど、まだスリムなカードは残っている。
Ratchet BombとSupreme VerdictはFar+Awayが効きにくい脳筋クリーチャー達を根こそぎ排除できる。
Voice of Resurgenceへの解答としてLast Breathを取ってみたこともあるけど、Spear of Heliodへの解答には足り得ない。アグロのクリーチャーはより大きく、そして速くなっているから、Sensory Deprivationは似た脅威や巨大な生物に対しても有効になる。
除去はブロックの新入りであるGlare of Heresyで締めくくろう。
こいつは中々のやり手で、ミッドレンジにもアグロにも使える。早出のVoice of Resurgenceや遅出のElspeth, Sun’s Championとかにね。
サイドの残り半分は対コントロール用だ。啓示デッキに対しては殆どの除去をサイドアウトするから大目に取ってあるよ。
もし想定外の脅威があったとしても、Detention Sphereが何とかしてくれる。これらはプレインズウォーカーのためにサイドアウトはしないからね。
ThoughtseizeはSin Collectorよりも素晴らしい。何故ならプレインズウォーカーやDetention Sphere、Aetherlingも落とせる。2/1というサイズはジェイスやエルズペスへの対抗策になると考えるかもしれないけど、ハンデスの範囲を狭める価値はない。
僕は5ターン目にThoughtseizeを唱えてジェイスが安全に通るか確認したいね。
メインには5枚の打ち消しを入れてあるけど、サイドには馴染みで2枚のNegateを取ってある。Gainsayも考えたけど、相手のThoughtseizeを打ち消したい。
後はAetherlingとJace, Memory Adeptの2枚のボムで仕上げだ。
Thoughtseizeの能動的性質のお陰でゲームのテンポは格段に上がるだろうから、ここに別の脅威が生じてくる。もしSphinx’s Revelationが2、3枚もハンデスされた後には、右手力が要求されてくる訳だ。
他に、エルズペスが対コントロールにおいては有力なカードではない点もある。ゲームを決めるのに十分ではあるけど、思考ジェイスの+1で1/1トークン達は止められ、Detention SphereやGlare of Heresyによってプレインズウォーカーは処理されてしまう。
相手がDetention SphereをGlare of Heresyによって除去しにくるならばJace, Architect of Thoughtとの面白い相互作用が生まれる。
Sphereによって2体が追放されている時、Glare of Heresyは相手にとって好ましくないタイミングでジェイスを戦場に引き戻してくれる。
Slaughter Games
テーロス後スタンダードでは新しいタイプの赤黒ミッドレンジが大きなインパクトをもたらすと僕は考えてるよ。だからSlaughter Gamesによって負けないようデッキを組んでおきたい。フィニッシャーが多用であればこのカードは問題無いと思うけど。
肝に銘じておきたいのは、それらのデッキにはDreadboreやHero’s Downfallも一緒に入っているだろうことだ。これはもしAetherlingが摘出された場合にプレインズウォーカーでゲームを決めることを難しくする。それでもゲームを終止コントロールすることは可能だろうけど、勝負を決めるには足りない。
一応そういう時にJace, Architect of Thoughtの奥義が相手のデッキからフィニッシャーを奪えることは忘れないように。
Sphinx’s Revelation VS Divination VS Read the Bones
占術ランドはゲーム初期のドローフィルターになってくれるお陰でSphinx’s Revelationを引きたいときにある程度操作出来る。デッキの呪文は総じて受動的だからこのカードは何枚も引きたくはない。2枚目のお陰でディスカードをするハメになるかもしれないね。
Divinationは土地をフルタップにすることなくドローが出来る良いカードだ。
Sphinx’s Revelationをパワフルにするためにこれを早期に唱えてただ土地を狙いに行くこともあるよ。この世で最も派手な呪文とは言えないけど、確実に仕事はしてくれる。
Read the Bonesはとてもパワフルだが、Divinationの方が青基板のデッキに合致している。
対アグロにおけるコントロールの最も重要な要素はライフを安定に保つことで、2点のロスはかなりの痛手だ。土地を大目に引くことはそこまで痛手ではない。後でSphinx’s Revelationのために役立つからね。
Read the Bonesが入る理想的なデッキは黒のミッドレンジだろう。ドロー手段に乏しいし、余分な土地はSphinx’s Revelationの無いデッキでは使えない。
同様に、このカードはミッドレンジにかかってある呪いを和らげてくれる―第1ゲームで違う片方を引くということを。
ほとんどの黒いデッキはボムとクリーチャー除去が満載だけど、そのどちらかしか引かないというのはよくある話だ。
惜しくも入らなかったカード
テーロス後スタンダードのクールなカードを全て僕のエスパーコントロールに入れることは出来なかった。以下が選外の佳作賞だ。
Prophetic Prism – Think Twiceを失ったから似たものを探したんだ。これはマナを整えてくれるけど、軽く散らした3色目のカードがこれを入れるのを正当化出来るほどに強烈なわけではない。他にも僕は6枚の占術ランドでドローをスムーズにしている。
もし君が呪文基板に貪欲ならば2枚くらい入れることを検討していいかもね。
Haunted Plate Mail – プレインズウォーカーへの解答としてDetention Sphereがお気に召さないようなら秘蔵の宝としてこれが使えるだろう。Supreme Verdictをプレイして一緒に4点のダメージをプレインズウォーカーに飛ばせてしまう。
僕がこれを入れなかった理由は、既に4マナ域が7枚も入っていたからだ。それにエルズペスをプレイした時も1/1トークンによって能力を起動することが出来無くなる。もしエルズペスを入れないならば使ってみるといいね。
Pithing Needle – 既に僕は環境で脅威となるプレインズウォーカーの多くを仕込んであるから、これを入れる大きな理由はない。Detention Sphereはこれをもどかす良い回答だしね。
もしXenagos, the Revelerに苦労するようであれば1、2枚入れるかもしれないな。
Omenspeaker – これは良いカードと言うには程遠い。アグレッシブなデッキに対するサイドくらい。Far+Awayにおまけを付けることが出来るのは悪くはないね。
総括
イニストラード落ちはコントロールにとって非常に厳しいものであるけども、青はテーロスで再び落ち着くだろう。強烈なパワーカードはローテ落ちしたけど、平坦な試合に舞い戻るだけだ。
エスパーはスタンダードのトップコントロールの有力候補になるだろうね。
もしコメントや質問があれば遠慮なくコメント、またはe-mailをkmboggemes at gmail dot comにまで送ってね。
読んでくれてありがとう。
Kyle
1 2